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日向坂46×オードリー春日による完璧なエンターテインメント 渡邉美穂、佐々木久美らと生み出すユーモア溢れる掛け合い

リアルサウンド

20/10/29(木) 6:00

 日向坂46の冠番組『日向坂で会いましょう(以下:ひなあい)』(テレビ東京)で2週連続「春日俊彰の所沢フレンドリーパーク」と題した企画が展開された。その中で、番組MCを務めるオードリー春日俊彰と日向坂メンバーがユーモア溢れる掛け合いを何度も繰り広げていたが、今回はそんな2組の同番組での名場面について振り返ってみたい。

 日向坂とオードリーの出会いは前身グループ・けやき坂46時代に遡る。2018年4月にグループ初の冠番組として始まった『ひらがな推し』(テレビ東京)のMCにオードリーの2人が就任。番組初期こそ大人数の女子に対し人見知りするオードリーの2人だったが、“番組を面白くしよう”という共通意識が合致したからか、今では完璧と言えるまでのエンターテインメントを生み出す関係となった。

 まず春日にとって欠かすことのできない人物といえば、2期生の渡邉美穂ではないだろうか。春日の“公式ビジネスライバル”である渡邉は、常に自らの役割を自覚しながら番組作りを行なっているように映る。今回の「春日俊彰の所沢フレンドリーパーク」でも「私は春日さんのギャグで笑ったことは1回もない」と言い切って、春日とのバチバチな関係を演出するなど、1つの盛り上げどころとして機能していた。

 そもそも『ひらがな推し』時代に行われた渡邉と春日のバスケットボール1on1対決では、渡邉は春日に詰め寄られ、その迫力に涙することがあった。しかし時を経て、渡邉もタレントとしてのキャリアを積み、春日をイジる側にまわった。過去に春日の“とあるフライデー騒動”が持ち上がった時期に、番組内のコーナーで「どうしてあんなことしたんですか?」「大人として恥ずかしくないですか?」と畳み掛けたことがあったが、小坂菜緒はその際を振り返り「あの時期にあんなどストレートなことを言える渡邉美穂は本当にスゴイ」と絶賛していた。確かに、“ビジネスライバル”としてのいい塩梅を心得ている渡邉と、懐が深くて優しい春日だからこそ生み出すことが出来たお笑い名シーンだったように思う。今後も“春日イジり”の職人としての渡邉の活躍に注目だ。

 キャプテン佐々木久美に対する春日のあたりの強さも面白い。通常、アイドルと芸人が番組を作っていく上では、「泣かせないように」など、ある程度の配慮と気遣いが必要だと思うが(コント番組『ノギザカスキッツ』#20では、さらば青春の光・森田哲矢が、乃木坂46・新4期生の5人対し「くれぐれも泣かないで」と声を掛ける場面があった)、佐々木久美に強い球を投げても、必ず受け止めてくれるという信頼感があるからこそ、春日は思う存分強くツッコミを入れることができているのだと思う。先日の放送でも春日が「スタッフさんの手を煩わせたくない」と発言すると、若林が「わかりました。普段ね、煩わせているから」とコメント。この時点でも笑いは生まれていたが、さらに盛り上げようと、佐々木久美が絶妙なタイミングで「確かに」とガヤを入れた。これに春日は「確かにじゃねぇよ!」と激怒し、収録現場はさらに熱を帯びていったのだ。この時の佐々木久美の笑顔が、春日との良好な関係性を物語っていたように思う。

 春日はこれまで一般的にドケチキャラとして知られてきたが、日向坂46メンバーに対しては太っ腹な印象がある。売れっ子になってからも独身の頃は格安のアパートで生活し、2リットルのペットボトルに水道水を入れて、そこにテレビ局の楽屋にある飴を10個投入して節約ジュースを作ったりなど、数々の驚きのエピソードがあるが、『ひなあい』では100万円超えの自腹となったバーベキュー企画をはじめ、先日の「所沢フレンドリーパーク」企画など、要所要所で身銭を切っている。春日の絶対的推しメンの丹生明里をはじめ、春日派の齊藤京子や高瀬愛奈など、番組で共演する日向坂メンバーには男気を見せたいという現れなのか、その姿はどこか新鮮だ。

 夫婦揃ってライブ観戦するなど、すっかり“おひさま(日向坂46ファンの呼称)化”した春日。収録現場ではひたすらニヤニヤしたり、ゲラゲラと笑ったり、人一倍大きなリアクションをとっている印象がある。そんな何でも受け止めてくれる春日がいるからこそ、日向坂46メンバーも思い切って収録に臨むことができているのだろう。この先、オードリーと日向坂46で、どんなお笑い名シーンを生み出してくれるのか。引き続き、注目したい。

■中山洋平
1983年生まれ。フリーランスの編集・ライター。ボウリング、洋服、ギター、サウナ好き。Twitter

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