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乃木坂46 桜井玲香が語る“大躍進の2017年”経たグループの今「そろそろ仕掛ける側にならなくちゃ」

リアルサウンド

17/12/31(日) 12:00

 乃木坂46にとって、2017年はCD売り上げのミリオン達成や、白石麻衣の2nd写真集『パスポート』が女性写真集歴代最高の年間売上到達、東京ドーム公演の2Days開催、『第59回 輝く!日本レコード大賞』の大賞獲得、3年連続の『NHK紅白歌合戦』出演などなど、一言で語りつくせないほど沢山のトピックと、これまでにない躍進を遂げた一年だった。

 そんな2017年を総括してもらうべく、リアルサウンドではキャプテン・桜井玲香をインタビュー。グループをよく知るライターの西廣智一氏を聞き手に迎え、2017年の始まりに感じた不安やソロ写真集『自由ということ』で得たもの、東京ドーム公演を終えた感想、2018年のグループ・個人としての目標などについて、たっぷりと語ってもらった。(編集部)

【撮りおろし写真&乃木坂46インタビュー記事バックナンバー&チェキプレゼントコーナー入りの記事はこちらから】

・2017年初頭は「変わることに対して不安があった」

ーーここ数年、年末に取材する際は必ずこういう話になりますが……特に2017年は、本当にすごい1年でしたね。

桜井玲香(以下、桜井):すごかったですね(笑)。本当にすごかったと思います。

ーー中でも今年は、実績が伴った1年だったのかなと。

桜井:本当にそうだと思います。何かしらの賞や数字で結果を残せた1年だったので、今までで一番意味のある年だった気がしますね。

ーー桜井さんの2017年はソロ写真集『自由ということ』の撮影から始まりましたが、2017年はいつもと違う1年になりそうだなとか、当時そういう予感はありましたか?

桜井:年明けは正直「今年は絶対に良い年になる!」みたいな感覚はなかったです。むしろ、私個人もすごく悩んでいた時期で、メンバー的にもグループ的にもちょっと不安を感じながら年越しした感覚が私はあって。なので、まさかこんな逆転というか、ここまで良い1年になるとは思いもしなかったです。

ーーその不安というのはなんだったんですか?

桜井:具体的にこれというのはなくて。口では「良い年になると思います!」なんて前向きなことは言うけど、それを心の底から思えているかというと……ちょっと引っかかるところがあって、モヤっとしていたかなという印象ですかね。卒業メンバーも増え、3期生も入って変化がどんどん大きくなっていきそうなタイミングだったし、「まあ大丈夫だろう」と思う自分がいつつ、やっぱり変わるってことに対して不安もある、というモヤモヤした時期でした。

ーー桜井さんは2017年が明けたタイミングに、メンバーに向けて「今年は笑顔の多い1年にしよう」と話したそうですが、それは今話したような不安もあったから?

桜井:言いましたね。うん、そういうことだと思います。

ーーそんな年明けから写真集撮影があり、映画『あさひなぐ』の準備が始まり、2月のバースデーライブの準備があったりと、2017年序盤はかなりハードな時期でしたよね。

桜井:すごいハードでした。個人的に、この6年間で一番ハードな時期だったと思います。今振り返ると全然なんですけど、あのときは本当に苦しい瞬間が何回かありました。

ーーそれは、仕事的に大きなものがいくつか重なって?

桜井:そうです。ライブに映画に、初めて経験するなぎなたの稽古だったり、私個人では写真集の発売もあったし、4月から『テレビでハングル講座』(NHK Eテレ)のレギュラーも始まって。あの番組も完全にお勉強をさせていただくものだったので、その行き来だったり予習だったりで、本当に睡眠時間が足りなくて(笑)。いや、すごく充実していたんですよ。と同時に、「やっぱり芸能の仕事って体力がいるな」とも実感しました(苦笑)。

ーー体力と、それを乗り越えるための精神力ですよね。やっていること一つひとつの内容がバラバラですし。

桜井:そうなんですよね(笑)。私に限らず、本当にみんなすごいな、器用だなって思います。

ーーそれはこの6年で鍛えられたってことなんでしょうかね? それとも、もともとそういう素養を持ち合わせていたんでしょうか?

