Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

凛として時雨、『スパイダーマン』最新作吹替版主題歌での挑戦 TK「P.S. RED I」との変化に迫る

リアルサウンド

19/6/28(金) 7:00

 凛として時雨がダブルAサイドシングル『Neighbormind / laser beamer』を7月3日にリリースする。4月に先行で配信されていた「laser beamer」は、過去にも主題歌を担当しているアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズの舞台版主題歌。そして、「Neighbormind」は6月28日に世界最速で日本公開となった映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の日本語吹替版主題歌で、TKはアカデミー賞を受賞したアニメーション映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の日本語吹替版主題歌となったソロ作「P.S. RED I」から、2作続けての『スパイダーマン』シリーズへの楽曲提供となる。

 TKが『スパイダーバース』の主題歌を手掛けるきっかけとなったのは、アニメ『東京喰種 トーキョーグール』のオープニングテーマとして2014年に発表した「unravel」の存在が大きい。この曲は原作の知名度とも相まって、海外でも高い評価を獲得し、Spotifyが発表した「2018年 海外で最も再生された国内アーティストの楽曲」で3位にランクイン(参考:『Spotify』2018年間ランキングにみる、世界の音楽シーンの変化とは?)。昨年は『東京喰種 トーキョーグール:re』の最終章のために、2曲目となるオープニングテーマ「katharsis」も提供している。

 人間と、人間を食べて生きる「喰種」の中間となってしまったことに葛藤する『東京喰種』の主人公と、普通の高校生であることとヒーローであることの狭間で苦悩する『スパイダーマン』の主人公には通じる部分も多く、その痛みと繊細さ、強い信念を同時に描き出すTKの楽曲は、作品との相性の良さを感じさせる。「P.S. RED I」発表時にTKが出した「ごく普通の少年が抱いている葛藤やコンプレックス…そういったものをちゃんと自分の中にある葛藤と結びつけて、それをどれだけスパイダーマンの世界と繋げられるか」というコメントも印象的だった。

 TKソロの「P.S. RED I」がシンセを使って強烈な低音を出し、ピアノやバイオリンといった生楽器とのコントラストで主人公の強さと弱さを表現したのに対して、バンドで発表される「Neighbormind」はあくまでTK、345、ピエール中野の3人の演奏が基軸。ゴシックメタル風のリフに始まり、ハイトーンなツインボーカル、怒涛のツーバス、フェイザーを大胆に用いたサイケな音像など、バンドとしての記名性が強い楽曲に仕上がっている。

凛として時雨『Neighbormind』 / 映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」日本語吹替版主題歌

 歌詞は主人公の心象に寄り添い、「孤独」を根底に置きながら、「P.S. RED I」では〈止めないで赤の呪文を/止めないで青の魔法を〉と歌っていたのに対し、「Neighbormind」では〈赤の呪文も青の魔法も捨て去って〉と歌うなど、2曲のリンクと変化が面白い。映画やドラマ、アニメなどの主題歌をアーティストが手掛ける際、歌詞と物語を直接的にリンクさせるタイプと、そうではないタイプに分かれるが、TKは前者のタイプ。「糸」と「意図」を効果的に使い分けたりと、近年は作家的な側面も強まっている。

 また、セルフエンジニアリングによって独自の世界観を構築してきたTKが、「P.S. RED I」と「Neighbormind」においては、新たなチャレンジを試みていることも見逃せない。まず「P.S. RED I」に関しては、ニューヨークの名門スタジオ・Power Stationでレコーディングを敢行。ある種EDM的とも言えるシンセサウンドを取り入れるにあたって、新たな環境を求めたということかもしれない。

 そして、「Neighbormind」に関しては、これまでも凛として時雨の作品に関わってきた采原史明とTKが国内でレコーディングを行い、ミックスはイギリス人のエンジニアであるトム・ダルゲティに依頼。過去にPixiesやRoyal Bloodなどを手掛け、今年はプロデューサーとして参加したスウェーデンのメタルバンド・Ghostのアルバム『Prequelle』がグラミー賞にノミネートされてもいる著名なエンジニアだが、TKがミックスのみを外部に委ねることは非常に珍しい。

 セルフミックスの「laser beamer」と聴き比べると、「Neighbormind」の方が各楽器の帯域が整理されていて、音の分離がよく、ハイファイなモダンロックに近い音像になっている。もちろん、エフェクトも楽器の一部と捉え、作曲と同時に綿密なサウンドデザインも行うTKだけあって、凛として時雨らしさがそう簡単に崩れることはないが、それでも聴いたときの印象はなかなかに新鮮だ。

