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田口淳之介、新曲発表! “あの時”感じた深い孤独や不安、そして希望

ぴあ

21/3/25(木) 12:00

田口淳之介

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3月31日(水)リリースとなる田口淳之介のEP『Stay True』。アーティストとしての覚醒を迎えたと言い切れる表題曲は、何より自ら書いたリリックのリアリティーと表現の深さが印象的だ。“あの時”感じた深い孤独や不安、そして希望……2年を経てようやく表現することができた歌の中にある真実をインタビューで明かす。

――まずはサウンドに関してお訊きします。メロディメイクを水彩画Pさん、サウンドメイクがS-NAさんということで、田口さんのソロワークスにおけるここ最近の道のりを総括したようなクリエーターとの共作となりましたね。

もともと僕が復帰したのが2019年11月だったんですけど、その時の一発目の楽曲『Voices』がS-NAくんのトラックメイキングだったんです。それ以降も彼とはたくさん曲を作ってきました。で、水彩画Pさんとは昨年6月に『ジュウゴノシンゾウ』っていうアルバムを出したときに、すごくウマがあったというか、もう一回やりたいなって思ったんです。だから僕の中ではすごく自然に彼らとの共作という形になりました。

――R&Bとシティポップとギターロックの中間という独特な雰囲気を持った曲ですね。

うんうん、たしかに。もともとS-NAくんはヒップホップがベースで、EDMとかも得意だし、今っぽいトラックを作る人ですね。かたや水彩画Pさんは今回ギターも弾いてくれているんですけど、キャッチ―なメロディラインをクリエイトするのがすごくうまい。だから全体として、R&Bまですかしてないし(笑)、メロディーも歌いやすいと思うので、誰もが好きになってくれそうな曲に仕上がったかなって思います。たくさんの方に聴いてもらって、そして歌ってもらいたいですね。

――そして今回の新曲『Stay True』は何と言っても田口さんがリリックを書かれていることが、その内容も含めて最大のフックだと思います。

これまではあんまり自分の気持ちをリリックに乗せたことがなかったんですよね。でも今回はちょっと曝け出してみようかなって気持ちで書いてみました。

――なぜこのタイミングでそう思われたのですか?

コロナ禍で世の中も大きく変わっていったことも含めて、この数年間、自分の中でも大きく変わった部分もあって。またここから生まれ変わって行くんだっていう部分を表現したかったというのはありましたね。あとはやっぱり、自分自身に対して再認識するじゃないけど、自分でどう思っていて、で、今後どうなりたいのか、みたいなところを考えたときに自然と湧いてきた表現でしたね。

――そういう気持ちになれたというのは、トラックやメロディラインからの影響もあるんですか?

そう……最初は特にそういうつもりではなかったんですよ。けど、このトラックを聴いていたらなんかすごくこみ上げるものがあって、これはこういう曲にしようって途中で決めていったという感じですね。

――ご自身の体験されたことをここできちんと表現として形にしておくことは何を意味しますか?

世界が変わったこの1年は僕も自分と向き合った1年でもあって、過去の僕そしてこれからの僕をすごく考えた上でそういう部分は必要なのかなって思ってて。

――歌詞の言葉もそうですけど、こうやって面と向き合って語られる田口さんの言葉ひとつひとつもすごく正直ですよね。

本当に沢山の人の協力もあって、社会に出てからすぐ活動を始められたっていうのは自分の中でとても大きかったんです。立ち止まってしまうと忘れられてしまうんじゃないかという不安はあったんですけど、何とか自分なりにがむしゃらにやって来られました。ここ数年間でいろんな人たちに会ったり、普通にイベントに呼んでいただいたり、そういう人たちと触れ合っていると、あんまりみんななんていうんだろ……僕が過去に頑張ってきたことや失敗してしまったこととかを、もちろんわかってはいるんだろうけど、あんまり僕がそんなに意識しなくてもいいような感じでいてくれるというか。好奇の目で見られていないというか、フラットに接してくれる方が多いんですよね。だから自分自身も向き合ってくれる人へ正直になれてるんだと思います。

――だからこそ、ここで一度きちんと自分の気持ちを表明しておかないといけないと感じたんですね?

そうですね。自分が表現するものは何だろう?って向き合ったときに、まずは今回のリリックとか楽曲のテーマだったりという部分が自然と出てきました。

――メッセージすることに対して、それまでは抵抗があったんですか?

