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見どころは望海風斗の“哀愁”、雪組「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」

ナタリー

19/9/27(金) 21:15

宝塚歌劇雪組 ミュージカル「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」制作発表会より。左から真彩希帆、望海風斗。

宝塚歌劇雪組「ミュージカル『ONCE UPON A TIME IN AMERICA(ワンス アポン ア タイム イン アメリカ)』」の制作発表会が、本日9月27日に東京都内で行われた。

小池修一郎が脚本・演出を手がける本作は、1984年に公開されたセルジオ・レオーネ監督によるギャング映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」をミュージカル化するもの。雪組トップコンビの望海風斗と真彩希帆が主演を務める今作では、20世紀のアメリカを舞台に、ニューヨークの貧民街で暮らす移民の少年が、ギャングとして成り上がっていく様が描かれる。製作発表の冒頭では、ヌードルス役の望海、デボラ役の真彩、マックス役の彩風咲奈、ジミー役の彩凪翔、キャロル役の朝美絢が華麗なダンスパフォーマンスを披露した。

会見には、望海、真彩、彩風、彩凪、朝美のほか、小池が登壇。元々映画の大ファンだという小池は、「どんな作品をやるかという話になったとき、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』を雪組で観てみたい、と個人的に思いまして。願わくばレオーネ監督の映画そのものを扱いたく、複雑な権利交渉を乗り越え、実現の運びとなりました」と笑顔で語った。本作の見どころを司会から聞かれると、「人生のアイロニーですね。望海は、男役としての華やかさに加えて、さまざまな経験を経たことで“哀愁”も出せるはず。そこが魅力になると期待しています」と答える。

原作の映画について望海は、「過去に数回マフィアを題材にした作品に出演しているのですが、(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』は)そのときに勉強のために拝見していて。小池先生のおっしゃる哀愁というか、大人の世界観というか、一筋縄ではいかない友情や恋愛が描かれていて、そこに惹かれました」とコメント。さらに「小池先生がこの作品がお好きというのは知っていたので、いつか宝塚でやることがあれば出演したいなあ、と思っていたのですが……お話をいただけてうれしいです」と微笑む。

望海は、自身が演じるヌードルスを「静かな人」と表現し、役作りについて「彼が恋するデボラや友人のマックスなど、周囲の人たちとの関係性をきちんと作っていくことで、ヌードルスができあがっていくのでは」と真摯に述べた。また映画では子役が演じた少年期も、今作では同キャストが演じることに。これに関して望海は「お客様からどう見えるかはわからないのですが(笑)」と前置きしつつ、「演じる側としては、積み重ねてきた関係性が表現しやすいので、気持ちも作りやすいかと」と前向きに語った。

真彩は、映画で観たデボラの印象を「キレイで、不思議な瞳を持った女性。大人と少女の狭間にあるような、彼女のミステリアスな部分をうまく表現したいです」と話す。また衣装の白いドレスについて、「すごく繊細なドレスなんです」と感嘆した表情を見せ、「背中やデコルテが開いたお衣装が多いと思うので、姿勢に気をつけたいです。男役さんは“背中で見せる”と言いますが、私も思わず後ろから追いかけたくなるような女性像を目指していければ」と決意を新たにした。

「マックス役は私にとっても新しい挑戦」と語る彩風は、「映画を観ていて印象的だったのは、マックスがヌードルスを“ただ見ている”というシーンが何度も登場すること。その瞳の奥に込められた気持ちを、大切に演じることができれば」と目標を述べる。続いて彩風が「望海さんは“ギャング先輩”なので(笑)、先輩のレベルに追いつけるようがんばります」と望海に視線をやると、望海は「彩風は『悪役がやりたい』ってずっと言ってたもんね」と柔らかい表情で微笑み、それに彩風は「はい、楽しみです」とはにかんだ。

彩凪は「男はダンディ。女は色っぽく、でもカッコよさもある……」と本作を表現したあと、「私が演じるジミーは、大きな力にも屈しない強い意思を持っている人。みんなを先導していく役柄でもあるので、発言の説得力をしっかり表現したい」と言葉に力を込める。小池は「彩凪は『浪漫活劇 るろうに剣心』で武田観柳をとても面白く演じてくれたので、個性の強い役をやってほしいと思い配役しました。映画だと、ジミーという役は未公開映像が収録された“エクステンデッド版”には多く出ていますが、“完全版”の方にはあまり出ていない。なので、彼の役はオリジナルで膨らませたいと思っています」と構想を語った。

今回女役を務める朝美は、披露したパフォーマンスについて「彩風さんと絡んで踊るのが初めてだったので、とても緊張しました……今も足が震えております(笑)」と発言し、周囲の笑いを誘う。「てっきり男役をやると思っていたため、最初は男性を中心に観てしまったので、配役が決まってからもう一度観ました。来年の公演では、小池先生の熱いご指導のもと、色気たっぷりなキャロルを演じられたら」とアピールした。

朝美の発言に「キャロルは色気ですよ」と語りだした小池は、「朝美絢は『グランドホテル』のラファエラが非常によかったので、そういう部分を生かしたい。もちろん男役としても魅力的なので……今回、男としても登場します」と明かし、周囲を騒然とさせる。朝美が「えっ、そうなんですか!? 今、初めて知りました!(笑)」と笑い混じりに小池に問いかけると、小池は「だってあんまり言っちゃうとおもしろくないじゃない。まあ役としてではなく、踊りでですけど。あんまり話すとサプライズが減っちゃうので、これ以上はやめます!(笑)」と茶目っ気たっぷりに話し、会場を笑いで包んだ。

最後に望海は、本作が2020年1月1日に兵庫・宝塚大劇場で幕開けすることに触れ、「本拠地である宝塚大劇場で元日から公演できることは、とても楽しみ。娘役は派手なドレス、男役はスーツやタキシードに細やかな美学を詰め込んで、初日を迎えたいです!」と意気込みを述べ、会見を締めくくった。

宝塚歌劇雪組「ミュージカル『ONCE UPON A TIME IN AMERICA(ワンス アポン ア タイム イン アメリカ)』」の公演は、来年1月1日から2月3日にかけて宝塚大劇場で、2月21日から3月22日にかけて東京・東京宝塚劇場で上演される。チケットの一般販売は、兵庫公演分が12月7日、東京公演分は来年1月19日に開始される。

宝塚歌劇雪組 ミュージカル「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」

2020年1月1日(水・祝)~2月3日(月)
兵庫県 宝塚大劇場

2020年2月21日(金)~3月22日(日)
東京都 東京宝塚劇場

原作:ハリー・グレイ
脚本・演出:小池修一郎
作曲・編曲:太田健、青木朝子

キャスト

ヌードルス:望海風斗
デボラ:真彩希帆
マックス:彩風咲奈
ジミー:彩凪翔
キャロル:朝美絢
ほか

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