桜井:鍛えられているんだと思います。プラス、やりたくて自分から選んでやっている仕事だから、頑張れるっていうのもあるのかもしれません。

・「先に人気が出てからやっと音楽に注目してもらえた」

ーーなるほど。しかもその期間はシングルの制作期間も重なって、さらに大変なことになっていたわけですよね。

桜井:大変でした(苦笑)。ヤバい、記憶が全然……『逃げ水』(2017年7月発売の18thシングル)って夏ですよね? その前って……。

ーー『インフルエンサー』(2017年3月発売の17thシングル)ですね。

桜井:あ、『インフルエンサー』だ! あれが本当につらかったー(笑)。

ーー皆さん、本当にそうおっしゃいますよね。

桜井:だって、あんなにメンバーが泣きながら撮るMVって、最初で最後なんじゃないかな。本当にダンスが難しくて、おまけに時間も限られていたし、初めて撮影中に「ああ、これは一度抜けないとダメだ」って思うところまで行ってました。

ーーでもその結果、あのシングルでちょっと一段上まで行けた印象もありますし。

桜井:本当ですか? そういう感覚、あんまりわからなくて。

ーー実感はないですか? 周りからの反響を受けてとか。

桜井:いや、なんか年末はやたらとこの曲をやるなとは思っていたんですけど。

ーーそういうことなんだと思いますよ。インパクトや見応えという点もそうですし、実際いろんな場所で耳にした曲でしたし。

桜井:よかった。それは素直に嬉しいです。

ーー実売で「サヨナラの意味」に続きミリオンに到達した事実もありますし。そこを目指していたかどうかは別として、ミリオンはひとつの到達点ではあると思うんです。その実感というのは今ありますか?

桜井:『インフルエンサー』がミリオンを達成した実感は正直なかったですね。周りの方々から言われても、メンバー自身はそこまで考えられていなかったというのが正直なところです(笑)。

ーーとはいえ、楽曲を耳にする場や機会は以前よりも確実に増えている。その認知という点では、2016年までとは違うと思うんです。

桜井:それはもう、私たちの場合は逆ですよね。音楽からグループを認知されるんじゃなくて、先に人気が出てからやっと音楽に注目してもらえるっていうパターンだと思うので。やっと人気の地盤を作ったから、そこから目指す次のステップとして音楽があったのかな。正直、今までは「なんで国民的ヒット曲が生まれないんだろう?」とか「いい曲なのに、なんでカラオケでいっぱい歌ってもらえないんだろう?」とか言ってたけど、要は認知度が足りないから曲を聴いてもらう機会がなかったわけで。今はCMとかたくさんやらせてもらっているし、メンバー個人の知名度も上がってきているので、やっとそこを入り口に、今度は乃木坂46の持つ独特の楽曲に注目してもらえるタイミングになり始めているのかもしれませんね。

ーー今の音楽業界ってヒットの構図がひと昔前とは変わっていて、「売れている曲」=「認知度の高い曲」とは限らない。そう考えると、乃木坂46の曲に興味を持たれ始めているという状況は、前向きに考えるとすごく好状況じゃないかという気もするんです。

桜井:なるほど。確かにそうかもしれませんね。

ーー以前から乃木坂46の皆さんは「国民的ヒット曲が欲しい」とよく口にしていましたし、実際桜井さんもそう発言していたと思います。その気持ちは今も変わってない?

