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PENTAGON、日本初ツアーで見せた“ライブドル”としての実力と“UNIVERSE”への感謝

リアルサウンド

19/2/14(木) 12:30

 2月13日にGLAYのTERUが提供した楽曲「COSMO」で日本でのメジャーデビューを果たすグローバルボーイズグループPENTAGON。彼らはリリースに先駆けて、1月より大阪公演を皮切りに、名古屋、福岡、東京と4都市を周る初のZeppツアーを行った。

参考:IZ*ONE、PENTAGON……第3次韓流ブーム、キーワードは“グローバル“?

 ツアーは2月10日、東京お台場、Zepp Diver City Tokyoでの公演で幕を閉じた。ツアーは初めてだというPENTAGON。今回は東京公演のオーラス、2部のライブレポをお届けする。ツアーで彼らはどのような姿を私たちに見せてくれたのだろうか?

■PENTAGONの魅力は、オンとオフの二面性

 定刻19時、2,000人規模のライブ会場Zepp DiverCityは、フロアの後ろまでファン「UNIVERSE」たちで埋まっていた。それぞれがペンライトを持ちPENTAGONの登場を待っているようだ。会場が暗転し、オープニングVCRが流れメンバーの紹介映像が流れると、ファンから大きな歓声が上がる。そして、メンバーの姿が暗闇から現れるとさらに歓声は大きくなった。

 曲の開始とともに銀テープが放たれ、愛嬌ダンスが可愛い「Pretty Pretty」の日本語バージョンからライブは始まった。名古屋公演後、練習中に足を負傷したメンバーのキノは、ステージ左側に椅子を用意して登場。座りながらも上半身を使ってダンスを踊ったり、歌ったりしていた。メンバーたちは、時折座っているキノにハイタッチをしたり、話しかけに行ったりと自由に動けないキノに気を配っている様子だった。

 2曲目はライブ初披露の「SKATEBOARD」。以前、コラムにも書いたが、彼らのダンスには独特な空気がある。この「SKATEBOARD」9人という人数を生かしたアシンメトリーなフォーメーションをうまく利用した振り付けが印象的だった。

 曲が終わると、メンバーが並んで挨拶。日本人メンバーのユウトが「こんばんは。今日は最終公演です!」というと、ファンからは大きな拍手と歓声が起きた。ユウトの指名でメンバーたちが順番に挨拶。それぞれが日本語で挨拶をした後は、「みなさん盛り上がる準備はできましたか?」とユウトの問いかけから、ライブが再開した。

 「Gorilla」のイントロがかかると、さっきまでの可愛いPENTAGONは消え、全く別のPENTAGONが現れる。MCではメンバー同士でわちゃわちゃしてたのに、曲が始まるとスイッチが入るのだ。彼らの魅力はこのオンとオフの二面性でもある。ライブではその二面性にゾクっとする瞬間がいくつもあるのだ。

 次にパフォーマンスされた「Can You Feel It」は、その彼らのゾクゾクした格好良さを堪能できる曲だ。鋭さと神秘性を持ち合わせた世界観は、PENTAGONにしかない魅力だろう。この「Can You Feel It」はその代表格とも言える。

 時折MCを挟みファンたちとコミュニケーションを取りながらライブは進んでいく。「今日は最後のZeppツアーだから特別なことを」と、メンバーで愛嬌バトルをしたり、あいうえお作文をしたりと、ファンを笑わせる場面も多くあった。メンバーはわからない日本語があると、日本人のユウトや日本語が堪能なキノに確認しながら会話を進めていて、その助けあう姿に、仲の良さがうかがえた。

 PENTAGONは、メンバー全員が作詞作曲ができる「セルフプロデュースアイドル」だ。韓国でチャートの逆走で賑わせた「SHINE」も自作曲だった。今回のライブでは自分たちでアレンジをし、音楽番組で披露された「SHINE」のアコースティックバージョンもパフォーマンス。聞き慣れてきた「SHINE」とはまた違う世界観で、音楽的な幅広さを感じさせてくれた。

■それぞれの個性を押し出したソロステージ

 今回は「特別なことをしたい」「1公演1リフレッシュ」というメンバーの提案で、各メンバーのソロとユニットステージが用意された。ツアーの中でそれぞれのメンバーが、自作曲やカバー曲、ダンスパフォーマンスなど披露。名古屋公演では、ホンソクwithフイ、シンウォン、キノ、ユウトでピコ太郎の「PPAP」をカバーし、本人にリツートをされていた。ツアー最終公演では誰が何を披露するのか? ファンは楽しみにしていたに違いない。

 暗いステージに現れたのは1台のキーボード。そして、最初のソロステージに現れたのは、イェンアンだった。キーボードの前に座ると、「イェンアンです」と軽く挨拶(実はこの時、イヤモニのスイッチを切ったままで出てしまい、とても緊張していたらしい)をし、弾き始める。披露したのはエド・シーランのカバー曲「Perfect」だ。イェンアンは、透き通った甘い声の持ち主だ。白いスーツに身に包んだその姿は王子様のようだが、その姿とは裏腹に力強いソウルフルな歌声を聞かせてくれた。

