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芳根京子「“本当の自分”がわからなくなってくる」 山田涼介も大絶賛の表現力に迫る

リアルサウンド

20/1/20(月) 17:00

 山田涼介主演映画『記憶屋 あなたを忘れない』が1月17日より公開中だ。シリーズ累計発行部数50万部を超える原作小説を、『ツナグ』『春待つ僕ら』の平川雄一朗監督が映画化した本作。都市伝説的な存在である「記憶屋」の存在を知った大学生の遼一が、年上の恋人・杏子が自分の記憶だけを失った原因を探すため奮闘する模様を描いた人間ドラマだ。

参考:芳根京子が語る、吹替初挑戦『ボス・ベイビー』を通して感じた家族の大切さ「兄に会いたくなった」

 今回リアルサウンド映画部では、山田演じる主人公・遼一の幼なじみであり、幼少期に記憶を失った過去がある真希を演じた芳根京子にインタビュー。主演の山田の印象や独自の演技論について話を聞いた。

ーー今回の映画『記憶屋 あなたを忘れない』は、織守きょうやさんの原作とはかなりテイストが変わっていましたが、河合真希を演じるに当たってどのようなことを意識しましたか?

芳根京子(以下、芳根):真希を演じさせていただくことが決まってから原作小説を読んだのですが、どうやって真希をかたちにしていくか、すごく考えました。小説の中に生きている人物を、実際に生身の人間が演じたら、受け取る側も印象が変わってくると思うので、いろんな方に愛してもらえる女の子にしたいなという思いがまずありました。それは監督とも早い段階で話していました。とにかく真希はまっすぐで、一途にいようと。

ーー劇中では広島弁にも挑戦されていました。

芳根:私は東京出身なので、方言がないぶん逆に染まりやすいというか。昔から音楽をやっているので、なんとなく音で覚える感覚があるんです。だからすごく楽しかったですね。

ーー難しくはなかったですか?

芳根:やっぱり難しさはありました。語尾に「じゃけん」をつけるみたいな特徴はありますが、明確な法則がないので……。なので、方言の先生からいただいた音源を聞いて、常に先生に確認しながら練習していました。撮影現場で臨機応変に変えていく部分もありましたね。

ーー主演の山田涼介さんと平川監督は現場でディスカッションすることも多かったそうですね。

芳根:2人で話し合っている姿をよく見かけました。山田さんはすごく対応力がある方で、監督に言われたことにすぐ反応できるのは、やっぱりスターだなと思いました。

ーー初共演の山田さんの印象はどうでしたか?

芳根:最初から抱いていたイメージと大きくは変わらなかったです。でも、もっと雑に扱っていただいてもいいのに……というぐらい優しくてビックリしました(笑)。本当に真ん中に立つべき方なんだなと実感しましたね。座長として真ん中に立っている山田さんの背中を追いかけたくなるというか。監督に限らず、いろんな方とコミュニケーションを取っている姿を見て、すごく頼り甲斐があるなと思いました。

ーーお2人の共演シーンもたくさんありました。

芳根:そうなんですよ。真希は山田さん演じる遼一とのシーンが多いのですが、私と監督がうまく噛み合わずに「もう一回、もう一回」ってなっても、山田さんは嫌な顔せずに何度でも付き合ってくださって。しかも一緒に悩んでくださったんです。私は山田さんのことを支えられたかわからないですけど、この撮影期間、山田さんにはすごく支えていただきました。

ーー山田さんもオフィシャルインタビューで「今まで出会った人の中で、一番感情の揺さぶりが激しい人」と芳根さんの演技を大絶賛されていましたが、芳根さんは作品や演じる役柄によって印象が全く異なります。

芳根:山田さんのように第一線で活躍されている方に認めてもらえるのは、純粋に嬉しいですね。でも、自分の中では演じ分けているような感覚はあまりないというか……逆に“本当の自分”がわからなくなってくるんです。

ーーそれはどういうことでしょう?

