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Re:vale、絶対王者であり続ける理由は? 正反対の2人が織りなす至高のエンターテインメント

リアルサウンド

20/1/24(金) 7:00

 2人組アイドルユニット・Re:valeが、1月22日にニューシングル『Re-raise』をリリースした。

Re:vale、正反対の2人が織りなす至高のエンターテイメント トップアイドルRe:valeの魅力とは?の画像1
Re:vale『Re-raise』

 Re:valeとは、百(モモ)と千(ユキ)からなるアイドルデュオだ。クールな印象の千は、天性の芸術家。相方の百は、キュートなルックスと明るく親しみやすいキャラクターが人気。そんな一見正反対に見える2人だが、音楽的な相性は抜群だ。千のクールで上品なボーカルと、情感的なハイトーンが印象に残る百のボーカルは、不思議とバランスが良い。ないものを補い、あるものをより魅力的に見せることができる理想的な組み合わせと言える。

 また2人は実際に大変仲が良く、Re:valeのコンサートのMCは“夫婦漫才”と呼ばれ、多くの人に親しまれている。彼らをトップアイドルたらしめた要因はたくさんある。だが、それだけでは今の地位は確立できなかっただろう。「星屑マジック」や「NO DOUBT」など、自身の主演映画の主題歌も数多く担当してきた彼らだからこそ、あらゆる人たちの背中を押すような「永遠性理論」が胸を打つ。映画やドラマだけではなく、一人ひとりの人生という物語に寄り添うことができるのも、彼らの強みの1つだ。

 一方で我々はアイドルという物語を、好きなように消費していく。彼らがしてくれるようにアイドルの人生に寄り添いたくとも、彼らの本当の姿を知ることはできないし、「こうであればいい」「実はこうなのではないか」「なぜこうしてくれないのか」……アイドルに対する悪意なき願望が世に蔓延すると、私たちは彼らをますます見失ってしまう。

 Re:valeにもトップアイドルとしての苦悩があることは、想像に難くない。私たちの理解を超える重責を担いながら、その役割を果たしている。だが、彼らはあらゆるネガティブな懸案に対して、また世間の曖昧なイメージに対して、常に音楽で答えを出してきた。それは憤りや情熱を隠すことなく見事なエンタメに昇華した「太陽のEsperanza」や、音楽への真摯な愛を名曲のカバーという形で表現した「Dis One」などからも伺うことができる。

 今回のシングルに収録された「Re-raise」で彼らは〈未来を信じればいい〉〈僕が照らす世界だけが 真実の扉にそっと口づけ 未来の鍵になるから〉と臆面なく歌う。お互いに対し、またファン・仕事仲間・ライバルたちに対して、Re:valeという揺るがない存在がここにいること・彼らが彼らを取り巻く全てを信頼していることを改めて宣するかのようだ。

 「t(w)o…」も、彼らなりの宣言だ。幾度転んでも躓いても変わらないものがあることを、彼らは美しいメロディに乗せて歌う。〈ずっと信じ続けてるよ 何度だって誓うよ〉と、お互いへの信頼を奏で、改めて2人がRe:valeとして道を歩むことを我々に伝えているのだ。

 彼らは音楽で真実を語ることができる。その真実は、厚かましいお説教やお涙頂戴ではなく、極上のエンタメとして提供されるのだ。そんな美学とも言えるスタンスこそ、Re:valeが絶対王者でいられる理由ではないだろうか。

 表題曲「Re-raise」のMVには、トップアイドルとしてのRe:valeの魅力があちこちに散りばめられている。ギターを携えながら歌う千の傍で、ショーマンとしての実力を示しながら華やかに踊る百。大規模なプロジェクションマッピング、話題の新駅を全面に使ったステージ、ホーンセクションを加えたバンドや多勢のバックダンサーを従えても、彼らにとって舞台が大きすぎることはない。所々に見せるチャーミングな表情、肩を組み合って笑う姿もファンには嬉しいシーンだろう。

アイドリッシュセブン『Re-raise/Re:vale』MV FULL

 激しいアクションに挑んだ「NO DOUBT」のMVでもそうであったように、たった2人のRe:valeがスケールの大きさに負けることなく自分たちのカラーを発揮する映像は、あらゆる人を魅了する。

アイドリッシュセブン『NO DOUBT/Re:vale』MV FULL

 そんなエンターテイナーとして卓越した表現力を見せるRe:valeだが、音楽的な充実度も増すばかりだ。ファンにはおなじみの「SILVER SKY」や「NO DOUBT」、いきものがかり水野良樹提供でも話題になった「激情」など、歌謡曲的な切なさを伴うロックはRe:valeの得意とするところ。

 「TO MY DEAREST」のようなラブバラードでキラキラとした時間を提供することもできるし、今回のシングルに収録されている「永遠性理論」のようなド直球なジャパニーズポップスも彼らの世界観を崩すことはない。「t(w)o…」のように感動的なメロディを歌い上げても、やはりRe:valeはRe:valeだ。ジャズを取り入れたトリッキーで大人っぽい「Re-raise」もRe:valeの新しい一面であるものの、“彼ららしさ”は薄れることがない。

 千のボーカルだけでも、百のボーカルだけでもこの世界観は描けない。冒頭でも述べたとおり、2人がお互いの不足を補い、魅力を引き立て合うことで生まれる、運命的なアートなのだ。それは今回のシングルにおいても、「Re-raise」の最後のフレーズの掛け合いや、「永遠性理論」で効果的に使われるハモりなど、要所要所ではっきりと実感することができる。

 これほどまで自身の独自性と豊かな引き出しを持ったRe:valeが、今後どのような楽曲を聴かせてくれるのか? 2人の絆が、どんな音楽を作り出すのか? 何一つ想像がつかないが、それは誰もが愛さずにはいられない最高の音楽であることは間違いないだろう。なぜならRe:valeの音楽には、愛情が溢れているからだ。お互いへの信頼、溢れ出る音楽への愛情、もちろんファンへの惜しみない愛や仲間やライバルへの親愛……。リスナーである我々は、そんな彼らの愛に応えないわけにはいかない。今回のシングルは、それを確信させてくれる1枚なのである。

 トップアイドルである彼らは、どこまで走り続けるのか。どれほどの場所まで到達するのか。そこにはたくさんの障壁もあるだろうし、数多のライバルたちがひしめいている。だが、常に彼らは私たちを幸せにすることに、真摯でいてくれる。そういうRe:valeだからこそ、私たちは2人をいつまでも見ていたいと思うのだ。

■草野英絵
ライター。アニメ、ゲームなどのエンタメ記事を中心に雑誌・WEBで活動中
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