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シド×河村隆一にシャムシード!イエモンカバーも飛び出した豪華コラボ続出「JITB」

ナタリー

18/12/30(日) 18:59

MDC SUPER ALL STARSによるセッションの様子。

MAVERICK DC GROUPが主催するライブイベント「MAVERICK DC GROUP PRESENTS JACK IN THE BOX 2018 ~LAST BUDOKAN~」が12月27日に東京・日本武道館で開催された。

2年ぶりの開催となる「JACK IN THE BOX」には、今年でデビュー15周年を迎えたシドや前身イベント「天嘉」から出演し続けるMUCCといったバンドが集結。恒例のセッションステージでは、各アーティストが一夜限りの特別編成でライブを繰り広げた。トップバッターのNOCTURNAL BLOODLUSTは12月16日のライブを最後にメンバーが脱退したことに伴い、この日はミヤ(G / MUCC)とDAIKI(G / HER NAME IN BLOOD)、Ryutaro(G)を迎えた編成で出演。「Punch me if you can」で勢いよくイベントの幕を切った彼らは、トリプルギターによる層の厚いサウンドを轟かせ日本武道館を圧倒した。尋(Vo)が左手を天へとかざし、歌い始めたのは「the strength I need」。彼は胸に手を当てながら切迫感のある歌声を響かせ、オーディエンスを楽曲の世界観へと引き込む。ラストには尋が「今年最後の1曲! 全力で歌います!」と意気込み、バンドは「VENOM」で渾身のパフォーマンスを見せてステージを去った。

カラフルなライトに彩られたステージに登場したのはユナイト。「それでは武道館の皆さま、イタダキマス」と結(Vo)が告げたのを合図に、バンドは「ice」で華やかにライブをスタートさせた。「平成最後に武道館でライブができて、うれしく思ってます」と結が笑みを浮かべ、バンドは叙情的なナンバー「栞」をゆったりと奏でるも、直後にはEDMチューン「隕石系スタジオパンダ」でオーディエンスを踊らせる。会場にタオル回しによる旋風が巻き起こった「Cocky-discuS」、キャッチーな振り付けを交えたディスコチューン「-ハロミュジック-」と、多種多様な楽曲でオーディエンスを楽しませた。

その後設けられたのは、過去に同イベントでさまざまな伝説を残してきたMDC SUPER ALL STARSによるセッションステージ。まずはSORA(Dr / DEZERT)主導のセッションバンド・SORA with Naughty "RESPECT" starsが大歓声の中登場した。SORAからのラブコールを受けたKen(G / L'Arc-en-Ciel)、そしてミヤ、Sacchan(B / DEZERT)からなるこのバンドは、MUCCの楽曲「勿忘草」をパフォーマンス。ボーカリストとして参加するKenの貫禄のある歌声と、幻想的なギターサウンドが場内に響き渡った。続いてセッションバンドはDEZERTのナンバー「TODAY」を歌唱。その後Kenが明希(B / シド)を呼び込むと、手ぶらで舞台に現れた明希は「見ての通り、今日はベースではございません」とスタンドマイクの前へ。最後にバンドは彼を迎えたツインボーカル編成でKenの楽曲「Speed」を伸びやかに届け、笑顔でセッションを終えた。

続いてステージに姿を見せたのは逹瑯(Vo / MUCC)、生形真一(G / Nothing's Carved In Stone、ELLEGARDEN)、明希、足立房文(Key / ex. フジファブリック)、松田晋二(Dr / THE BACK HORN)からなるTHE YELLOW MONKEYのコピーバンド・THE YELLOW MONCHHICHI2。彼らは「JAM」でライブを始め、1音1音力強く丁寧に奏でていった。逹瑯は本家イエモンがこの翌日に同会場でワンマンライブ「THE YELLOW MONKEY SUPER メカラ ウロコ・29 -FINAL-」を行うことに触れて「ご本人が演奏する前日に、同じ日本武道館でライブをできることなんてなかなかない。この経験こそまさに"メカラ ウロコ"」といたずらっぽく笑い、「バラ色の日々」を生き生きと歌い上げた。ラストナンバー「LOVE LOVE SHOW」では生形と明希が楽しげに向かい合って楽器をかき鳴らす。最後には逹瑯が「来年もLOVE LOVEしよう!」と歌い、温かなムードの中彼らのステージは終了した。

セッションステージの最後を飾ったのは栄喜(Vo / ex. SIAM SHADE)とNATCHIN(B / ex. SIAM SHADE)、SIAM SHADEのファンであるShinji(G / シド)とゆうや(Dr / シド)、そしてタイゾ(G / Kra)によるシャムシード。「シャムシード行くぞ!」と栄喜が吠えると、バンドは「グレイシャルLOVE」をさわやかに演奏した。Shinjiは「昔テレフォンアポインターのバイトをしていたんですけど、職場に友達がいなくて、公園で1人塩おむすびを食べてて。そんなときにポータブルMDプレイヤーでSIAM SHADEをずっと聴いてました。本当にいい曲ばかり」と懐かしげに当時を振り返り、ゆうやも「SIAM SHADEを観に来た武道館で、SIAM SHADEと演奏できるのは感慨深いです」と喜びを全開に。そしてSIAM SHADEの代表曲「1/3の純情な感情」で会場を大きく沸かせた5人は、最後に「PASSION」を熱くパフォーマンスしてライブを締めくくった。

