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BiSH再起動!聖夜の代々木ワンマンで332日ぶりに清掃員と再会

ナタリー

20/12/25(金) 1:12

BiSH(Photo by sotobayashi kenta)

BiSHが昨日12月24日に東京・国立代々木競技場第一体育館でワンマンライブ「REBOOT BiSH」を開催した。

BiSHが有観客ライブを行うのは今年1月の沖縄・ナムラホール公演以来332日ぶりのことで、チケットは即日完売。PIA LIVE STREAMではライブの模様が生配信され、会場に足を運べないファンも“楽器を持たないパンクバンド”が繰り出す全身全霊のパフォーマンスを目の当たりにした。

開演直前、バックステージでメンバーが「ちんぽ!」と気合いを入れる声が小さく場内に響く。その声に拍手が自然と沸き起こり、清掃員(BiSHファンの呼称)にとって約1年ぶりのライブへの期待のほどがうかがえた。開演時間になり、ステージと客席の間に張られた紗幕には、メンバーの背中と代々木第一体育館の外観が映し出され、「332日」の秒数、分数、そして日数が順に表示された。この映像は山田健人(yahyel)によるものだ。そしてアイナ・ジ・エンド、セントチヒロ・チッチ、モモコグミカンパニー、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dが1人ずつ「ただいま」と言ってから、6人が声を合わせて「おかえり」という言葉を発した瞬間、コロナ禍を受けて制作された楽曲「LETTERS」のイントロが流れ始める。BiSHは紗幕越しにシルエットが浮かぶというシチュエーションでこの曲を歌い、アイナのアカペラパートのあとに紗幕が降ろされると、ついに清掃員の前にリアルな姿を見せた。

感動的な幕開けのあと、「BiSH、再起動」というチッチの一言に続いて「SHARR」「MONSTERS」と攻撃的な楽曲が披露された。バックバンドによる生演奏や、ステージ後方のスクリーンを用いた映像演出、さらにCO2噴射、火柱の特効、レーザーなどがBiSHのパフォーマンスを盛り上げる。そんなステージではハシヤスメが「おい! 清掃員! お前らの心の叫び、聞かせてくれよ!」と煽ったり、「GiANT KiLLERS」でリンリンが「代々木ー! お前らの心ののどちんこ、焼き切ってやるからな!」と叫んだりと、序盤からフルスロットルのライブが展開された。

「今日はいつものBiSHのライブとはちょっと違うと思うんですけど、今日ひさしぶりに会えたこの気持ちを大切にして、心の中を解放して、めいいっぱいBiSHを体感していってください」とチッチが観客に呼びかけたあと、BiSHは「DiSTANCE」「BUDOKANかもしくはTAMANEGI」とメッセージ性の強い楽曲を披露。間髪入れずに「PAiNT IT BLACK」「SMACK baby SMACK」を畳みかけて場内の一体感を高めていく。さらにデジタルハードコアテイストの最新曲「STORY OF DUTY」や、メンバーとファンが笑顔で踊るポップな楽曲「DA DANCE!!」、モモコが作詞、アイナが作曲をしたバラード「リズム」と幅広い楽曲群で観客を魅了した。

ライブ後半、「My landscape」ではピアノ伴奏に乗せ、アイナをはじめ、メンバーが順番にボーカルのバトンを渡していく。伴奏には途中からストリングスが加わり、壮大なアレンジに展開。メンバーは膝を突いたり、寝転んだりした状態で踊り、大サビで立ち上がってエンディングに向かうという普段とは違ったパフォーマンスを見せた。チッチが「それぞれの痛みを越えて、痛みを痛みで越えて、ここからまた始めていきます」と話し、BiSHは結成時の始まりの曲「スパーク」を歌唱した。ライブ終盤のセットリストは「オーケストラ」「ALL YOU NEED IS LOVE」「サラバかな」と人気曲のオンパレードで、「beautifulさ」でフィニッシュ。BiSHは「どんなとげとげな日でも 息してれば 明日は来るんだし」と前向きなメッセージを清掃員に届け、無邪気な笑顔を見せた。