抵抗があったわけではないです。ただ、自分の表現の見せ方としてダンスであったりパフォーマンスであったり、そういう部分をフィーチャーしていくことが多かったので。ダンスミュージックって自分の中ではそこまで歌詞を掘り下げなくてもいいかなという考え方もあったので、自分ではあまりリリックを書く思考がなかったんですよね。でもいざ書いてみるとスッと出てくるので自分でもびっくりしました。もちろん直接的な表現を使ってはいないですし、感じとり方によって、あのときこんなこと思ってたのかな? みたいな、そういうフワッとした捉え方でも大丈夫なものでもあるんですけど、自分の中ではすごく芯のある想いを込めて歌詞には乗せています。

――フワッと言いつつ、いきなりドキッとする言葉、シーンから始まりますけどね(笑)。

たしかに(笑)。Aメロに〈磨りガラスから〉って表現があるんですけど、実際に当時過ごしていた場所は磨りガラスなんですよ。5月末とかだったんで、暑いときは窓を開けてくださいって言ったら開けてくださるし。ちょうど夕日の時間帯にすごくセンチメンタルになったりして(笑)。夢って夜に見ることが多いから暗い中じゃないですか、でもなんか自分の中でそれが全部白くぼやけるんですよ。だから〈白い夢を視る〉って表現になったりとか、やはりその場にいて経験しないと感じえないものってあるから、そういう部分はちょっと自分でしか紡ぎ出せない言葉なのかなっていうのは思いましたね。

――留置期間はどんな時間でしたか?

自分自身とずっと向き合っていました。2週間くらいはひとりで、携帯電話とかPCとか外部との接触はない状態だったんです。新聞とかは読めたけど……。でもその、新聞とかでも芸能欄ってあるじゃないですか、スポーツ新聞とかだったら。収監されている人の記事は全部真っ黒に塗られているんですよ。それで、新聞を見たらラテ欄が全部真っ黒だったんです。これもう全部僕だ!って。もう見事に真っ黒なんですよ。こんなに朝から晩までワイドショーってやるんだって思って。で、ペラってめくると芸能欄で、そこも片面全部真っ黒でした。

――その真っ黒に塗りつぶされたものって、言わば世間の圧みたいなものだと思うんですけど、それを見てどのように感じられたんですか?

そのときちょうどツアーを準備していまして、ファンのみなさんに対しての申し訳なさが何よりありましたね。そのために飛行機を手配したりホテルをとったりしてきてくれる方もいますから、それを全部キャンセルさせてしまったわけだし、お世話になる予定だった会場の関係者の方々にもそうだし、他のお仕事も白紙にしてしまったので、多くの方々へ申し訳なさが日に日に募っていました……。だからそのことばかりを考えても答えが見つからないので本を夢中で読んでましたね。1日1冊しか借りれないので朝本棚から選んで1冊とって読み始めると午前中には読み終わっちゃうんですけど。

――歌詞の中に〈希望〉という言葉が出てきますが、そういう日々の中でも感じた希望は何だったんですか?

そうですね。それはやっぱり仲間だったり、自分をサポートしてくれている人だったりファンのみなさんだったりとか、そういう方々が自分の生きる希望というか、自分自身を信じられる要因というか。この曲はほんと素直に自分を信じて生きて行こうっていう曲なんですけど、やっぱり何かの理由がないと自分自身を信じられないじゃないですか。だから、どんな状況でも自分を必要としたり求めてくれる人たちがいるっていうのが、自分を鼓舞してくれるものだし、前に進めてくれるものだと思います。

――そこの繋がりを強く認識されたんですね。

ジャニーズを辞めて5年になるんですけど、その間にもいろんな人との出会いとか別れもあったし。でも自分ひとりじゃ歩いてはこれないなって思ったんで、やっぱりそういう人たちの助けがいまだにありがたいですし、それはずっと今後もそうだと思うし。だからそういう人たちに、ちゃんとリスペクトされるような人間でいたいと思います。昔のメンバーだったり、そのとき応援してくれてたファンの方とか、今は離れてしまっていても、いろんな繋がりは記憶には残っていると思うし、その人にとっても僕にとっても自分の人生の一部にはなっていると思うので、だからそこはやはり繋がりなんですよね。あとは失敗しても立ち上がれるっていうところは伝えたいなって思っています。自分自身がそれを表現することによって、そして自分自身がまた自分の歩幅で歩き出すことによってひとつの希望になるのかなって。そうありたいなって。海外ではそういうケースはありますけど、日本では少ないと思いますし。

――そうやって希望を紡ぐ中で、表現に対する信頼というのもより強くなったんじゃないですか?

