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BEYOOOOONDS、華々しく1位でデビュー飾る 充実の作家陣がプッシュする新グループの門出

リアルサウンド

19/8/17(土) 7:00

参考:2019年8月19日付週間シングルランキング(2019年8月5日~2019年8月11日/https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2019-08-19/)

 最新のオリコンチャートによれば、BEYOOOOONDS『眼鏡の男の子/ニッポンノD・N・A!/Go Waist』が99,875枚を売り上げて首位を獲得した。続いて、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE『SCARLET』が62,241枚で2位、DA PUMP『P.A.R.T.Y. ~ユニバース・フェスティバル~』が29,665枚で3位を記録した。約10万枚を売り上げた新人グループ、BEYOOOOONDSが華々しく1位でデビューを飾る結果となった。

 BEYOOOOONDSはハロー!プロジェクト所属の女性グループ。グループ内ユニット「CHICA#TETSU」の4名と「雨ノ森 川海」の5名、そして専属メンバー3名からなる全12名で構成された合体グループである。グループ名は「~を超えて」「~の向こう側へ」といった意味を持つ”beyond”が語源。公式ページによれば、形を変幻自在にビヨーンびよーんと変貌させるスライムのようなグループを目指している、とのこと。今作は、「眼鏡の男の子」「ニッポンノD・N・A!」「Go Waist」のトリプルA面によるデビューシングルである。

 まず、「眼鏡の男の子」は作詞作曲を星部ショウ、編曲を大久保薫が務めた一曲で、全体に渡り鳴っているロービットなピコピコ音や、急激な変化を含んだリズム、物語仕立ての歌詞などインパクトの大きい楽曲になっている。作曲した星部本人によれば、ビート面はスティーヴィー・ワンダーの「Part-Time Lover」オマージュで、アレンジ面は「チップチューン×トラップミュージック」を意識しているのだとか。(参照:http://hoshibe.com/linernotes/m47)

 確かに言われてみればその通りの作りである。ただ、筆者はこの曲の、鑑賞後を気持ち良く迎えられるその”自然さ”に惹かれた。特に本作は詞乗りが非常に美しいように思う。サビの〈眼鏡 眼鏡の男の子〉はもちろん、ボーカルがラップ風味になった箇所での〈満員電車だから 殺気立って みんなプッシュ〉のハマりよう、本人も指摘しているように(同上)〈取ったってぇな〉でのメロディと歌詞の強い結び付き具合など、曲と言葉に自然な密着感がある。

 また、バックトラックのボリュームが下がり影を潜めたことでボーカルが浮き立った時、〈キミはいずこ?〉で見せるメロウなコード進行が物憂げな少女の不安感を見事に表現する。その瞬間、連綿と続くハロプロの歴史のその根幹にあるリアルな主人公像へのこだわりを見た。少女の一方的な憧れが、いずれ不安に変わり、最後は失望するオチまでつく。この一連の感情の移り変わりを、一曲に、そしてコミカルに収めたことにただただあっぱれの一言だ。

 一方で、「ニッポンノD・N・A!」は作詞を野沢トオル、作編曲を星部ショウが務めた一曲で、一聴して分かる小室哲哉オマージュ、かつ、DA PUMP「U.S.A.」へのある意味アンサーのような一曲。日本人への風刺を並べた歌詞と、印象的なシンセリフが組み合わさったことで、享楽的なサウンドのなかにチクリとリスナーを刺激する言葉が詰め込まれたダンスミュージックになっている。

 「Go Waist」はVillage Peopleのカバーで、原曲の「Go West」にかけてウエストくびれエクササイズソングとしてリメイク。日本語詞を児玉雨子、編曲を大久保薫が務めている。

 3曲とも、デビュー作だからと気負わずコミカルな作風に仕上げている。カップリング曲の雨ノ森 川海やCHICA#TETSUのユニット曲も含めれば、80年代から活躍する清水信之に加え、近年のJ-POPシーンを支える大久保薫や板垣祐介といった敏腕アレンジャー陣と、星部ショウ・児玉雨子・大森靖子といったここ数年のハロプロ作品を支える若手作家が集まり、令和を担う新グループの門出を”みんなでプッシュ”した一枚になっているだろう。(荻原 梓)

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