アンコールでは1人ひとりが挨拶。アユニは「皆さん今日は楽しかったですか? BiSHもすごく楽しいです。今日は本当にひさしぶりのライブで正直今も夢見心地な気分なんですけど……これは現実ですね。今日はいろんな感情になりました。でも皆さんが幸せな気分になれたら私も幸せです。こんな世界の状況の中、こうしてライブを作り上げてくださった勇敢なスタッフの方々、そしてカッコいい音楽を鳴らしてくださったバンドメンバーと、愛しいあなたたちと、大好きなメンバーと今日を同じ場所で同じ時間を過ごして楽しかったです、本当にありがとうございました。今日は素敵なクリスマスプレゼントでした」、リンリンは「リハのときの景色がお客さんいなくて。その景色を見慣れてしまっていたので、もしあとでお客さんが埋まるのが幻だったらどうしようなんて思って、信じがたかったんですけど、実際またこうやって会えて、うれしいです。332日間の空白があったけど、今日でその空白を埋めてくれて、本当にあなたたち清掃員がいてライブが本物になるなって思いました。配信の人たちもまた会えたらいいですね。ありがとうございました。よいお年を、センキュー!」と涙ながらに語った。

ハシヤスメは会場に集まったファン、生配信の視聴者に改めて感謝を伝えてから、「声は聞こえなくても、あなたたちの心の声、聞こえています。今日のライブが皆さんの長い人生の中で少しでもハッピーな1日だったらうれしいです。これからもハッピーに、これからもポジティブにがんばってください。私たちもがんばります」と話し、モモコは「前は当たり前だったけど、今は奇跡のような夜をありがとうございます。今日ここに立てたのは皆さんが心の中でBiSHを生かしてくれたからかなと思っています。この先、距離がまたできてしまったとしても、皆さんの心の中にBiSHがいれば、距離は限りなくゼロに近いと思っています。私たちもがんばってきたけど、皆さんもがんばってくれてありがとう。これからもがんばっていきましょう」と述べる。続いてアイナは「今年は突然真っ暗な世界になって、あと何回、『オーケストラ』が、『プロミスザスター』が歌えるやろかと悩んでいたんですけど、あと何回じゃなくて、何回でもずっとあなたたちを見ながら歌いたいです。今日は強くそう思いました。だから元気でも元気じゃなくてもいいんで、生きていてください。今日はほんまにありがとうございました」と微笑んだ。

最後にチッチは「清掃員、やっと会えたね! あなた方に会えなかった11カ月ですごくたくさんのことに気付けました。人の温かさ、音楽の尊さ、言葉の大切さ、愛の形、すべてに意味があって、今日ここにあなた方1人ひとりがいること、私たちがいること、それにも意味があって今日を迎えたんだと思います。ここまで生きていてくれてありがとうの気持ち、出会ってくれてありがとう、そしてこれからもどうぞよろしくの気持ちです。最後に伝えたいのは……大好きです! どうもありがとうございました」とファンに愛を伝えた。そして、BiSHはコロナ禍に誕生したチッチ作詞の「I'm waiting for my dawn」を歌い上げ、ラストに「BiSH-星が瞬く夜に-」を投下。一夜にして清掃員との空白期間を埋めたBiSHは、「また絶対会いましょう! 愛しています! We are BiSH!」と声を上げ、ライブを終えた。YouTubeではエリザベス宮地監督による「REBOOT BiSH」のアフタームービーが公開されている。

なお1月1日には8時間におよぶ映像作品「BiSH presents FROM DUSK TiLL DAWN」がPIA LIVE STREAMにて配信される。この作品は「ひまなお正月でBiSHを丸ごと楽しんでほしい」というテーマで制作されたもので、歴代衣装を着たメンバーによる全93曲のライブパフォーマンスの模様、新作コント、バラエティ企画などすべて撮り下ろし映像で構成される。配信チケットは本日12月25日10:00に発売される。

「REBOOT BiSH」2020年12月24日 東京・国立代々木競技場第一体育館 セットリスト

01. LETTERS
02. SHARR
03. MONSTERS
04. GiANT KiLLERS
05. TOMORROW
06. DEADMAN
07. DiSTANCE
08. BUDOKANかもしくはTAMANEGI
09. My distinction
10. PAiNT it BLACK
11. SMACK baby SMACK
12. STORY OF DUTY
13. DA DANCE!!
14. リズム
15. stereo future
16. Nothing.
17. FOR HiM
18. OTNK
19. My landscape
20. FREEZE DRY THE PASTS
21. プロミスザスター
22. スパーク
23. オーケストラ
24. ALL YOU NEED IS LOVE
25. サラバかな
26. beautifulさ
<アンコール>
27. I'm waiting for my dawn
28. BiSH-星が瞬く夜に-

「BiSH presents FROM DUSK TiLL DAWN」

配信日時:2021年1月1日(金・祝)12:00~
配信チケット販売URL:http://w.pia.jp/t/bish

※記事初出時、セットリストおよび本文の一部に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

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