ペイン・アンド・グローリー
20/6/15(月)
(C)El Deseo.
「本」と「絵」が重要なアイテムとなり、ちりばめられたピースが最後に一枚の絵になるという見事な構成。えっ、となって、もう一度最初から観たくなる。
宣伝では前面に出ていないが、同性愛の物語だ。といって、なまなましいシーンは、ほとんどない(1シーンだけある)。父が不在で、母と息子が濃い関係になる話でもある。
主人公は少年時代、貧しくて家が借りられず、町のなかにある洞窟を住めるようにしたところで暮らすのだが、その白く塗られた洞窟の家が、なんとなく『スター・ウォーズ』のタトゥーインでルークが暮らしていた家を思わせる。
外国映画を観て、「ああ、外国だ、日本と全然違う」と思うのが、背景や衣装や室内の色だ。この映画の登場人物は、普段着も赤や黄色の原色で、家のなかもブルーの壁に赤い冷蔵庫と原色が際立つ。最も強烈な色が「白」だ。このさまざまな「色」は、それぞれ何かのメタファーなのか、単なる色彩感覚の違いなのか。いくらでも深読みできそうだ。
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