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亀梨和也、“神”林遣都を追い詰める! 『FINAL CUT』第3話で描かれた“正義”

リアルサウンド

18/1/24(水) 15:00

「出る杭は打たれる、どころじゃない。足元めり込むまで、叩き潰されます」。

参考:亀梨和也、共演者の魅力を引き出す新境地へ 『FINAL CUT』で見せる“余裕”を読む

 1月23日に放送された『FINAL CUT』(カンテレ・フジテレビ系)の第3話「特ダネは大誤報!?」。主人公・中村慶介(亀梨和也)は、12年前に、百々瀬塁(藤木直人)が司会を務める番組『ザ・プレミアワイド』で、母・恭子(裕木奈江)を女児殺害事件の犯人扱いされ、無実の罪で亡くした過去を持つ。そんな彼はある日、12年前に番組ADだった現ディレクターの小池(林遣都)が、ネットの中で“神”扱いされていることを知る。昔は報道志望だったものの、今や小さなネタばかり追いかける“暇ネタ”担当になっていた小池だったが、ある中学校で生徒に暴言を吐いた女性教師・沢渡(関めぐみ)を取材し、話題を呼ぶように。だが、予想外の展開が起き、小池は、良心と誤報のはざまで岐路に立たされるのだった。

 第3話では、“正義”とは何かが問われていたように思う。同時に、物事は見る角度によって、全く違う景色に変化することが描かれていた。生徒に向かって「ぶっ殺すよ!」と言ったことで、世間の注目を集めた暴言女教師。たとえどんな理由があったとしても、現代の教育現場では、教師が生徒に向かって「ぶっ殺す」と発言することは、完全にアウトだろう。

 だが、彼女には彼女なりの“正義”があった。沢渡が顧問を務める合唱部は、強豪校として有名であり、部員も50名ほど在籍。だが、コンクールメンバーは最大35名であり、当然、大会に出場できない部員も出てくる。そんな中、沢渡がある女子生徒にソロパートを任せると、その子は一部の部員からいじめを受けるようになってしまった。しばらく経った後、沢渡が嫌がらせの事実に気づき、いじめの主犯3人を呼び出して、注意することに。だが、いじめを行っている生徒たちは全く反省しないどころか、逆に「先生、狙っちゃうよ」と挑発する。彼女たちは、沢渡を虚偽の発言で貶めようとしていた。

 今は、生徒以上に教師の立場は弱いのかもしれない。生徒から「セクハラされた」「暴力を振るわれた」と訴えられれば、教師生命は一発でアウトだ。教師はもちろんのこと、生徒たちもそれをわかっている。加えて、大人にも子供にもなりきれない中学生は、より残酷だ。目に障る杭を足元がめり込むまで、叩き潰さないと気が済まない。だからこそ確実に葬るために、虚偽を事実にする計画を企てる。沢渡はその計画にまんまとハマって、暴言を吐いたのだ。いわば、彼女たちに誘導されたのである。

 そして、暴言を吐くまでの過程を知らず、「ぶっ殺す」という一部の事実だけをすくい取って報道してしまった小池もまた、彼女たちに利用された一人。もともと小池は、自身の“正義”に反する者の個人情報をネットの掲示板に晒し、徹底的に叩き潰していた。それゆえに、ネット上では“神”と崇められている。今回の件も、彼女たちに転がされているとは知らない小池が、“悪”を断罪したと信じきっていた。

 そして、いじめの主犯であり、沢渡を陥れた彼女たちもまた、自分たちの身勝手な“正義”を貫いていたに過ぎない。彼女たちの目には、いじめのターゲットにしていた生徒を、沢渡が“えこひいき”していたように映っていた。毎日、同じように厳しい練習に耐え、頑張っている私たちは選ばれず、あの子“だけ”ソロパートなんて許せない。先生は本来、生徒に平等に接しなきゃいけないはずなのに……。あの子だけを選ぶ先生も、選ばれるあの子も、彼女たちにとっては裁くべき“悪”なのである。

 同じ事実でも、見る側面によって見え方は歪んでいく。それは、慶介の母の事件もまた然りなのかもしれない。報道された情報だけが、その物事のすべてだと思い、魔女狩りをする私たち視聴者もまた、見方によっては“正義”だが、一方では紛れもない“悪”である。慶介が小池に突きつけた“ファイナルカット”には、今までネット上では“正義”として“悪”を裁いてきた小池自身が、“悪”となっている姿が映し出されていた。新宿中央署の副署長・高田清一郎(佐々木蔵之介)が、百々瀬に放った言葉「このご時世、出る杭は打たれる、どころじゃない。足元めり込むまで、叩き潰されます」が、頭をよぎる。もしこの映像が公開されたら、ネット民から見た小池の姿は、“神”から“出る杭”に変化することだろう。(文=戸塚安友奈)

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