桜井:はい。せっかくだったら代表的な1曲が欲しいとは思います。説得力がありますよね、やっぱり「この1曲」というのがあれば。せっかく音楽活動をしているんだったら、1曲ぐらいは皆さんの携帯に入っているような代表曲が欲しいなと。でも、いかにして国民的ヒット曲を生み出すかということになると、それはもう自分たちの領域の話じゃなくなってくるので。そこはもうスタッフさんたちに託すしかないかなと(笑)。でも、そのために私たちは人気や知名度をどんどん上げるために頑張らないといけないわけですし。なので……(スタッフに向かって)良い曲をたくさんください!(笑)。

・「特に与田ちゃんは変わったなと感じることが多くて」

ーー2017年は「逃げ水」で大園桃子さんと与田祐希さんがダブルセンターに初就任したりと、3期生の存在感がかなり増した1年だった印象があります。桜井さんとしては、彼女たちの成長をどのように感じていますか?

桜井:本当に勢いがすごいと思います。同じメンバーとしても、ただの可愛い後輩っていう感覚とはまた違ってきたかな。それぐらいパワーがあるし、周りのいろんな人からの期待も伝わってきますし。

ーーその成長は、特に夏のツアーを経験したことも大きかったのかなという気がしていて。それ以前の3期生は、先輩たちと交わる機会は限られていたわけですしね。

桜井:そうですね、わりと3期は3期だけで活動することが多かったですし。

ーー3期生の子たちに話を聞くと、ツアーのリハーサルで先輩たちを間近に見てすごいと思ったという意見もよく出るんですね。例えば「桜井さんがすごかった!」とか。

桜井:おー、誰だ誰だ? あとで何かあげたいな(笑)。

ーー(笑)。桜井さんから見て、特に成長著しいと感じるメンバーは?

桜井:もちろん全員頑張っているんですけど、強いて挙げるなら与田ちゃんはすごく変わったと思います。3期の子たちって「なんで?」ってぐらい、良い意味で本当に幼い子が多くて。中でも与田ちゃんと桃子は高2、高3なのに、精神年齢が相当幼いんですよ(笑)。そこがすごく可愛いし、今のひたむきな感じが2人の魅力につながっていると思って。もちろん桃子も頑張ってますけど、特に与田ちゃんは変わったなと感じることが多くて、真っ白な部分を残しつつも精神面がすごく鍛えられている気がするんです。

ーー具体的に、どういったところで感じましたか?

桜井:人前で何か喋らなくちゃいけないときかな。今回のツアーでは今まで生駒(里奈)が喋ってたような一人語りを、センターの2人(大園、与田)に任せるポイントがあって。2人ともすごく悩んでいたし、泣きながら必死に食らいついてやっていたんですけど、そういう経験からなのか、バラエティー番組に出たときも与田ちゃんはちゃんと受け答えができるようになっていて、表情も以前と比べて全然変わったなと思うんです。すごく小動物的で、話しかけるといつも「(ちょっとおどおどした様子で)はぁ~」と言って眉を八の字にする、そんな与田ちゃんに対して以前はすごく不安を感じていて。いつも困っていて、声も小さい、体も小さい、チワワみたいに震えているイメージだったから(笑)。でも、それが今は見ていても不安にならないのは、いろいろ経験を積んだことで自信もついて、意識が変わったんだろうなと思うんです。

・「東京ドームがきっかけで、もっと上がたくさんあるんだと知れた」

ーー11月には念願だった東京ドーム公演も実現。桜井さん的には、今振り返るとどういう2日間でしたか?

桜井:そりゃあ、やっぱりすごく楽しかったですよ。気持ちもすごく上がったし、特別な場所だなと。けど……ライブを作る段階で、時間の制約などでどうしても諦めなければならないこと、妥協しなくちゃいけない部分も正直あって。そういう意味では、100%の自信を持って「これが乃木坂46のライブです!」と言い切れるものではなかったかもしれないけど、あのライブはあのライブで良かったと思うんです。だけど……もしチャンスがあるなら、もう一回東京ドームでライブをやりたいなというのが本音かな。

ーー例えば、ああいう大きな会場でライブを行うと、人によってはあそこが到達点になって燃え尽きてしまうこともあるかもしれないですよね。

桜井:そうですね、私もそれを心配してました。

ーーでも、終わったあとの皆さんの顔を見たら、そんな感じがまったくなく。むしろ、次に向けてその日のライブの反省をしているんじゃないかぐらいの雰囲気があったので、正直安心したんですよ。

