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EXILEメンバーをアニメ化した技術「ロトスコープ」とは? 新曲「STEP UP」MVの新しさ

リアルサウンド

18/7/5(木) 8:00

 毎月第一金曜日の『EXILE FRIDAY』を楽しみにしているファンは多いのではないだろうか。『EXILE FRIDAY』とは、7月25日発売のアルバム『STAR OF WISH』や3年ぶりとなる全国ドームツアー『EXILE LIVE TOUR 2018“STAR OF WISH”』へ向けて、6ヶ月連続で第一金曜日にEXILEが新曲を配信する企画である。2月2日からスタートしたこの企画も、7月6日で最後となる。記念すべきラストを飾る曲は、「STEP UP」だ。「STEP UP」は80年代に一世を風靡した音楽ジャンルであるNew Jack Swingをフィーチャーした曲で、勝手に体が動いてしまうようなノリの良いダンスチューン。どことなく、Babyfaceの「Tender Lover」を彷彿とさせるような懐かしさも魅力のひとつではないだろうか。

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 そして6月28日には、MVもYouTubeで公開済み。『EXILE FRIDAY』では毎回メンバーがリリックビデオをプロデュースしており、今回担当したのはEXILE TETSUYA、世界、佐藤大樹の3人。「POP/カラフル/キャッチー」がテーマと言うだけあり、80年代風の曲ともマッチしている。中でも印象的なのは、途中から現れるアニメキャラクター。PVのいたるところに様々なキャラクターが登場し、メンバー顔負けのダンスを披露してくれているのだ。

 実はこれ、「ロトスコープ」という技術を駆使したアニメーション。ロトスコープは、実写映像をベースにしてアニメーション映像を作り上げる技術のことで、実写の動きをセル画にトレースしていくため、より精巧な動きを作ることができる。1910年代に発明されており、ディズニーアニメの『白雪姫』や『眠れる森の美女』に使われた技術として有名である。

 一方で、一度実写映像を撮影してからアニメーション映像を作るため、費用も時間も通常の倍かかってしまうという欠点があった。そのためあまり多用されていなかった技術であったが、デジタル化が進んで以前よりも容易に行えるようになった今、使われる機会も増えている。例えば、岩井俊二監督の長編アニメーション作品『花とアリス殺人事件』は全編ロトスコープで制作され、注目を集めていた。

 このロトスコープをMVに取り入れたのが、「STEP UP」というわけである。MVに登場するキャラクターも実際にEXILE TETSUYA、世界、佐藤大樹が踊ったものをトレースしているそうで、アニメながらリズム感溢れるダンスであることも納得だ。

 EXILEは、これまでにも様々な技術を駆使したMVを発表し続けている。例えば、2012年にリリースされた「BOW & ARROWS」。この曲のMVでは、アニメ制作会社・神風動画とコラボレーション。EXILEのライブ映像に、神風動画お得意のスピード感あるアニメーション、光彩・陰影処理がされたアニメーションが組み合わさり、独特の世界観を生み出している。また、「STEP UP」のひとつ前に公開されたパフォーマンスMV「STYLE of 24karats」も注目だ。本作は、アパレルブランド「24karats」とコラボレーションしたMVで、3つのパートで構成されている。その中の近未来パートは、CGを駆使した様々なギミックで溢れていて、まるでサイバー空間にいるかのようだ。さらに他の2つのパートをシンプルにすることで、近未来パートがより引き立っているのもポイントだ。

 EXILEのMVを見ていると、彼らのアーティストとしてのアティテュードが垣間見える。例えば、「STEP UP」の説明文の中には「今までのLyric Videoではやっていないことを取り入れるべく」という言葉がある。常に様々なアプローチに挑戦し続けることで、EXILEは音楽シーンのトップを走り続けてきた。

 その姿勢は、作品だけにとどまらず、LDHが展開する各事業をEXILEメンバーが担当したり、常に仲間を増やして新陳代謝をしながら活動をしたりといった、柔軟な組織体制にも通じている。1999年にJ Soul Brothersとして始動してから約20年、今なお彼らがシーンの最前線にいるのは、「STEP UP」のMV然り、これまでにないものを生み出そうとし続けているからに他ならない。今後もEXILE TRIBEからは、様々なテクノロジーを駆使したMVが出てくるに違いない。(高橋梓)

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