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DracoVirgoが語る、『FGO』テーマ曲以降に見出した“バンドの強み”と“ハイカラ時代からの変化”

リアルサウンド

19/9/14(土) 10:00

 HIGH and MIGHTY COLOR(以下、ハイカラ)の元メンバー、MAAKIII(Vo)、mACKAz(Ba)、SASSY(Dr)の3人で結成されたDracoVirgo。2017年には毛蟹とコラボレーションし、『Fate/Grand Order』の『亜種特異点4 異端なるセイレム』テーマソング「清廉なるHeretics」をリリースしたことも記憶に新しい。

 その後、配信限定で発表したオリジナル曲やMAAKIIIのソロ作のリアレンジ作品に続いて、いよいよ正式なデビューシングル『ハジメノウタ』を完成させた。表題曲は、現在放送中のTVアニメ『ありふれた職業で世界最強』(AT-X、TOKYO MXほか)のED主題歌。主人公・ハジメとともに旅を続けるユエの視点から、ハジメへの気持ちをストレートに歌ったラブソングになっている。ギターレスの3人組という特殊な編成のプロジェクトならではの強みや、今回の制作作業について、メンバーに聞いた。(杉山仁)

「清廉なるHeretics」がバンドに与えた変化

ーーみなさんはつい先日、『Fate/Grand Order』(以下、『FGO』)の簡体字版3周年を記念したリアルイベント『Fate/Grand Order EXPO Shanghai 2019』に出演したばかりだと思いますが、上海でのイベントはどうでした?

mACKAz:会場はすごい盛り上がりでした。僕らは今回、「清廉なるHeretics」のライブパフォーマンスで出演させてもらいましたけど、そのライブ自体もそうですし、他のステージもそうで、『FGO』が中国の人たちにも愛されていることがすごく伝わってきました。

ーー通訳さんを介して話しているときでも、出演者のみなさんが日本語で話している段階でお客さんからレスポンスが返ってくるような、熱気溢れる雰囲気だったそうですね。

MAAKIII:やっぱり、日本のゲームやアニメを愛してくれている方の中には、そこから日本語を勉強してくれる方も多いみたいで、「すごく温かいな」と思いました。まさに壁がないという雰囲気で、「世界と繋がる喜びってこういうことなんだな」と実感しました。

ーーDracoVirgoの場合、サイトを多言語で用意していたりすると思うので、海外の方と繋がれるというのは嬉しい体験だったんじゃないかと想像していました。

MAAKIII:そうですね。もう、どんどん行きたい!(笑)。

mACKAz:中国に限らず、他のアジアの国にも行ってみたいと、ずっと思っていますね。

ーーライブ自体も、みなさんが毛蟹さんとの楽曲「清廉なるHeretics」を演奏する際にスクリーンに『亜種特異点Ⅳ 異端なるセイレム』の登場人物アビゲイルの映像が流れていたりと、とても凝ったつくりになっていたのが印象的でした。

SASSY:パフォーマンスもめちゃくちゃ盛り上がってくれて嬉しかったですし、あと、会場に色んなブースがあるんです。その中で『FGO』のカラオケ大会も行われていたんですけど、bilibili動画のスタッフの方に聞いたところ、そこで「清廉なるHeretics」を男性が歌ったりもしてくれていたみたいです。僕らも聴いてみたかったですね。

MAAKIII:自分たちが普段いる日本を越えて、楽曲が愛されて、そんなふうに温かく接してくれていて。パフォーマンスでも、上海の方々とのエネルギー交換ができた実感がありました。実は私たち、体調はボロボロだったんですけど……(笑)。

ーー何でも、mACKAzさんはお腹を壊してしまっていたそうで。

mACKAz:その不調、実は今も続いているんですよ(笑)。

MAAKIII:それに私も、初めて熱中症で倒れてしまって。その結果、リハーサルができなかったので、ライブがはじまるまでは不安もありました。でも、みなさんの熱狂的な愛のパワーに助けられました。その熱気に私たちも引き上げられていった感覚です。

ーー当日に披露した毛蟹さんとの楽曲「清廉なるHeretics」は、DracoVirgoを結成してほぼ最初にレコーディングした楽曲で、実はみなさんがその後、自分たちの音楽性を固めていくうえでも、大きなきっかけになったそうですね。

MAAKIII:そうですね。そもそもコラボレーションのきっかけをくれたのも、ハイカラメジャーデビュー時に担当してくれた山内(真治/アニプレックス)さんだったので、そういう意味でも、DracoVirgoという旗を掲げる中で、ずっと一緒に歩いていきたいと思っている曲です。

ーーこの曲のレコーディングを通して、みなさんの中でどんなことがクリアになっていったんでしょう?

