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日本デビューのStray Kids、彼らならではの面白さとは “楽曲派”も楽しめるグループ性を解説

リアルサウンド

20/4/1(水) 12:00

 2020年3月18日にアルバム『SKZ2020』で日本デビューした8人組のボーイズグループ・Stray Kids。すでに日本でも人気の2PM・GOT7・TWICEなどが所属するJYPエンターテインメント所属で、2018年のデビュー時には韓国内の新人賞で10冠を獲得している。日本デビューアルバムには国内でリリース済みのアルバム・EPから抜粋した代表的な楽曲と、日本語バージョン3曲が収録されている。

(関連:Stray Kids、“自主制作アイドル”の中でも際立つ独自性 ショーケースライブを振り返る

 『SKZ2020』に収録された日本語バージョンは、パウロ・コエーリョ作の小説『アルケミスト~夢を旅した少年』からインスパイアされたという、ミドルテンポでボーカルが堪能しやすい「風(Levanter)」、コミカルな「My Pace」、HIP HOP×EDMで激しいラップがインパクト大の「Double Knot」など、それぞれ異なるStray Kidsの特色を表した楽曲が選択されていた。

 女子も含めJYPの先輩グループはパク・ジニョンがメインで手がける時期があるが、Stray Kidsはデビュー前からメンバーのバンチャン・チャンビン・ジソンの3人が3RACHAというユニットで自作曲をSoundCloudで発表している。新曲リリース前に3RACHAのメンバーがパク・ジニョンに楽曲プレゼンをする動画などもアップされており、JYPの既存グループにはなかった“自作”スタイルで活動することが前提のグループだ。トラックメイカーのバンチャンとラッパーであるチャンビン、ラッパーだがボーカルとしての評価も高いハンが楽曲制作に参加しているのを反映してか、楽曲はEDM要素の強いヒップホップスタイルが多い。音の厚みや編曲スタイル、変調にはいわゆる「K-POP」らしいポップさは薄く、K-POPでは必須とも言えるダンスブレイクでの転調もドラマチックではあるが、過剰ではない。どちらかといえば韓国のヒップホップアーティストの間で流行しているようなアプローチを取り入れていることが多い印象だ。

 一方、韓国で先日リリースされたシングル「MixTape:On Track」は制服を着たイメージやMVも含め、新入学シーズン(韓国では2月卒業、3月入学)らしいフレッシュな印象の切ないラブソングだ。活動曲の楽曲では玄人好みのアプローチが多いながらも、同時に“K-POP=アイドル”らしいパフォーマンスやビジュアル/イメージアプローチが両立出来るところが、Stray Kidsならではの面白さと言えるのではないだろうか。

 Stray Kidsはどちらといえば韓国内のファンドム人気よりは海外での人気が先行しているグループであり、昨年の1stコンサートツアー『UNVEIL TOUR “I am…”』も日本を含むアジア(タイ・オーストラリア・フィリピン・インドネシア)とアメリカ・ヨーロッパ圏(アメリカ3都市・イギリス・フランス・ドイツ・ロシア)での日程が半々だった。新型コロナウイルス流行の影響で中断されているが、今年1月からのアメリカ国内8都市・ヨーロッパ6都市を巡るツアーもチケットは完売しており、それに先立って1月に「Lavanter」「Double Knot」の英語バージョンを収録したデジタルシングル『Step Out of Cle』もリリースしている(サブラッパーのフェリックス・楽曲制作に参加しているリーダーのバンチャンはオーストラリア出身、ハンはマレーシア育ち)。

 韓国では毎年多くのグループがデビューし、日本でのデビューも相次いでいる。その数あるグループの中でも、華やかなダンスパフォーマンスは楽しみたいが、耳で聴く“楽曲”への興味の比重が高いという、いわゆる“楽曲派”にとってStray Kidsは面白いグループではないだろうか。(DJ泡沫)

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