 2番目のソロステージに登場したのは、ジンホだ。ステージに立てられたマイクスタンドの前に立つと、聞き覚えのあるイントロが流れる。彼が披露したのは、クイーンの「Bohemian Rhapsody」だ。ジンホは、『MAGAZIN-HO』というコンテンツで毎月1回カバー曲などをYouTubeに公開している。「Bohemian Rhapsody」も、その中で披露されたものだ。動画で見たときも彼の歌の上手さに驚いたが、生で聞くとその歌唱力に圧倒される。

 ツアー最後のソロステージにはリーダーのフイが立った。彼はWANNA ONEの「Energetic」を手がけたことで「作曲ドル」としてその名前を広めた。今回披露したのは、彼が出演したMnetの作曲バトル番組「BREAKERS」で創作した「Navigation」だ。共演したシンガーソングライターをびっくりさせた曲でもある。彼の作詞作曲の才能だけでなく、歌手としての才能をこの番組で見せることになった。ステージではダンサーとともにパフォーマンス。作曲家歌手、そしてアイドルのフイの独自の世界観を見せてくれた。

■「『COSMO』はPENTAGONとUNIVERSEのために作られた曲」

 ソロステージの後は、今までのPENTAGONを振り返る映像と、彼らからのメッセージ映像が流れ、その後「COSMO」のカップリング曲「Dear Friend」をパフォーマンス。キノ曰く「柔らかい曲だ」と言う。

 そしてメジャーデビュー曲である「COSMO」を紹介。楽曲を提供してくれたGLAYのTERUに「TERUさんありがとうございます!」とお礼を述べたメンバーたち。そしてキノが「この曲はTERUさんが僕たちのために、宇宙のCOSMOをUNIVERSEに例えて作ってくれた曲です。PENTAGONとUNIVERSEのために作られた曲だから、UNIVERSEのためだけに歌います」といって、「COSMO」をパフォーマンスした。オリエンタルなギターのイントロが印象的なこの曲は、これから彼らの代表曲になっていくのだろう。

 続けて「RUNAWAY」を披露すると、フイが「今回の公演が本当に最後です」「本当に残念ですけど、僕たちの初のZeppツアーがほとんど終わりました」とMC。残念がるファンたちに「またすぐに会いましょう」の9文字であいうえお作文を作ると、ファンからは笑いが起き、悲しい気持ちを吹き飛ばした。

 そして、最後のメンバーの挨拶へ。「僕たち完璧なステージをお見せしたかったんですけど、キノが怪我をしてしまったので、完璧なステージをお見せできなかった気がしてすみません」とフイが言うと、「フイ兄さんから言ってもらって申し訳ないです。僕は今できる姿でベストを尽くしました。これからはもっと素敵な姿をお見せします、ご心配をおかけしてすみませんでした」と、キノが応え、会場から暖かい拍手が起きた。

 「すぐ会えます。待っていてください」と約束をすると、「一度みんなでやってみたかった」と言うキノのリクエストで、PENTAGONがステージに登る前にやっているという気合い入れをして、「Naughty Boy」と「SHINE」をパフォーマンス。「SHINE」の<ルルランラン僕ら マイベイベー!>の部分を何度か繰り返し、最高潮の盛り上がりの中、本編は幕を閉じた。

 UNIVERSEたちのアンコールが響く中、「COSMO」のMVが流れる。MVが終わると、キノがステージに現れた。「ほぼ終わりましたね。寂しいです。本当に」とキノ。

 「ユニバス」の4文字であいうえお作文を用意。最後の「ス」で「(UNIVERSE)好きだよ」と言うと、ファンと一緒にPENTAGONを呼び戻し、「Thumbs Up!」でアンコールがスタートした。

 ツアーTシャツを着たメンバーたちは、明るくなった会場をファンを見回したり、手を降ったりしながらパフォーマンス。最後の最後の曲は、彼らのライブではおなじみの曲「Spectacular」だった。曲が終わると、桜吹雪が舞う中でメンバー全員で手をつないで挨拶。「コマッスムニダ、カムサハムニダ~!(両方とも「ありがとうございます」の意味)」とフイがファンたちへ何度も何度も挨拶をし、椅子に座って動けないキノをジンホが背負って歩き回り、メンバー全員が名残惜しそうにステージを去って行った。

■ライブで魅力を発揮する「ライブドル」PENTAGON

 全16曲、決して多い曲数ではないが、彼らの魅力が詰まったライブだった。「SHINE」がきっかけでPENTAGONを知った人が多いと思うが、彼らには他にもライブで映える曲がたくさんある。彼らが持つ色とりどりの楽曲と個性あるパフォーマンスの魅力を発揮できるのが、このライブという空間なのだ。その意味で、PENTAGONはライブでこそ力発揮する「ライブドル」と言えるだろう。今後、さらに数をこなして経験値を積んでいけば、さらに良いライブを見せてくれるはずだ。彼らの「宇宙」は、まだ始まったばかりなのだから。(西門香央里)

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