SASSY:僕らはメンバーが3人なので、当初から「色んな人達と一緒にやっていきたい」という核のようなものはすでにあったんですけど、そこから色んな楽曲にトライしていく中で、その時点ではハイカラでの活動も含めて、「自分たちがこれまでやってきたことを振り返って、その要素を反映していく」ということを、あまりしていなかったんですよ。

ーー新しいプロジェクトなので、新しいことをしよう、ということばかり考えていた、と。

SASSY:そうなんです。でも、「清廉なるHeretics」での経験があったことで、自分たちのことを一度しっかりと考える機会ができたというか。

MAAKIII:私も、そのときに、「あれ、落ち着くぞ?」と思った部分がありました。このメンバーでは長いこと一緒にやっていなかったけれども、感覚が一瞬にして戻ったというか。レコーディングも本当に時間がかからなかったですし、自分が意識しないところで、これまでやってきた要素というのは自分の中に根付いているものなんだな、と感じたんです。それをしっかりと持ったうえで、今度は「DracoVirgoとしてどんどん挑戦していくぞ」という気持ちになれたので、これからが楽しみになるような感覚が強まった気がします。

ーー実際、その後リリースされたみなさんだけでの最初のオリジナル曲「KAIBUTSU」は、「清廉なるHeretics」の延長線上にあるような雰囲気を感じました。もちろん、その後リリースされているオリジナル曲では、まったく違う要素も色々と入っていると思いますが。

mACKAz:そうですね。「KAIBUTSU」はまさに今言ってもらった通りで、「清廉なるHeretics」で「やっぱり、僕らはこういうのが得意だよね」という感覚を持てたもの、自分たちから自然に染み出るものを、一度形にしてみようと思ってできた曲でした。

SASSY:DracoVirgoはギターレスの3人組という、ちょっと変わった編成なので、最初はいい意味で変わったことをやりたいと思っていたんです。なので、これまでとは違うプロセスで楽曲制作を進めてみようとばかり思っていて。でも、それはむしろ、いい曲をつくる機会をロスしてしまうことにもなると感じたのが、「清廉なるHeretics」や「KAIBUTSU」での経験でした。つまり、逆に何も制約を設けずに、今までの自分も新しい要素も全部出してしまった方が自分たちらしくできるのかな、ということが分かってきたというか。そうやって、自分で勝手に線引きしていたものを取り払うような作業になったと思います。それまでは「ハイカラみたいになりすぎる」と思ってやめていたことを出しても、ちゃんと今のDracoVirgoの音になると思うことができたんです。

mACKAz:実際のところ、「これがDracoVirgoだ」という具体的なものはまだおぼろげではあるんですけど、最初は色々な方向への振り幅があって蛇行していたものが、今は徐々にひとつの形に落ち着いてきている感覚があって。ライブの表現方法も含めて、「DracoVirgoってこういうものなのかな?」というものが、徐々に見えてきているように感じています。

DracoVirgoの音楽は、あの頃にはできなかった音楽

ーーハイカラの頃と比べて、みなさんが変化を感じるのはどういうところなんでしょう?

MAAKIII:まず、スタンスはあの頃と何も変わっていないんだと思います。

mACKAz:ただ、ギターがいないというのは大きくて、その結果「ロックにとらわれないことができる」という部分は結構違うのかな、と感じますね。

ーーDracoVirgoでは、ディスコやニューウェイブ的な音楽の要素も前に出ていますよね。

mACKAz:そうですね。そういう要素もあって、同時にハイカラのときのようなギターロック的なものもあってーー。その二面性は大事にしていきたいと思っているんです。

SASSY:とはいえ、ハイカラの頃と比べると、「いい意味でエゴがなくなったのかな」とも思うんですよ。だから、DracoVirgoの音楽は、あの頃にはできなかった音楽なのかな、と僕は思っていて。それに、今は自分たち自身でも、昔よりは自分たちのことが分かってきたような感覚もあります。僕らは3人とも、音を聴けば分かる、パンチがあるタイプのミュージシャンだと思っていて、MAAKIIIの歌も聴けばすぐにMAAKIIIだと分かりますし、mACKAzのベースも、自分自身も、サポートでドラムを叩いたりする中で他の人と比べられる経験をして、その中で自分の色をより理解できるようになりました。そしてそういう部分って、やっぱりハイカラのときに形成してきたものだと思っていて。そういうメンバーが集まっているということは、昔は全然分かっていなかったので、自分たちのことがより分かってきたような気がしているんですよ。