桜井:うん、本当にそのとおりでした。メンバーとも「今これを私たちがやってしまったら、気持ち的に、もうあとは卒業しかなくない?」って話をしてましたし、スタッフさんもかなりそこを心配していましたし。やっぱりそれだけ、東京ドームでやれることがみんな嬉しかったんだと思うんです。だけど結果としては、私もそうだったんですけど、やってみたらもっと欲が出たというか。あの場のみんなが「あれもやりたいし、これもやりたい」、「ここで終わりじゃなくて、あともう何回かやりたいよね」って気持ちになっていたので、それは本当によかったと思います。

 それに、意外とみんなそれぞれに反省点があったり納得していない部分も多かったりで、「いや、まだ私たちはもっとできるはず!」という気持ちを感じたので、私もキャプテンとして「まだ大丈夫だから、もっとグループのことを盛り上げていこう」と思えたし。で、そこから良い流れで年末まで来ているので、2017年よりは2018年のほうが良い年明けを迎えられるんだろうなって、気持ちはすごく晴れ晴れとしています。

ーーきっと以前はライブ後の反省も、ただ「できない」ことに対しての悔しさだったと思うんですけど、今は「本当はできるのに、それをやれなかった」というもどかしさなのかなと。先ほど欲が出たと言いましたけど、それって確固たる自信があってこそだと思うんです。

桜井:年齢も上がったので、昔よりはしっかりしてるからこそ(笑)、いろいろ考えられるようになったのかな。

ーー僕は特に、2日目の最後のMCで言っていた「皆さんをもっとすごいところに連れて行きます」という言葉を聞いて、こんなにも頼もしいことを言える人になったんだと、感動したんですよ。

桜井:本当ですか? 私、そんなこと言ってましたか(笑)。そうですね、もっといろんな経験をしたいですよね。

ーー確かに東京ドームよりも大きい会場はまだありますし、同じくらい大きな会場は日本中にある。それに、最近は海外にも足を伸ばし始めているし、まだまだいろんな可能性があるわけですよね。桜井さんもそういう、もっとこういうことをしたいなっていうモチベーションが高まっているところなんでしょうか?

桜井:高まってます。でもそれは、また新しい目標を作ってくれたスタッフさんのおかげもあって。東京ドームでやらせてもらえて、それがきっかけでもっと上がたくさんあるんだと知れたんです。海外に進出するというきっかけを作ってくれたのもすごく大きいし、それも「とりあえず海外で」ってことじゃなくて、ちゃんと明確な目標やターゲットを考えた上でチャンスを作ってくれたので。また次も頑張ろうと先にどんどんつないでいってくれるのは、スタッフさんのおかげです。

ーーでは、乃木坂46にとってライブはこれから重要な要素になっていくと。

桜井:そうですね。たぶんここから先って、音楽業界的にもライブが主軸になっていくと思うので。以前の私たちはわからないことが多すぎて、スタッフさんに全部任せていた。もちろん、周りから求められているライブを表現できるようにしたかったし、作ってくれた人に「よかったよ」と言ってもらいたいという意識もあった。でも、6年やってきて自分たちの意思もちょっとずつ出てきて、「この曲はこうしたい」とか「ここは変えたい」とか客観的に意見を言えるようになってきたので、これからはもっとそういう気持ちをぶつけていきたいなと、最近すごく感じています。

・「嬉しいと同時に、2017年だけでは絶対に終わらせたくない」

ーーまた、2017年は『日本有線大賞』や『日本レコード大賞』など、年末の賞レースにも初めてノミネートされるようになりました。

桜井:びっくりですよ。

ーーちょうど昨日もレコード大賞の記者会見に出席したのを、ニュースで目にしました。(※編集部注:取材は12月22日に実施)

桜井:めっちゃ緊張したんですよ!(笑)。ホント、怖かったです。

ーーこういう機会が増えることに対しては、率直に今どう感じていますか?

