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『ウチカレ』赤楚衛二×川上洋平が体現した“作り手”たちの葛藤 予告通りの大荒れ恋模様も

リアルサウンド

21/2/4(木) 6:00

 『私は、彼氏が出来ない!!』……ではなく、『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系)第4話は、先週からの予告通りに大荒れの恋模様となる。

 鯛焼き屋「おだや」には、碧(菅野美穂)と空(浜辺美波)に、ゴンちゃん(沢村一樹)、入野(岡田健史)、渉(東啓介)と“松竹新喜劇”みたいな展開に。碧は漱石(川上洋平)と2分47秒の間に口づけを交わすほどに急接近し、空は渉に本物のデートを申し込み。入野は空への思いを諦め始めていた。空に渡せなかったビー玉を川へと投げ捨てる入野。家入レオが歌う「空と青」の2番の歌詞〈青く光る ビー玉/夕焼けに吸い込まれ/届かないこの思いごと 落ちていく〉がエンディングの画とマッチしていた。

 入り乱れる相関図の一方で、第4話にて描かれていたのはクリエイティブに対する愛と情熱だ。碧の小説『私を忘れないでくれ』が、全国ドームツアーを開催するほどの人気バンド、サイレントナイフのボーカル・ユウト(赤楚衛二)主演で映画化することに決定。しかし、ユウトが提示したのは登場人物の男女の設定を丸々入れ替え、主演の役を立たせた新たな脚本。それは原作者を侮辱した自分勝手なリクエストだった。さらに、碧は編集長の小西(有田哲平)から映画公開の承諾と次の書き下ろしを交換条件に出される始末。遠回しに“オワコン”扱いをされながらも、多くのファンを抱える恋愛小説の女王・水無瀬碧としてのプライドもまだある。

 金儲けのための便利なおもちゃ扱いされる碧の原作。最早原型すらない、めちゃくちゃな脚本に担当編集として黙っていられなくなった漱石は、脚本家(本多力)に直接交渉に向かう。そこにいたのは「脚本家」という肩書きだけのゴーストライター。映画も、キャストも、観客も舐め腐った、私利私欲だけに生きる男だった。

 次に向かうのは、ユウトの元。そこではユウトと事務所の社長が映画の主題歌のアレンジで揉めていた。映画に出演する代わりに音楽だけは好きにやらせてほしいと頼み込むユウトに、社長は売り上げが落ちている現実を突きつけ「こっちもだてや酔狂でこの仕事やってんじゃねぇんだよ、ユウト。商売なんだよ」と胸ぐらを掴み合う喧嘩にまで発展していく。

 ユウト自身も碧に無茶な依頼をしていることは自覚していた。曲に命があるように、物語にも命がある。生みだすためにかかった苦労と時間。漱石の説得の甲斐もあって、原作通りの設定で映画化されることが約束された。

「お金も欲しいし、次の場所も欲しい。ねぇ……私の代表作は次の作品なのよ」

 碧が漱石に打ち明けていたセリフ。「私の代表作は次の作品」という思いは創作に関わる全ての者に通ずる思いであり、今作が連続ドラマ脚本としては朝ドラ『半分、青い。』(NHK総合/2018年)以来となる北川悦吏子の心情が垣間見える気がした。

 第5話では、碧と空の母娘の関係性にスポットが当たる。入野の「OからABって生まれなくない?」というセリフが指すのは、碧と空の親子関係。ドラマの謎の一つである空の父親は一体誰なのか?

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:菅野美穂、浜辺美波、岡田健史、沢村一樹、川上洋平、有田哲平、中村雅俊、福原遥、大地伸永、長見玲亜、吉谷彩子、中川大輔、東啓介ほか
脚本:北川悦吏子
チーフプロデューサー:加藤正俊
プロデューサー:小田玲奈、森雅弘、仲野尚之(AX-ON)
演出:南雲聖一、内田秀実
主題歌:家入レオ「空と青」(ビクターエンタテインメント)
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/uchikare/
公式Twitter:@uchikare_ntv
公式Instagram:@uchikare_ntv

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