Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ゴールデンボンバーの4人が明かす、“ビジネス仲良し”な関係性 「今は良い状況、良い距離感」

リアルサウンド

19/12/31(火) 12:00

 “新元号ソング”「令和」の最速リリースに挑戦、無人島ライブの生配信など、2019年も様々な試みで話題を呼んだゴールデンボンバー。今回、リアルサウンドではメンバー全員へのインタビューを行ない、2019年の活動をじっくりと振り返ってもらった。惜しくも出場ならずだった『NHK紅白歌合戦』への思いや、“ビジネス仲良し”というメンバー同士の関係性などについても聞いた貴重な内容となっている。(編集部)

(関連:辰巳ゆうと×歌広場淳 特別対談:演歌とヴィジュアル系に関する本音トーク 表現の仕方に共通点も発見?

■『紅白』に出たいのは「期待されたから」(鬼龍院)
――今年は『紅白』出場ならず、残念でした。身も蓋もないことをお伺いしますか、アルバムタイトルを『もう紅白に出してくれない』にし、架空ニュースサイトを作成するほど『紅白』に固執する理由はどこにあるのでしょう?

鬼龍院:う~~ん。この問いかけには「どんな答えが正解なんだろう?」って最初に考えちゃいますよね、この質問。なんて言えばいいと思う?(※メンバーに向かって)

喜矢武・歌広場・樽美酒:(無言)。

鬼龍院:なぜ出たいのであろうか? それは「期待されたから」ではないでしょうか。

――期待に応えたいと。

鬼龍院:ファンの皆やスタッフの方が期待してくれるなら……という。

――もちろん話題性で出演できるものではないのは承知していますが、今年は『紅白』出場を狙えるほど、様々なリリースが話題を呼んでいたと思います。今年リリースした楽曲について印象深いエピソードを聞かせてください。

鬼龍院:他のメンバー、あるんですかね?

喜矢武・歌広場・樽美酒:無いですね!

――楽曲そのものの制作には関わってないとはいえ、何かしらあるのではないでしょうか。たとえば、「令和」においては、元号発表から最速リリースを目指して奮闘する様子を公開することを含めての「作品」だったと思うんですよ。鬼龍院さん以外のメンバーもそこで何か感じたことはありますか?

鬼龍院:その質問はアレですよ、デザート工場で働いている人に対して「このプリンのカップを並べていて、なにか思うことはありますか?」と言われるようなものですよ。皆、指示したことをちゃんと聞いて動いてくれているだけで。

――作業工程を遂行しているだけだと。

喜矢武:詳しい話は知らないことが多いもんね。

樽美酒:スタッフより知らないことあるもんね。

歌広場:ほら、「LINEのBGMにしてるとモテる曲」って、知らない外国人4人組のジャケットじゃないですか。普通に見て「……誰だよ?」って思いました。そのくらい知らないですね。

喜矢武:そういうことを全部知らないから、Twitterでファンから「この4人の中で喜矢武さんはどれですか?」というリプが来たりすると、一瞬わからないんですよね。そこで初めてホームページを確認して知るという……。

歌広場:まさに“ファンファースト”とはよく言ったもので、“メンバーセカンド”なんですよ(笑)。

――また、今年は「ガガガガガガガ」や「かまってちょうだい///」など、ファンやオタク文化をあつかった楽曲も印象に残りました。「かまってちょうだい///」に関してはSNSでの反応をみると、ゴールデンボンバーのファンやヴィジュアル系のファンだけでなく、アイドルのファンなど、様々なジャンルの“オタク”の反響が伺えました。何か狙いがあったのでしょうか?

