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GLAY、25周年アリーナツアーに溢れた“熱い音楽”と“温かい言葉” 遊び心満載の横浜公演2日間を振り返る

リアルサウンド

20/1/30(木) 7:00

 2019年11月に始まった、GLAY25周年のアリーナツアー『GLAY ARENA TOUR 2019-2020 DEMOCRACY 25th HOTEL GLAY THE SUITE ROOM』。全国各地を駆け巡ったGLAYが最後に訪れたのは、横浜アリーナ。2020年1月25日・26日の2日間にわたり、熱い音楽と温かい言葉、そして遊び心満載の演出で楽しませてくれた。また、今回は最新アルバム『NO DEMOCRACY』を引っ提げてのツアー。作品に込めた彼らのメッセージが、より一層強く感じられた公演だった。本記事では、2日間のライブをダイジェストにしてレポートしたい。

(関連:GLAY、25周年ライブから感じた“愛の深さ” 『LIVE DEMOCRACY』2日間を振り返る

■平成を駆け抜けたGLAYが“言葉”を伝えた1日目

 暗転すると、“Who Killed GLAY?”という不穏なメッセージと、遺体となった4人の姿がスクリーンに映し出される。始まったのは、HISASHI演出のショートムービー『HOTEL GLAY殺人事件』だ。GLAY本人役と同時に、TERUは画家、TAKUROはIT企業の社長、HISASHIはシリアルキラー、そしてJIROは刑事役を演じている。どうやらこの中にGLAYを殺した犯人がいるらしい。スクリーンに映るシリアルキラー(HISASHI)の「My name is DATURA…」というセリフを合図に、ステージにせり上がりで4人が現れ、いよいよライブがスタート!  間髪おかずに「My name is DATURA」をTERUが歌いだすと、割れんばかりの歓声が降り注ぎ、アリーナの広い会場をレーザーが打ち抜く。「黒く塗れ!」で早くもTAKUROとHISASHIがそれぞれステージの端まで駆けていき、ギリギリの距離まで近づき客席を煽る。「Flowers Gone」では〈DESIRE!DESIRE!〉と拳を振り上げ叫ぶオーディエンスの姿が熱い。

 「横浜アリーナ、ただいま!」「おかえり!」から始まったMCでは、25周年を迎えられたことを感謝するTERU。さらに「平成の32年間を丸々生きてきたGLAYだからこそ伝えられる音楽と言葉があるので、しっかりと受け止めてほしいと思います」と、本公演に込めた想いを力強く語った。GLAYの王道バラード「あなたといきてゆく」「COLORS」では、ドラマチックなメロディとTERUの切ない歌声に酔いしれる観客たち。「元号」でスクリーンに映し出されたのは、平成の時代を象徴するニュースの見出しや、街中にいる若者、戦車、兵隊、そして十字架。忘れてはいけない、人々が生き抜いた時代に思いを馳せる。マイクを握りしめて叫ぶように歌うTERUの姿を見つめる観客たちの瞳は、真剣そのものだった。「次は皆さんの番です」というTERUの言葉で始まったのは、悲しみを包み込むような歌詞が優しい「笑顔の多い日ばかりじゃない」。明るい歌声がアリーナ中に響き渡る。生命と自然の壮大さを感じさせる「Into the Wild」では、スクリーンには野生動物が映し出され、美しい光の粒が会場中を彩る。つづく「AMERICAN INNOVATION」のイントロが始まると、超特大のGLAYバルーンがステージに登場。「男、回せ! 女の子、回せ!」というTERUの煽りに応えるよう、観客たちはタオルを振り回して熱狂の渦を巻き起こす。

 途中、『HOTEL GLAY殺人事件』の続きが流れ、シリアルキラー(HISASHI)と刑事(JIRO)が共謀し、IT社長(TAKURO)と画家(TERU)を毒殺するシーンへ。刑事がシリアルキラーに黒い札束を手渡したのが曲振りとなり、「BLACK MONEY」がスタートした。ミリタリー調の衣装に身を包むHISASHIと、黒いノースリーブ姿のJIROがダブルボーカルで歌うこの曲では、ステージに火柱が上がり、会場のボルテージもグングンと上がっていく。かと思えば、「LET ME BE」ではハジメタル(Key)の透明感のあるピアノの音色が優しく響き、会場の雰囲気を一変。白いハットをかぶって登場したTAKUROはソファに座ってアコースティックギターを弾き、TERUの歌声と共に会場を魅了した。キラーチューンの「誘惑」を皮切りに、ライブはそのままラストスパートへ。疾走感が心地よい「Runaway Runaway」では、客席にカラフルな巨大バルーンがいくつも投げ込まれ、観客たちの手によってあちこちへ散らばってゆく。TERUがバルーンを持ち上げ、ステージから客席へ投げる場面も。フィナーレに相応しい「Bible」では、〈あなたに何か託す様に消えた命その意味はまだ雲の上〉とTERUが歌うと、観客たちは歌詞に合わせてアリーナの天井を指差す。“人が一生で笑う時間 ○○○時間”、“一生で出会う人の数 ○○○人”といった言葉の後にスクリーンに流れたのは、“GLAYの活動総時間 ○○○時間×∞”という愛に満ちたメッセージだった。本編ラストは、『NO DEMOCRACY』のキー曲でもある「反省ノ色ナシ」で締めくくられた。ステージから捌ける直前、「最高じゃないか!」と生声で叫んだJIROには、大きな歓声が送られた。