ーーなるほど、そうやって徐々にみなさん自身も、DracoVirgoがどういうプロジェクトなのかということを、掴みつつあると。今回の「ハジメノウタ」はTVアニメ『ありふれた職業で世界最強』のED主題歌になっています。この作品にはどんな魅力を感じましたか?

mACKAz:『ありふれた職業で世界最強』は、出てくるキャラクターがみんな魅力的ですよね。でも、それだけではなく、物語がすごくしっかりしていて、回を重ねるごとに引き込まれていくようなタイプの作品だと思いました。

ーー異世界で裏切られてしまった主人公のハジメが、ユエや様々な登場人物と出会って、戦いに臨んでいく、成長していく姿が描かれている作品ですね。

SASSY:今回はお話をいただいた時点で、「バトルシーンにフィーチャーしないものがほしい」というオーダーがありました。僕らの場合、バトルに合う曲なら、候補になる曲もすでにあったんですけど、そうではないということで、今回はいちから書き下ろしていきました。まずはメンバーそれぞれにユエの気持ちに寄り添った曲を書いたんですけど、最終的にMAAKIIIの曲を仕上げていきました。「ハジメノウタ」は、デモの時点で歌詞も結構できていたんですけど、僕も聴いた瞬間に「これはユエの歌だ」と思いました。

MAAKIII:今回は「ユエのハジメに対する気持ちをフィーチャーしてほしい」というオーダーだったので、ユエの気持ちに寄り添っていきました。そのときに、物語の中で戦う日々があっても、それとは別に、戦いから帰ってきたときにはハジメとユエの日常があるんだろうな、という想像が膨らんで。「そのときならではの、ハジメに対するユエの気持ちもあるんだろうな」と思ったんです。……そういうことを考えながら、自分自身もお風呂に入って髪を乾かしていたときに、〈おはよう/おやすみ〉というフレーズが湧いてきました。そのフレーズが翌日になっても頭に残っていたので、スタジオの方に協力してもらってデモを形にして。そこから3人で仕上げました。そこまでが1週間ほどの出来事で、「物語の中のユエが語りかけてきてくれた」という感覚でした。私たちだけではなくて、ユエや、ユエを生み出してくれた原作の先生や制作のみなさんの愛情が詰まった曲になったように思います。

ーーmACKAzさんとSASSYさんは、アレンジ面でどんな工夫を加えていったんでしょう?

SASSY:僕らはそこから、アニメの制作サイドの意見も踏まえつつ、アレンジを変えていきました。実は最初、リズムはドラムンベースのような、もっと速いタイプのものだったんですよ。まずはそれをよりドラマティックな、曲の世界観が伝わるものにしていきました。

ーーよりハジメとユエの「日常」が感じられるものにしていった、ということですか。

MAAKIII:そうですね。実は私も、もともと完成形のテンポ感を想像していたんですけど、それだと2人の演奏が入るときに「どうなんだろう?」と思って。それで最初はドラムンベースのようなリズムにしたんです。でも、そこから制作サイドの方々とも話し合う中で「こっちの方がいい」という同意が取れたので、自信を持ってテンポもゆっくりにしました。

SASSY:ドラムのサウンドも、いつもよりローファイな、温かみの感じられるものにしたいと思って、いつもよりアタックがバチバチしないように意識して録音していきました。

ーーなるほど、そうやって演奏自体も曲の雰囲気に合うものにしていった、と。

mACKAz:僕の場合も、この曲ではメロディと歌詞がぴったり合っていたので、できるだけシンプルなベースにして、歌を引き立たせられるように考えました。歌のメロディの間に、僕がときおり顔を出すというか。その出しどころを考えていった感じでした。

MAAKIII:歌に関しては、割とストレートに歌った気がします。その方が、ピュアな気持ちが乗ると思ったので。でも、これは今思うとですけど、ユエは少女性が感じられるキャラクターだということもあって、今回はビブラートをあまり使わなかったかもしれないです。

ーーああ、なるほど。「ハジメノウタ」というタイトルはどんなふうに考えたのでしょう?