「JACK IN THE BOX」初参加となるDEZERTはメンバーそれぞれが自分のペースでステージへ。まずはゆったりとしたトーンの新曲を奏でた。その後、千秋(Vo)は「生きてるかい?」と観客に呼びかけ、「人生、いろいろありますが、精一杯今日を楽しもう」と語りストレートなロックチューン「TODAY」をプレイした。目まぐるしい展開を聴かせる「『変態』」では、Sacchanが重厚なグルーヴを生み出す一方で、千秋がアジテートするように舞台を練り歩くなど、堂々としたステージを繰り広げる。そして最後の1曲として「『ピクトグラムさん。』」をプレイし、激しい余韻を残して去っていった。

「JACK IN THE BOX」の常連MUCCは、YUKKE(B)が生み出す重厚でダンサブルなグルーヴが軸を担う「TIMER」でライブの口火を切った。さらにライブの定番曲「蘭鋳」を2曲目に叩き込み、オーディエンスをどんどん熱狂させていく。逹瑯(Vo)は「新しい仲間が増えましたけど、入ってきた若手を潰したいと思います」とうそぶきながらも、「でも包み込むところも見せていこうかな」と言いメロディアスなウインターソング「メルト」で温かな空気を作り出す場面も。一転して「Mr.Liar」では後輩たちを圧倒するように激しいステージングを披露。火炎が飛び交う演出の中で「生と死と君」を貫禄たっぷりにプレイして自分たちのアクトを終えた。

大トリのシドは、Shinji(G)のつま弾く切ない旋律で始まる「紫陽花」でライブを開始。懐かしい1曲をオープニングに届けることで、特別な一夜であることをファンに印象付ける。さらに4人はマオ(Vo)が甘い声でオーディエンスを酔わせる「アリバイ」、大きなシンガロングを会場に巻き起こす「Dear Tokyo」を熱演。MCではマオが「今年結成15周年で、こうやっていろんな人に祝ってもらって。周年の1年の締めくくりをここで迎えられてうれしいです」とバンドを代表して真摯に語った。

また事前にアナウンスされていた通り、シドのステージにはゲストで河村隆一が登場。河村は「まさか、シドのメンバーに呼んでもらえるなんて光栄です」と語り、「15周年なんだってね。20年、30年と続いていくと思うので楽しみです」と後輩にエールを送る。マオは河村の横で緊張した表情を浮かべながら、「バラードを持ってきました。怖いもの知らずです」と柔らかなトーンの「普通の奇跡」につなげる。1番を河村、2番をマオが歌い、サビでは2人の美しいハーモニーが広がった。ゲストとのセッションを終えたあと、4人は「V.I.P」を皮切りにアッパーチューンを次々と投下。「one way」ではフロントの3人が笑顔で花道を歩き、観客とコミュニケーションを取りながらパフォーマンスしていた。さらに、アンコールではこの日の出演者たちが次々とシドに合流し、「ANNIVERSARY」の大セッション大会が行われることに。幸せな空気が武道館内を満たす中で2年ぶりの「JACK IN THE BOX」は終幕した。

「MAVERICK DC GROUP PRESENTS JACK IN THE BOX 2018 ~LAST BUDOKAN~」2018年12月27日 日本武道館 セットリスト

NOCTURNAL BLOODLUST

01. Punch me if you can
02. 銃創
03. the strength I need
04. VENOM

ユナイト

01. ice
02. 栞
03. 隕石系スタジオパンダ
04. Cocky-discuS
05. -ハロミュジック-

SORA with Naughty "RESPECT" stars

01. 勿忘草
02. TODAY
03. Speed

THE YELLOW MONCHHICHI2

01. JAM
02. SPARK
03. バラ色の日々
04. LOVE LOVE SHOW

シャムシード

01. グレイシャルLOVE
02. 1/3の純情な感情
03. PASSION

DEZERT

01. 新曲
02. TODAY
03. 蝶々
04. 「変態」
05. 「ピクトグラムさん。」

MUCC

01. TIMER
02. 蘭鋳
03. G.G.
04. 自己嫌悪
05. メルト
06. Mr.Liar
07. 生と死と君

シド

01. 紫陽花
02. アリバイ
03. Dear Tokyo
04. ミルク
05. その未来へ
06. 普通の奇跡
07. V.I.P
08. MUSIC
09. 眩暈
10. one way

MDC SUPER ALL STARS

01. ANNIVERSARY

本文中の「『ピクトグラムさん。』」および「『変態』」の正式曲名は、二重カギカッコが一重カギカッコ(「変態」「ピクトグラムさん。」)。

撮影:今元秀明、河本悠貴

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