 アンコールで再び『HOTEL GLAY殺人事件』の続きが上映されると、どうやら殺人事件の犯人は全員がグルだったことが発覚。先の読めない展開に戸惑いながらもアンコールを求める観客に応え、メンバーが登場。HISASHIは撮影時のことを思い返し、「君ら(メンバー)の演技、ちょっと過信してたところがあった」と飾らないトークで会場を湧かせた。アンコール1曲目の「生きてく強さ」では、TERUが一曲丸々マイクを客席に向け、歌わないというまさかの展開へ。ざわつく会場、「マジか……」といった表情を浮かべるHISASHIを尻目に、自分の代わりをつとめた観客たちへ無邪気な笑顔で拍手を送るTERUだった。しかし、次の「FATSOUNDS」では気合いの入ったロングトーンを披露し、会場を煽り倒す。ライブ定番曲の「彼女の“Modern…”」ではこの日一番の盛り上がりを見せ、勢いをそのままにラストの「VERB」へ。スクリーンには嵐の中にたたずむHOTEL GLAYが映し出され、曲が激しくなるにつれて不穏な空気が増していき、ついには落雷が。HOTELは真っ赤な炎に包まれ燃え盛り、黒焦げとなって崩れ落ちてしまった。メンバーが再びステージを去ると、『HOTEL GLAY殺人事件』も終わりを迎える。ラストはなんと蘇ったGLAYのメンバーたちが、自身を殺した面々をマシンガンで撃ち殺すというカオスな展開。エンドロールでは、見ているだけで笑みが零れるような飾らないメイキング映像が上映され、1日目の公演を終えた。

■サプライズが盛りだくさんの2日目

 2日目は、1日目とセットリストの展開は似ているものの、様々なサプライズや特別感のある演出が用意されていた。まず序盤では「GLAYならではのサウンドでいきたいと思います」というTERUの曲振りで、「JUST FINE」を披露。TAKUROとHISASHIの心地よいギターサウンドをアリーナに響き渡らせた。TERUが振り付けを扇動する「everKrack」でスクリーンに流れたのは、ドット絵の勇者が敵を倒しながら進んでいくゲーム風の映像。曲のラストには満月をバックにお立ち台に上ったTAKUROがサングラスを外し、おもむろに口に咥えて見せる。あまりの色気に客席からは感嘆の声が聞こえた。「氷の翼」では、WyolicaのAzumiが特別ゲストとして出演。TERUの後輩で同郷、そして飲み友達だと紹介されたAzumiは黒いドレス姿で登場し、TERUと共にしっとりとした美声を披露した。向かい合い歌う二人の背景には、氷が砕け散るアニメーションが流れ、壮大なバラードをさらにドラマチックに演出していた。さらに未発表の新曲「Beautiful like you」や、1996年にリリースされた「月に祈る」などのレア曲を惜しみなく披露。観客たちを大いに喜ばせた。

 MCでは、伝説の「最後のファイナル」発言を自ら弄ったり、前日にアリーナ席を「スタンド!」と呼んでいたことを謝罪したりと、相変わらずの天然ぶりを炸裂させるTERU。しかし、「戦禍の子」を歌う前には、「今じゃなくて来年でもなくて、本当に10年後、この楽曲たちが皆さんにどう響いているのか楽しみです」と真摯な言葉で語り、1万7,000人の心をそっと動かす場面も。また、MCでもう一つ印象的だったのは、ドームツアーについての話題。大阪公演がないことに触れ、「俺はここに居る誰にも恥じることなく、自分のやるべきことをやった。俺たちの気持ちが届くことは無かったが、俺は諦めない。必ず皆を京セラドームに連れていきます」とTAKUROが力強く語ると、観客たちはその言葉を讃えるよう大きな拍手を送った。

 アンコール終了後には、2月に誕生日を迎えるHISASHIへのバースデーサプライズを決行。観客たちがハッピーバースデーを歌い、ステージにはHISASHIのシルエットが描かれたプレートつきの大きなケーキが運ばれてきた。HISASHIは「(祝う時期が)ちょっと早い……」と言いながらも嬉しそうな様子を見せる。ダブルアンコールとして、前日はTERUの声が聴けなかった「生きてく強さ」を披露し、最終日に幕を下ろした。

 両日共に3時間超えという、ボリューム満点の2日間が終わった。しかし、GLAYの歩みは決して止まらない。次なるドームツアーへ向けて、そしていつかくる50周年を目指して、もうすでに動き出しているのだ。(南明歩)

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