MAAKIII:まずひとつは、純粋に「ハジメに向けたラブソングだ」ということですね。でも、そのあと気づいたことなんですけど、実はユエが物語の中でハジメに曲をつくるシーンがあるんですよね。それで、「ユエも『ハジメノウタ』をつくってたんだ!?」って(笑)。不思議な縁を感じました。ユエはハジメに救われて、そこから本領を発揮してハジメを助けていきますし、ハジメはハジメで、最初は弱かったのにユエとともに強くなっていきます。その関係性はこの作品の魅力のひとつだと思ったので、今回はジャケットもオーダーを出させてもらって、お月様(ユエ)と、その近くで輝いている一番星(ハジメ)を登場させてもらいました。

 この2人の関係性は、色んな人達にも当てはまることですよね。仕事に行って、帰ってきて、そこで誰かが癒しをくれるかもしれませんし、自分自身で生み出す癒しがあるかもしれません。そういう意味でも、一日の終わりに作品を観ている人を癒せるような曲になったらいいな、と思っていました。本編で戦いが描かれたあと、夜の深い時間帯に最後に流れるED主題歌として、登場人物たちの戦いの傷を癒すだけではなく、アニメを観ているみなさんに「今日も一日お疲れさま。明日も頑張ろう」という気持ちが届いてほしい、と。

SASSY:あと、この曲は、アニメのオンエアに乗る部分だけではなく、フル尺で聴いてもユエの曲になっているので、その部分も聴いてもらえると嬉しいですね。

ーー確かに、アニメのタイアップ曲は「オンエアで流れる1番は作品に寄り添って、2番ではそのアーティスト自身のことを歌う」というものも多いですが、この曲は全編ユエの曲ですね。

MAAKIII:曲の中で、ユエとハジメの日常がループしていくものになったらいいな、と思っていたんです。ジャケットのモチーフになっている月と一番星も、「仮にハジメの身が滅んだとしてもなくならないもの=物理的なものを越えた愛」という意味で加えたものでした。

楽曲が僕らの活動を開いてくれる

ーーカップリングについても聞かせてください。まず、「ABRACADABRA」は、元ハイカラのYusukeさんがボーカルで参加している曲ですね。

SASSY:この曲は、これまでにDracoVirgoでつくってきた色々な曲の要素をミクスチャーした曲にしたいと思って、僕がアイデアを出したものでした。そこから少しの間温めていたんですけど、そこにMAAKIIIがいいアイデアを加えてくれて、曲になった感じです。そのときMAAKIIIがつけてくれたメロディが、前のメロディを忘れてしまうほどいいものだったんですよ。ボーカル部分では、デモの時点から掛け合いになるようなメロディをつくっていたので、ここは思い切って「Yusukeに頼んでみよう」という話になりました。ハイカラのときから、自分の曲でYusukeに投げるときは何も伝えずに自由に遊んでもらっていたんですけど、今回もいい形にしてくれました。

MAAKIII:ハイカラのメンバーは本当に、兄弟みたいな存在なので。思い描いていたものが、何の狂いもなく形になった感覚でした。

mACKAz:ベースに関しては、この曲は派手に、手数の多い演奏をしていきました。そういうハイカラの頃からある要素を、今のDracoVirgoの音に消化できたのかな、と思います。

SASSY:アレンジ面では、歌詞とメロディに感じたオリエンタルな雰囲気を、音としてもより加えていくことにしました。

ーーオリエンタルな要素というのは、DracoVirgoの他の曲にも随所に出てくるものですね。

SASSY:そういえば、最近気づいたんですけど、この曲のサビ後のYusukeのリフのようなボーカルが入る部分も、冷静に聴いてみるとちょっと琉球音階っぽいな、と思ったんですよ。

MAAKIII:そういうものって、そもそも楽曲が持つ気配の中に自然と入っているところがあって、やっぱり血は嘘をつかないんだな、と思います。どんな人が何かを発しても、そこには絶対に自分の血のようなものが入ってくると思うので。「ABRACADABRA」の場合は、オリエンタルな要素としては何よりもアラビアンな雰囲気が強いですけど、ちょうど今映画が公開されている『アラジン』のジーニー的な存在が、Yusukeだったのかな、と(笑)。

ーー(笑)。一方で、もうひとつのカップリング曲「“KALMA”」は、mACKAzさんとMAAKIIIさんが作曲した曲ですね。

mACKAz:この曲は、今までDracoVirgoでやったことのない雰囲気のものがほしいと思って、実は一度、「生楽器を入れなくてもいいんじゃないか」と、全部打ち込みで作ってみた曲です。最初はレコーディングの時点でも、生演奏を入れないままにしようと思っていて、もともとは完成形にある中東っぽいフレーズもあまり入っていませんでした。ただ、途中でMAAKIIIから、「もうちょっとそういう要素も入れてみたら?」という悪魔のささやきがあって(笑)。それで、イントロにシタールやガムランをつかって、アレンジが変化しました。

