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ZICO「Any song」は2020年を代表する1曲となるか? 日本でのSpotifyバイラルチャート急上昇を受けて

リアルサウンド

20/2/18(火) 7:00

(参考:https://spotifycharts.com/viral/jp/weekly/latest)

 Spotifyの「バイラルトップ50(日本)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top 50チャート」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたプレイリスト。同チャートを1週間分集計した数値の今週分(2月13日公開:2月6日~2月12日集計分)のTOP10は以下の通り。

1位:ECHOLL「もう二度と」
2位:Official髭男dism「I LOVE…」
3位:KERENMI「ROOFTOPS feat. 藤原聡」
4位:ZICO「Any song」
5位:Amelia Khor「愛にできることはまだあるかい」
6位:YOASOBI「夜に駆ける」
7位:落合渉「君が隣にいることいつか当たり前になってさ」
8位:LiSA「紅蓮華」
9位:BTS「Black Swan」
10位:King Gnu「白日」

 ECHOLL「もう二度と」やOfficial髭男dism「I LOVE…」といった映画・ドラマの劇中歌や主題歌の勢いも見逃せないが、今回は4位にランクインしたZICO「Any song」について書いていきたい。

(関連:ZICO「Any song」は2020年を代表する1曲となるか? 日本でのSpotifyバイラルチャート急上昇を受けて

 ZICOは人気K-POPグループ・Block Bのリーダー兼プロデューサーであり、元々韓国のアンダーグラウンドシーンでラッパーとして活動していたこともあるなど、ソロとしてもキャリアを重ねてきた。2019年には個人事務所を設立し、グループ以外での活動も広げてきている中で大きな起爆剤となったのが、1月13日にリリースした「Any song」だ。

 自身で手がけた楽曲は、ダンスホール的なビートに乗った軽快なラップが特徴的だが、ジャジーでアンニュイなコードの使い方や、どこか気だるい歌詞と歌で絶妙に“今っぽく”アップデートされた曲でもある。ここ最近のK-POPシーンで主流になっている音よりも重心は若干上がっているように感じるが、それはこの曲がヒットした原因が、音楽ストリーミング派生ではなく、TikTokによるネットミームを介したものだからともいえる。

 楽曲はリリース直後より韓国でストリームされ続けているのだが、それは、曲が世に出る直前から必然だった。リリース前から、ZICOは歌手のチョンハやMAMAMOOのファサらとともに、TikTokに「#anysongchallenge」のペアダンス動画を掲載。これが彼やコラボ相手のファンのみならず、ティーン層を中心に広がり、国内のアーティストやインフルエンサーも参加した。

 結果的に、同曲はリリース直後から韓国の音楽チャートの1位を席巻したのをはじめ、韓国国内最大の音楽配信サイトMelOnやgenie、FLOで約1カ月間にわたって1位を独占。人気は国外にも飛び火し、アメリカのビルボードチャートの「ワールド・デジタル・ソング・セールス」にも3週連続ランクイン。「#anysongchallenge」はTikTokで7億回再生を突破するなど、グローバルヒットへの道を突き進んでいる。

 それは、ここ日本も例外ではない。日本のTikTokでは「#anysongchallenge」だけではなく、原曲名である「아무노래(アムノレ)」が派生した形で「#アムノレチャレンジ」というハッシュタグとともに拡散し、こちらもK-POPファンだけではなく、より幅広いティーン層に楽曲がリーチしている。

 自身が手がけた楽曲のクオリティもさることながら、SNSでのネットミーム化なども自ら仕掛けるというZICOのプロデュース力が改めて浮き彫りになった今回のヒット。現時点でも現象としてはかなり大きなものだが、この勢いがさらに続くようであれば、「Any song」はおそらく今年上半期、いや、2020年を代表するK-POPソングになるかもしれない。(中村拓海)

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