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山崎賢人「ここまで愚かなものを出せるのが初めてだった」 行定勲監督と『劇場』での役作り明かす

リアルサウンド

20/7/17(金) 23:45

 映画『劇場』の公開を記念した初⽇リモート舞台挨拶イベントが、7月17日に東京・ユーロライブにて行われ、主演の⼭崎賢⼈と⾏定勲監督が登壇した。

参考:山崎賢人、松岡茉優らの“今”が全世界に配信 下北沢が舞台の『劇場』は青春を思い出す一作に

 本作は、お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹の同名小説を、『世界の中心で、愛をさけぶ』『ナラタージュ』の行定勲監督によって実写映画化した恋愛映画。劇作家を目指す主人公・永田と、彼を必死に支えようとする沙希の恋を描く。

 ユーロライブで行われた舞台挨拶は、マスコミや関係者のみが入場し、抽選で当選した一般客が集まる別会場へ中継が行われた。登壇した山崎と行定監督の間にはアクリル板が設置され、新型コロナウイルスの感染拡大に配慮がなされた内容となった。

 山崎は、「いろいろ気をつけないといけない状況ですが、『劇場』という作品は劇場で観てほしい作品なので、初日を迎えられてうれしく思っています」と一言。また、当初4月17日に公開を予定していた本作だが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、公開延期が決定。そして吉本興業の配給により全国のミニシアターを中心に劇場公開、同日にAmazon Prime Videoにて全世界独占配信されることとなった。監督の行定は、「規模を縮小してでも映画館で上映できる喜びを噛み締めております」と嬉しさをにじませた。

 山崎が演じる永田は、劇団「おろか」を立ち上げ、演劇の世界で成功を信じ演出と脚本を担うも、実生活では社会や周囲の人々とうまく協調できない不器用な青年。役柄に共感を覚えたと明かす山崎は、「永田は劇作家で、僕も俳優という仕事をしていて、表現するという意味では近いところもあって、普段自分が抱えているような感情がいっぱいありました。人間って愚かな部分がたくさんあると思うんですけど、ここまで愚かなものを出せるのが初めてだった」と撮影を振り返る。

 行定監督は、山崎と永田を作っていく過程を楽しそうに語る。「初めてあったとき山崎くんが綺麗な顔をしているんですよ。その瞬間に『汚したい』と思いました。『ヒゲとか生える?』『髪の毛ボサボサにしてさ』と提案をしたら山崎くんは乗ってくれて、『(歯の色を)黄ばませてくれ』と言ったら、『わかりました。コーヒーいっぱい飲みます』と(笑)。頼もしくノリノリでした。いい意味でイカれているというか、俳優で無自覚にいろんな表情をする山崎賢人が現場にいて、その衝動を撮るのに必死でした」と振り返った。

 話を聞いた山崎は、「行定さんは舞台の演出もされている中で、現場で感じる行定さんのエッセンスを永田として入れてみたり、仕草一つひとつを作っていくのが面白くて楽しかった」と2人で作り上げた永田像に自信を示す。

 また、ヒロイン役を務めた松岡茉優は、今回スケジュールの都合で登壇を断念。代わりにビデオメッセージが寄せられた。「今日はすごく行きたかった」と悔しさをにじませながらも、公開規模が縮小したことに関して、「映画を愛する行定さんだから、たくさんの苦悩もあるんでしょうけど、山崎くんを筆頭に我々20代半ばの俳優たちは『劇場』の永田や沙希ちゃんのように、熱い気持ちを持ったまま映画の世界を元気にしたいと思っております。日本の映画の未来は明るいぞ」と力を込めたメッセージを届けた。話を受けた山崎は、松岡のことを同世代の中でも「本当に頼もしい女優さん」と述べた上で、「これからも盛り上げていけたらと思います」と共感を示した。

 最後に映画内のセリフにちなみ、自身にとって“一番心地いい場所”を聞かれると、山崎は「家ですね」と即答。「自粛期間もあり、掃除や部屋が広くなるように工夫して、カーテンを変えたり、植物を置いたりと外に出なくても自然を感じれるような空間にしました」と自粛期間の生活を振り返った。

 一方、行定監督は、「映画館です。作り手としては本当はしてほしくないんだけど、つい映画館で寝てしまった映画とかありますよね。こんな贅沢なことはないですよ。何度も目を開けようとするんだけど、睡魔に勝てなくて諦めて寝る。そのときの心地よさっていうのはなくて。その逆もあって、暗闇の中でひとつの作品をみんなが一緒に観ているという体験ができる。なかなか今は『映画館はどうなの?』と問われる時代にあると思いますが、映画館はみんなの安全を守れるように頑張っているので、できればこの『劇場』も映画館で他者と一緒に観る経験をしていただけたら」と締めくくった。

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

(リアルサウンド編集部)

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