桜井:めちゃくちゃ嬉しいです。すごく嬉しいと同時に、2017年だけでは絶対に終わらせたくない。『FNS歌謡祭』とかいろんな音楽番組に出演させていただく機会が増え、先日改めて「やっぱりここにいる人たち、めちゃくちゃすごいな」と思ったんです。大御所の方もいらっしゃるし、しかも実力がある方ばかりで、そこに私たちも入れてもらえることって、本当にすごいことじゃないかと。そこにこれからもずっと出て行きたいですね。それに、2017年はいろんなメンバーがソロやコラボをやらせていただく中で、私自身もやりたいなと思った。ただグループとして出ていって自分たちの曲だけを歌って終わるんじゃなくて、もっとあの中に入っていきたいと強く思ったし、そのためにはもっと頑張らなくちゃいけない。2017年みたいな年末って今まで考えたことなかった形だけど、これをもう何回か、同じような状況を作っていけるように頑張らないとなというのはすごく感じています。

ーー確かに『FNS歌謡祭』もこの何年かの積み重ねもあってか、あんなに出番があるんだってぐらいに、メンバーがいろんな場面で活躍していましたもんね。

桜井:本当ですよね。私もびっくりでした。

ーーメンバーが驚くぐらいですから、そりゃあ観ているほうもびっくりするわけですね(笑)。『NHK紅白歌合戦』に関しても、もちょうど2年前にここでお話したとき(参考:乃木坂46桜井玲香が語る“怒涛の2015年”と“期待の2016年”「戦わなきゃいけない相手が増える」 )は「出たあと、どういう反応をされるのか怖い」と言ってましたが、結局求められて3度目が実現しているわけじゃないですか。

桜井:ありがたいですよね。初出場のときに「3回続いたら奇跡だ」と言ってたので、実際に2017年も出られて本当によかった(笑)。

ーー今この時代に、3回連続出場って本当にすごいことですよ。

桜井:だから、AKB48さんって本当にすごいなと。だって、10回ですよ? 私たちなんて3回でも驚いているのに……ここにきて改めて、「ここは超えられないな」と思いました。

ーーもっと言えば、その10回以上の年数グループが続いているわけですし。

桜井:そうですよ。私なんて、最初は3年も続くのかなと思ってたぐらいですから(笑)。正直、ここまですごいグループになるとは思ってなかったし。

ーーそれこそ最近は、新人アイドルグループに話を聞くと「乃木坂さんに憧れてアイドルになりたいと思いました」という声を度々聞きます。

桜井:は~っ、嬉しい! そういえば、『TOKYO IDOL FESTIVAL 2017』にサプライズで出たときに、いろんなアイドルの方がすごく声をかけてくれて。あれも嬉しかったけど、メンバーは自分たちがそんな立場になっていると思わないから、みんな戸惑いました(笑)。

・「そろそろ仕掛ける側にならなくちゃいけないのかな」

ーーそうやっていろんな人から目標とされるようになった乃木坂46は、2018年に何を一番成し遂げたいんでしょうか?

桜井:う~ん……まだまだ一人前とは言えないかもしれないけど、ちゃんとアイドルグループとして求めてもらえる場所や機会が増えて、もうそろそろ仕掛ける側にならなくちゃいけないのかなと思っていて。世間に挑むような感覚を2018年以降は持ってやっていきたいですね。今までは狭い中で目指すところがピンポイントにあって、そこに向かってやっていったんですけど、2017年にいろんなことを経験したことでその視野が一気に広がったんですよ。良くも悪くも、なんでも自分たちの好きなようにやっていいぐらいに広がったことで、正解とか形とかがなくなってしまった。

 だから、すごく難しいんですよね。なんでもやっていいって言われると、わからないじゃないですか(笑)。きっとこれからは、そういうフィールドになると思うので、その中でいかに萎縮せずにちゃんとやっていけるか、より意識を強く持つことが大事になると思うので、目標というよりも2017年にやってきたことをもう一回、まったく同じように成功させて、基盤をしっかり固める1年にしたいです。

ーー今年がまぐれと言われないような?