鬼龍院:「狙い」ってほどではありませんが、最近はネット上でオタク文化が幅をきかせてきているような流れを感じてしまいます。そうすると、非オタクの方々もオタクがどんなものかは知っている。なのでこういう曲を作っても「全く理解不能」ということにはならないから作った、「今」がそのタイミングだったというだけです。

歌広場:それに、この曲をライブでやるときは、サビでずっとツーステップを踏んでいるからか、翌日腰が痛くて痛くて。ゴールデンボンバーのライブで腰が痛くなることは滅多にないんですけど、原因がこれしか考えられない(笑)。

喜矢武:普段使わない内腿の筋肉とかに来る曲だよね。

樽美酒:僕にとってはこの曲の振りは「喜び」ですね。

鬼龍院:ステージ上で、トレーニングの時の顔をしているんですよね(笑)。

喜矢武:一人だけ振り決まったとき楽しそうでしたもん。

鬼龍院:この曲と「首が痛い」をYouTubeで同時に公開したところ、「首が痛い」の方が再生回数が多いんです。僕はどっちもインパクトのある曲だと思っていたんですが。

―それはMVの凝り具合も加味されているのでは。

鬼龍院:それはMVを見て理解してもらえたっていうことですよね。この曲は映像で見せることで面白さが伝わると思ってMVを作ったんです。それに、あの曲は本当に「使える」んですよ。

――「使える」とは?

鬼龍院:対バンイベントで、共演アーティストさんのことを上手く演出に取り入れると、すごくいい雰囲気になるし、盛り上がるんです。

――対バンだけでなく、もはやロックフェス常連のゴールデンボンバーですが、フェスでもよく共演者をいじってらっしゃいますもんね。

鬼龍院:この曲だったら、共演者に特徴的な動き(振り付け)があれば、すぐに取り入れることができるんですよ! 例えばGLAYさんと共演したときは「(GLAYチョップで)肘が痛い」だとか。そういった意味で、いい曲だなあ。これは一生安泰だなと思います。

――それで言うと「暴れ曲」も、いわゆるヴィジュアル系的な「暴れる」振りが多用されていますが、歌広場さんは振り付け制作に関わっているのでしょうか?

鬼龍院:「ここはこうだよね?」みたいな相談はしました。

歌広場:「†ザ・V系っぽい曲† 」もそうだけど、ヴィジュアル系っぽいことをやりたいってときに、細かいところで「今流行っている振りは?」くらいの話はします。

鬼龍院:「己龍さんの曲に、こんな動きがある」とか。

歌広場:この曲のサビは「百鬼夜行」のサビですね。

鬼龍院:あれはモロですね。お世話になっております。

――毎度“ギリギリ”を攻めているゴールデンボンバーですが、昨今はコンプライアンスも厳しくなっています。例えば今後、樽美酒さんが「肌色が多すぎる」など、お叱りを受けるかもしれない。

樽美酒:僕はもう脱げなくなったら、できることがなくなってしまうので辞めます!

――さきほど収録していた動画でも、今年の漢字は「脱」でしたしね。

鬼龍院:そこに関しては、すごく気をつけて動いているつもりです。マネージャーさんに「こんなことをやりたい」と案を出す時にも、そこだけで完結させずに、「他の人にも(この案に問題がないか)聞いてみてくれない?」と確認します。僕一人では気がつかないことは多いので。「ここが危険かもしれない」といった意見が返ってくると、指摘された問題点を調べたりして、様々な方向から(ネタに対して)突っ込まれても大丈夫なようにした上で、派手なことをやっているようにしています。

――表現をしていく上で、「多少クレームがつくかもしれないけど、絶対に面白いからやりたい」という案もあると思うんです。その場合の最終的なジャッジはどこにあるのでしょう。

鬼龍院:「人が傷つく」という点です。曖昧な「コンプライアンスが……」みたいな言い方で、理由なく消極的になることも多いじゃないですか。そういう時は 「誰かそれで傷つく? 嫌な気分になる?」と、僕がゴネますね。他には、傷ついたのは事実だとしても避けようがない、「そりゃしょうがない」って意見はスルーします。そういうジャッジの仕方ですね。ウチの場合は。

■「ビジネス仲良し」と堂々と言えるようになったのはいいこと(歌広場)
――来年のツアーも決まり、2020年も活躍が期待されるゴールデンボンバーですが、今年ひとつ気になったことがあったんです。9月の『氣志團万博』の煽りVTR(出演前の紹介映像)で、ゴールデンボンバーは「ビジネス仲良し」と紹介されていたじゃないですか。

鬼龍院:ありましたね。

――かねてから鬼龍院さんも「ファンが思ってるほど仲良くはない」と公言されています。樽美酒さんが加入し現在の編成になって約10年、ほどほどの距離感でバンドを続けていくコツはあるのでしょうか?

