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峯田和伸(銀杏BOYZ)のどうたらこうたら

「発散できない」「自信がない」モヤモヤ解消術

毎週連載

第111回

よく「40代サブカル鬱」って話を聞くことがあります。どういうことかと言うと、「カルチャーが好きな男の人は40代になると、鬱を絶対通る」っていう説で、実際にそういう人を周りでも何人か見てきてる。でもさ、前にも喋ったかもしれないけど、僕の場合はないんですよね、鬱の感じが。不思議なくらいない。

どうして鬱っぽくならないかと言うと、きっと汗をかきながら歌ったり、大きい声を出しているからだと思う。バンドマンとか音楽をやっている人に限っては「40代サブカル鬱」は当てはまらないことが多くてね。音楽をやることによって、助かってる人が多いんじゃないかな。ある意味ストレスを発散できているわけだからね。

その点、「漫画を描く」「文章を書く」人だと、キツいと思う。すごい労力をかけて、自分自身と向き合って描いた漫画、文章が完成しても、受け取ってくれたひとりひとりの生の声って耳に届きにくいでしょ。「小説が何万部売れた」と言われても、ピンとこないだろうし。そういう理由からか漫画家さん、ライターさんとかって結構な割合でツイッターをやっている人が多い。「自分の作品を受け取ってくれた人の声を聞いてみたい」「繋がりたい」みたいなことが理由だとしたら、その気持ちはよくわかる。歌手とかバンドマンって、間近にお客さんと接することができる「ライブ」ってものがあるから良いけど、漫画、文章の人たちは、それがない。本当に精神を保つのが大変だと思う。

あとさ、僕は、日課として、エロ系の動画投稿サイトをチェックしてるんだけど、自分のオナニーの様子を動画で撮って投稿してる女の人って結構いるんだよね。

ああやって動画投稿サイトにオナニーを見せる女の人って、満たされない人が多くて「発散できない」「自信がない」ってことが多いんじゃないかと思う。でも、オナニーを見せることによって「最高にエロいです。もっと見せてください」「興奮します」みたいな反応があったりしてさ、だんだん満たされていって継続して投稿し続けるんじゃないかなと思う。

だって、別に顔も綺麗で、友達もいっぱいいて、優しい彼氏がいて楽しい生活をおくってる人は、動画投稿サイトでオナニーは見せないでしょ。面倒くさいし。でも、会社と家を往復するだけのOLがさ、上司からガミガミキツいことを言われて「発散できない」「自信がない」となったときに、顔出ししないで「アーン」とやれば、みんな認めてくれるわけだから。さらに認めてくれるだけじゃなくて、男たちが必死にしがみついてくれる。

「オナニーを自分で動画撮影して、それを動画投稿サイトにアップする」って、なかなか手間がかかることだけど、今モヤモヤしている人がいたら、試しにやってみると良いんじゃないかなと思う。

自分で気づかなかった新しい性癖を発見して意外と興奮するかもしれないし、見た人からの声を聞いて、安心できるかもしれないし。オナニーの動画を投稿することで、気持ちが保てるんだとしたら別に悪いことではないと思うしね。

スタイリストの入山浩章くんとの写真です!

構成・文:松田義人(deco)

プロフィール

峯田 和伸

1977年、山形県生まれ。銀杏BOYZ・ボーカル/ギター。2003年に銀杏BOYZを結成し、作品リリース、ライブなどを行っていたが、2014年、峯田以外の3名のメンバーがバンド脱退。以降、峯田1人で銀杏BOYZを名乗り、サポートメンバーを従えバンドを続行。俳優としての活動も行い、これまでに数多くの映画、テレビドラマなどに出演している。


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