 「Neighbormind」のミックスをトムに依頼したことについて、TKは「「Far From Home」というタイトルにあやかってロンドンでミックスして貰いました」と、シンプルなコメントを寄せているが、ニューヨークを舞台にした『スパイダーバース』楽曲のレコーディングはニューヨークで、ヨーロッパを舞台にした『ファー・フロム・ホーム』楽曲のミックスはヨーロッパでという、遊び心の反映だとも考えられる。

 もちろん、それは決して「単なる思い付き」というわけではない。「タイアップ」という名のクリエイター同士の密なコラボレーションを契機に、新たな挑戦を試みることは、自らのクリエイティブを前進させるための重要な手段なのである。『PSYCHO-PASS』との出会いは凛として時雨の大きなターニングポイントとなり、『東京喰種』との出会いはTKソロの大きなターニングポイントとなった。そして、『スパイダーマン』との出会いは凛として時雨にとって、TKにとって、また新たな、非常に大きなターニングポイントとなるはずだ。

■金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『ナタリー』『Real Sound』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』『bounce』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。

■リリース情報
凛として時雨 シングル『Neighbormind / laser beamer』
完全生産限定盤(CD+DVD)2,200円+税
CD発売日:2019年7月3日
先行ダウンロード配信:2019年6月28日

<Disc1(CD)収録曲>
1. Neighbormind
2. laser beamer
3.Neighbormind (Instrumental)
4. laser beamer (Instrumental)

<Disc2(DVD)収録内容>
“laser beamer” Music Video
“laser beamer”  – 「舞台PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice」Opening Stage Plot

※トールサイズ・デジパック仕様/DVD:MVほか/ プレイパスダウンロードカード及びスペシャルサイトアクセスコード封入

凛として時雨
Digital Single「laser beamer」
2019年4月18日
※ダウンロード配信リリース

<購入者特典情報>
凛として時雨 シングル『Neighbormind / laser beamer』先着購入者特典の対象店舗
CDショップ応援店にて、凛として時雨『Neighbor mind / laser beamer』購入者に『 凛として時雨「Neighbormind」 ジャケットステッカー』をプレゼント。
特典はなくなり次第終了。

■先行試聴情報
凛として時雨”Far From Low-Resolution in Sony Store” ダブルAサイドニューシングル「Neighbormind / laser beamer」ハイレゾ先行試聴
開催場所:ソニーショールーム/ソニーストア銀座、 ソニーストア札幌、ソニーストア名古屋、ソニーストア大阪、 ソニーストア福岡天神
開催期間:6月21日(金)開始~8月4日(日)まで展開
ソニーストア店舗のアクセス情報はこちら
※詳細は各店舗のページにてイベント情報を確認のこと

<試聴楽曲>
1. Neighbormind / 2. laser beamer

■映画情報
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(原題:Spider-Man:Far From Home)』
6月28日(金)世界最速公開
全米公開:2019年7月2日
監督:ジョン・ワッツ(『スパイダーマン:ホームカミング』)
脚本:クリス・マッケナ & エリック・ソマーズ
マーベル・コミック・ブック原作:スタン・リー and スティーヴ・ディッコ
製作:ケヴィン・ファイギ、エイミー・パスカル
キャスト:トム・ホランド、サミュエル・L・ジャクソン、 ゼンデイヤ、コビー・スマルダーズ、ジョン・ファヴロー、J・B ・スムーヴ、ジェイコブ・バタロン、マーティン・スター withマリサ・トメイ and ジェイク・ギレンホール

公式サイト
公式Twitter
公式Facebook
#スパイダーマン

■ライブ情報
『凛として時雨 Tour 2019 Golden Fake Thinking』
※終了分は割愛
2019年6月30日(日)大阪 Zepp Osaka Bayside
Open 17:00 / Start 18:00    
1F立見 ¥5,000 / 2F着席指定席 ¥5,800(税込 / D代別)
清水音泉 06-6357-3666

チケット一般発売:3月30日(土)

■関連リンク
凛として時雨 オフィシャルサイト
凛として時雨 YouTube Official Channel
サブスクリプション
凛として時雨
TK from 凛として時雨
ピエール中野

アプリで読む