鬼龍院:まず、一番ダメなのは「嘘くさい」ケースだと思うんです。実際そんなに仲良くないのに「いいですよ~」と振る舞っていても、どこかにほころびが生まれる。近年の視聴者側は、どうしても「疑いたくなる」から、“仲良し”に徹する意味はないと思っていて。会ったら元気にやるけど、普段は別々で、“仲良し”を演じているわけではない。「ビジネス仲良し」、いいキャッチコピーをつけてくれましたね。

――わりとポジティブな意味ですよね。

鬼龍院:僕が思春期の頃によく感じていたのは、仲良くなったのに、しばらくすると、なんかちょっとぞんざいに扱われたりする。「友達の賞味期限」が切れたというか、そういう部分に敏感だったんです。だから、「これ以上一緒にいたらあまりよくない」と感じたら距離を早めにとることもあります。わかりやすい例を出すと、地方のホテルの部屋が2人1組だった時期に、僕の方から「1人ずつにしてくれ」と頼んだり。よっぽど売れないと事務所側からはそういう判断をしないけれど、あのままずっと一緒だったら、きっとダメになっていた。一緒にいすぎたら仲が悪くなることもある、それはお笑いの世界を通して感じていたことです。

――芸人さんもプライベートは別という人は多いと言いますもんね。NSC(吉本興業の芸人養成所)出身の鬼龍院さんだからこその視点かもしれません。喜矢武さんは鬼龍院さんとは一番付き合いが長いですが。

喜矢武:昔はメンバーともよくご飯も行ってましたけど、その回数が減るのは普通のことですよね。GLAYさんみたいにずっと仲がいいってのは素晴らしいですけど、それはごく一部の話。今のゴールデンボンバーは良い状況、良い距離感だと思います。一緒に高級レストランに行きたいかと言われたら、絶対イヤですけど!

鬼龍院:それはやだな~(笑)。

――先日、樽美酒さんの誕生日を皆でお祝いする様子が、Instagramにアップされていましたね。

樽美酒:自分のために時間を割いてくれて、嬉しいですよ。ただそれだけのことです。そこで一喜一憂しなくても、それだけで十分です。

――歌広場さんは様々なインタビューにおいて、鬼龍院さんのことを崇拝していると公言しています。

歌広場:4人のときはあまり言わないですね。僕、一人取材の時はめちゃくちゃしゃべるので(笑)。

――単独インタビューでは、いつも饒舌ですもんね。

歌広場:さっきも、「リアルサウンドテック」の連載、一時間喋りっぱなしでした。

鬼龍院:僕はすぐ話の腰を折りにいくんですよ。メンバーを攻撃するのが好きなんです(笑)。

歌広場:さっきも鬼龍院さんが言ってましたが、皆が何もかもを「ホントかな~?」っていう目で見ている世の中です。僕も最初は子供だったから、「皆仲良しが一番いい」って思っていた。でも今は別にそうでなくても結果がよければ、それでいいじゃんと思います。決して憎み合ってるわけではないし。「ビジネス仲良し」っていい言葉だし、つまり今は堂々と「ビジネス仲良しでーす」って、言えるようになったというのはいいことです。

鬼龍院:「言える」ってことは、嘘じゃないからね。

歌広場:そもそも、「エアーバンド」という呼び方もそうですからね。僕ら、自分から「エアーバンド」とは言ってないんですよね。僕らは楽器を持ってパフォーマンスしているけど、楽器を持たないのが、本来のエアー演奏じゃないですか。

鬼龍院:テレビに出始めた頃、「楽器を弾かないエアーバンドなんです!」ってナレーションが入ってて。

歌広場:たしかにわかりやすい呼び方で、すっかり浸透しました。そうやって周囲に助けてもらってるというか、色んな人が作ってくれたきっかけによって、僕らが「生かされている」というのは、常に感じてます。(藤谷千明)

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む