そうですね。やはり自分はステージに立ち続けたいと思うし、だからリリックの最後〈ここで生きていたいんだよ〉っていう〈ここ〉っていうのはまさにステージっていうことなんです。やはりエンタテインメントを子供の頃からずっとやってきているんで、こんなコロナ禍であってもエンタテインメントがなくなることはないと信じられるし、とても必要なものだという意識はより一層強くなりましたね。今年は東日本大震災から10年ですけど、僕のツイートにリプライがきてて、KAT-TUNで2012年かな、前の年震災で中止になったから2年ぶりのツアーで仙台に行ったんですけど、「あの時の思い出が忘れられません」って。そうやってずっと覚えてくれる人がいると、やはりエンタテインメントって希望を培うものなのかなって思いますね。

――歌詞はそこまで苦労しなかったっておっしゃいましたけど、この2年間、何かをやっている裏側というか、数%の部分でずっとそこの気持ちというのは機動し続けていたんでしょうね。だからこの曲になるまでひとつながりだったんだろうなって感じました。

それはありますし、これがまたひとつの始まりだと思います。実際、このタイミングで新しい人たちとの繋がりもできて、だから本当に、常に新しいことがスタートし続けていると思います。

――『StayTrue』という言葉に込めた想いは何ですか?

リリックの中に〈Stay true to my heart〉っていうフレーズがあるんですけど、やはり自分自身を信じ続けるっていうところは核としてあります。今こうやって活動を続けてきて後悔がないというか、常に今を生きている感じがあるんです。そこは自分を信じているからこそそう思えるっいうのもあるし、ここで終わりたくないっていうのが気持ちとしては大きいので(笑)。

――まだ全然足りない?

はい、これからです(笑)。

――それこそがアーティストとしての真実ですよね、いつだって。

はい。もっとやらなきゃって自分自身に思います。悔しい気持ちが常にありますね。ただ後悔と悔しさは違うと思ってるんですよ。悔しさは前に進むための原動力。後悔はただ振り返るだけなんで。反省とも違いますね。反省はめちゃくちゃしています(笑)。

――(笑)。これからやりたいことは?

今年の8月に主演舞台が決まったんですよ。情報解禁したばかりですけど。芝居は7、8年ぶりくらいになるので。演技の仕事をしてほしいという声はたくさんいただいていて、それが今になって形になるっていうのはすごく意味があることだと感じています。もちろん音楽が自分の中では主軸なんですけど、今後は演技の仕事とかそれ以外にも表現するということに幅を広げていきたいなっていうふうに思います。

――これからいろんな表現にチャレンジしていく中で、この『Stay True』という曲が出発点として、そして帰っていく場所として刻まれるんでしょうね。

そうですね。それくらい思い入れの強い曲になりました。

取材・文:谷岡正浩 /写真:森好弘

田口淳之介
New EP 『Stay True』
2021年3月31日 Release!!
田口淳之介が自分の現在地や、これからの希望を込めて作詞をした表題曲『Stay True』を含む計3曲のEPを、各音楽配信サイトにてリリース。
1.Stay True "MV"同時公開
2.Hold Us Down
3.Take You Away
https://linkco.re/Ue3dgzmm

■オフィシャルサイト https://junnosuke-t.com/

■舞台「One Night Butterfly」
【東京公演】
8月12日(木)〜8月15日(日)
有楽町よみうりホール
【大阪公演】
8月21日(土),22日(日)
ABCホール

キャスト:
田口淳之介
斉藤秀翼
遊馬晃祐
上仁樹
こんどうようぢ
阿部快征
谷津翼
荒一陽
佐藤弘樹
服部武雄
岩崎良祐
きたつとむ
高間淳平
内田裕也
八神蓮
席種・料金
SS席(特典付き):12,000円
S席(特典付き):9,500円
A席:7,500円
N席:6,000円
⇒チケット情報はこちら
https://www.shimapro.jp/onb/

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