芳根:すんなりと入ることができる役だったり、最初から自分が無理をせずに演じられる役もあるんです。だけど、やっていくうちにラクになっていくんですよ。ラクっていう言い方が正しいのかわかりませんが、苦しくないとかではなくて、背伸びせずにできるというか。最初は背伸びしながら役に合わせていって、一度合ってしまえばもう大丈夫みたいな感じなんです。毎回そういうことの繰り返しですね。

ーーそれを繰り返していると、“本当の自分”がわからなくなっていくと。

芳根:そうなんです。ふと「あれ、本当の自分の顔ってどうだっけ?」と思ったりするんです。最近ちょうど親とも「“演じる”ってなんだろう」という話をしていたんですよ。「演じる」というのは言葉としては合っているんだけど、感覚としてはちょっと違うというか。「その人の人生を生きる」という感覚が近いかもしれません。「この人が実際にこの世界にいたら?」「この人はもしかしたら今どこかにいるんじゃないか?」と思ってもらいたいので、常にそういう意識は持ってやっています。

ーーそれは昔から変わらずですか?

芳根:このお仕事を始めて7年になるのですが、徐々に変化していきました。いろいろな役をやらせていただいて、真ん中にも立たせていただいて、自分でいる時間よりもお仕事をしている時間のほうが長くなってきてから、そう思うようになりましたね。

ーーなるほど。では逆に、今までで一番難しかった役はなんですか?

芳根:えーなんだろう……。「あ、掴めたな」というところまでいくのに一番時間がかかったのは、今回の真希かもしれません。他の役だと、何日かしたらなんとなく「分かった気がする!」となって、前に前に進む感じが出てくるんですけど、『記憶屋』は1日目が終わって、「え、1日目終わったのに何も得てない!」という感じでした。そこから数日も「どうしよう……」って。

ーー今までとは違った感覚だったわけですね。

芳根:だいたいいつもは感覚を掴んで、このまま進めばいいんだなと希望の光が見えるのが、最初の3日間とかなんですけど、『記憶屋』はたしか10日くらいかかりました。カメラを回す前の段取り時に、毎回監督から「真希、もうちょっと無邪気に」と何度も言われて、「もっといっていいんですか!?」みたいな感じで少しずつ様子を見ながら苦戦していました。お話自体はファンタジーだけど、リアルさも必要で。どうしたらリアルに見えるようになるか、それはすごく難しかったですね。

ーー役者として、また一人の人間として、考え方で変わってきたことはありますか?

芳根:20代のうちは今のようにいろんな役に挑戦して、30代になったら深みを出していきたいなと考えるようになってきました。今はとにかく、可能性を見つけたいというか、横に広げていく感じですかね。落ち着いてきたら、どうやって上に伸ばしていくかを考えることになるのかなと思います。今年はちょうど大学に行った友達が卒業して新社会人になる年なので、よりそう考えるようになりました。この7年、私はラッキーだったなって。

ーー2020年は『記憶屋 あなたを忘れない』の公開もあり、ヒロインとして出演する連続ドラマ『コタキ兄弟と四苦八苦』(テレビ東京系)も始まりました。年始にはHTB開局50周年ドラマ『チャンネルはそのまま』の再放送もありましたね。

芳根:1月は関わらせていただいたいろんな作品が世に出ていく月なので、私としてもすごくいいスタートだなと思っています。今年はまだどうなるかわからないですけど、自分の中で、毎年なんとなく誕生日(2月28日)を意識するようにしているんです。誕生日に何の作品をやっているか。どの作品も大事なんですけど、振り返ると、自分の中で大きなターニングポイントとなる作品は誕生日の月にあるような気がするんです。『べっぴんさん』(NHK総合)も『海月姫』(フジテレビ系)もそうでしたし、去年の誕生日は初めて主演をやらせていただいた舞台『母と惑星について、および自転する女たちの記録』の稽古中だったんです。23歳になる来月、自分は何をしているのか。そこで踏ん張っていければ、またいい流れに乗れると思うので、自分に期待しつつ、楽しんでいければいいなと思います。(取材・文=宮川翔)

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