桜井:はい。2017年は本当に最高な形だったと思うんですよ。だから、この状況を絶対的なものとして固めたい。2018年は何か新しいことに挑戦するのも大事だけど、今までやってきたことをもう一回固める、そういう年にしたいですね。

ーー先に進むにしても、もっと足場をしっかり固めてからと。

桜井:そう、固められるのであればどんどん固めたい。そこは慎重になりたいですね。

ーーそもそも、今まで一歩ずつ着実に進んできた結果が2017年だったわけですものね。

桜井:もちろんグイッといけたら超ラッキーですけどね(笑)。勢いには全然乗りますけども、でもそこは世間の流れに任せつつ、気持ち的には地盤固め、いまやれていることをしっかりと確立する意識でいたいですね。

・「写真集のおかげで少し視界がクリアになった気がする」

ーーでは、桜井さん個人としてはどうですか?

桜井:個人的には……もうちょっと自由にやろうかなと思います。2016年の夏はライブに参加できないことも多くて、ちゃんとキャプテンの役目が果たせなかったぶん、2017年はキャプテンとして本当に頑張ろうと思った1年だったんです。個人的にはライブやツアーで今まで以上に踏み込もうと思って、踏み込んだ部分も多かった。ただ、3期生もすごく成長しているし、グループとしてもすごく強くなった印象があるので、2018年はグループを作らなくちゃっていう意識よりも、もっと自分の自由を尊重しようと。たまにいなくなる期間があってもいいくらい、自分の夢にシフトしてもいいのかなって気持ちでいます。

ーーなるほど。実際、何をやってみたいですか?

桜井:今はいろんなことに興味がありすぎて全然決められないので、そこは決めないでおこうかなと(笑)。

ーーそのとき声をかけてもらった仕事の中で、ベストを尽くそうと?

桜井:そうですね、能力を上げていきたいです。

ーー2017年は映画『あさひなぐ』ですごく頑張っている姿を間近で観させてもらいましたが、あの経験は桜井さんにとっても大きなものだったと思うんです。

桜井:うん、『あさひなぐ』は良いきっかけになりましたね。でも、あの撮影時期は気持ちが落ちていたというか、すごく悩んでいて苦しい時期でもあったので。

ーーそれが最初に話していた、いろんな不安を抱えていたという話につながるわけですね。でも、実際に完成した作品はすごく評価の高いものでした。ご自身としてはそこでの達成感は、どの程度ありましたか?

桜井:実は全然ないんですよ。もちろん頑張ったんですけど、私の存在が果たして映画にちゃんと貢献できていたのかっていうのは、自分自身の感覚的にはちょっと薄いのが心残りというか。あんなにがっつり映画に携わるのは初めての経験だったし、できないことも多かったけど、あのときの自分なりに全力でぶつかれたので、最初があの作品でよかったなと思っています。

ーーなるほど。2017年はこのほかにもファッション誌『NYLON JAPAN』のレギュラーモデルにも就任。状況としては1年前と比べて、まったく異りますよね。そういった点では、手応えもあるんじゃないかと思いますが?

桜井:いやぁ、自信も全然ないし、まだ手応えまではいかないですよ。振り返ってみるとありがたい1年でしたけど、まだスタートできていないぐらいの感覚なんです。そもそも私、自分のことを話したり自分を表現したりするのが苦手で、芸能界に向いてないんじゃないかと思うぐらいなので(笑)。それを写真集がすごく手助けしてくれた。初めて私のためだけに動いてくれて、初めて自分のためだけに自分の思考を使ったのがあの写真集で、それを出せたことによって、自分の素の状態はこういうもので、そこから自分の理想はこうなんだ、自分は何をやりたいだとか、少し視界がクリアになった気がするんです。だから2018年は、手応えというか納得のいくものが、小さくてもあるんじゃないかなという期待があるので、今から良い1年になるんじゃないかと楽しみなんです。(西廣智一)

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