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小川絵梨子が井上ひさし流“演劇賛歌”に挑む、「キネマの天地」幕開け

ナタリー

人を思うちから 其の参「キネマの天地」より。(撮影:細野晋司)

キネマの天地」がプレビュー公演を経て、本日6月10日に東京・新国立劇場 小劇場で開幕した。

キネマの天地」は、日本で親しまれ続けてきた名作を届けるシリーズ「人を思うちから」の第3弾。同作は、1986年に公開された山田洋次の映画「キネマの天地」の続編として、映画の脚本に関わった井上ひさしが手がけた“推理喜劇”だ。昭和10年、とある喜劇映画の打ち合わせが行われている築地東京劇場には、娘役として人気沸騰中の田中小春、ヴァンプ役で人気の滝沢菊江、お母さんもので有名な徳川駒子、そしてトップスター・立花かず子が集まっていた。彼女らは、上演中に突然死した女優の松井チエ子を思い出し……。

小川絵梨子が演出する今回の上演版には、立花かず子役の高橋惠子、滝沢菊江役の鈴木杏、田中小春役の趣里、徳川駒子役の那須佐代子、万年下積み役者・尾上竹之助役の佐藤誓、蒲田撮影所の助監督・島田健二郎役の章平、亡くなった松井の夫で映画監督の小倉虎吉郎役の千葉哲也が出演する。

開幕に際し、小川は「中学時代に所属していた演劇部で上演したということもあり、特別に愛着を感じている作品で、井上さん流の『演劇賛歌』が込められた戯曲だと思い続けてきました」と本作への思いを明かしつつ、「今回の出演者の皆さんは、自ら喜んで未知の領域へと飛び込み、存分にお力を貸してくださる方々ばかり。振り返れば、芝居づくりに集中し、純粋にそのことが楽しめる稽古場でした。最後まで楽しんでいただけましたら幸いです」と観客にメッセージを送った。

上演時間は休憩ありの2時間40分。公演は6月27日まで。

小川絵梨子コメント

井上ひさしさんは新国立劇場の財産というべき戯曲をいくつも残してくださった、劇場にとって大切な作家のおひとり。演出家としてはまだまだ未熟な私ですが、今回は満を持しての挑戦になります。

井上戯曲初演出作品として選んだ、この「キネマの天地」は、井上さんの自由で軽妙、かつちょっとシニカルな視点が生きた戯曲だと思っています。中学時代に所属していた演劇部で上演したということもあり、特別に愛着を感じている作品で、井上さん流の「演劇賛歌」が込められた戯曲だと思い続けてきました。

今回の出演者の皆さんは、自ら喜んで未知の領域へと飛び込み、存分にお力を貸してくださる方々ばかり。振り返れば、芝居づくりに集中し、純粋にそのことが楽しめる稽古場でした。

最後まで楽しんでいただけましたら幸いです。

人を思うちから 其の参「キネマの天地」

2021年6月10日(木)~27日(日)※6月5日(土)・6日(日)はプレビュー公演
東京都 新国立劇場 小劇場

作:井上ひさし
演出:小川絵梨子
出演:高橋惠子、鈴木杏、趣里、那須佐代子、佐藤誓、章平、千葉哲也

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