MAAKIII:メロディも歌詞も、その音に呼ばれて変化していった感覚です。いつもそうなんですけど、2人の音に呼ばれてその中を漂っているうちに、景色が広がっていくというか。

ーーつまり、最初からゴールや完成形を決めているわけではない、ということですね。

MAAKIII:そうなんです。そこが本当に楽しいところで、DracoVirgoの場合は自分たちで最初から「こういう曲にするぞ」と決めていくような形でつくってはいないので、私も2人から湧いて出てきたものと一緒に漂って、結果として楽曲がさらに変化していく感覚で。この間別の場所でも言ったんですけど、私たちの作曲って、「垢太郎」だと思うんですよ。

ーー「垢太郎」ですか……?

SASSY:日本昔ばなしの『力太郎』のことですね(笑)。

MAAKIII:自分たちの子どもが欲しいおじいさんとおばあさんが、自分の体をこすって出た垢をこねて、人の形をつくっていたら、魂が吹き込まれて本当の子どもになる、という話のことです(笑)。なので、私たちも最終的に何が出るのか分からないまま、出たものをこねていくのがDracoVirgoの作曲作業なんです。

SASSY:そのこねたものに憑依する魂がMAAKIIIなんですよ(笑)。僕らとしてもMAAKIIIの歌や歌詞が乗って、楽曲が広がっていく瞬間は、毎回刺激的に感じます。毎回、自分の視野にはないものを見せてくれるので。今の時代、ミュージシャンには楽曲を計算してつくることができる人たちが多いと思うんですけど、DracoVirgoって、そういう意味では化石みたいなつくりかたをしていると思うんですよ(笑)。でも、それが楽しいんですよね。

MAAKIII:本当に、私たちも「毎回どんな曲ができるんだろう?」と楽しみにしていて。

SASSY:そういうスタンスは、これからも大切にしたいな、と思っていますね。曲が僕らの活動を開いてくれるというか、できた曲に対して、僕らが寄り添っていけるところはそうしていこう、と思っているので。

MAAKIII:考えてみたら、それがハイカラのときとの大きな違いなのかもしれないです。あの頃は1年間に2枚アルバムを出したこともあって、もちろん、その経験が私たちの血となり肉となり、今に活きていると思うんですけど、今はそのうえで、もっと自分たちの時計の中で音楽と一緒に時間を過ごしているような感覚があると思っているので。

 それに、ライブでもそうですし、他のこともそうですけど、私たちが生み出した曲が、色々な人と出会って、私たちも気づかなかった魅力を教えてもらえることの楽しさもじっくりと感じている。そういういい循環を、止めたくないなと思っています。9月19日のライブのタイトル『DracoVirgo “Opportunity 2019~Rainbow Butterfly~”』も、そうやって会場に来てくれる人たちと一緒に虹をつくれたらいいな、と思ってつけたタイトルなんです。

SASSY:僕らの場合、音源ももちろん頑張ってつくっていますけど、そこには収まらない要素がライブにこそあると思っているので、ライブの世界観も含めて、色んな人に観てもらえたらいいな、と思っています。そのために、いい循環を続けていけたら嬉しいですね。

mACKAz:そうですね。まだライブをしに行けていない場所もたくさんあるので……これから色々な場所に行って、お客さんと一緒に「笑顔という名の虹をつくっていきたいな」と。

MAAKIII&SASSY:……おっ? どうした?(笑)。

mACKAz:(笑)。何を言おうか考えてて、「これだ!」と思ったんだよ!

MAAKIII:綺麗にまとまりましたね(笑)。それ、今後のインタビューで毎回言ってね!

(取材・文=杉山仁)

■リリース情報
シングル『ハジメノウタ』
2019年9月4日発売

・初回限定「ありふれた職業で世界最強」盤
¥1,296(税込)
※初回生産限定スリーブケース仕様(初回「ありふれた職業で世界最強」盤終了次第、 スリーブケース無しの通常盤(UMCK-5680) に切り替わります)

・通常盤
¥1,296(税込)

<収録曲>
1.ハジメノウタ
2.ABRACADABRA
3.“KALMA”

■ライブ情報
『DracoVirgo “Opportunity 2019~Rainbow Butterfly~”』
9月19日(木)東京・Shibuya WWW
開場18:30/開演19:00
<チケット>
スタンディング¥3,800(税込/D代別)
※3歳以上チケット必要
◎一般発売中!
詳細ページはこちら

DracoVirgo オフィシャルHP

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