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古畑星夏の“悪役”ぶりが話題に 『半分、青い。』すれ違っていく鈴愛と律

リアルサウンド

18/6/10(日) 6:00

 『半分、青い。』第10週「息がしたい!」は、鈴愛(永野芽郁)と正人(中村倫也)、律(佐藤健)と清(古畑星夏)、それぞれが大切な時間を育み始めた月曜日から、律を巡る鈴愛と清のドロドロの言い争いへと発展する土曜日まで、まさに急転直下の週であった。

 特に、鈴愛と清の少しずつ溜まっていた膿を全て出し切るような醜い口喧嘩は、朝から見ていて辛くなるほど。清の恐ろしいほどの嫉妬心と、心の支えである“私の”律を奪われた鈴愛。2人が初めて対峙するのは、喫茶・おもかげでだが、律を介してマウントの取り合いは見えないところで始まっていた。

 清は律の左手の薬指の爪に、自分と同じすみれ色のマニキュアを塗る。エリートとして育ってきた清にとって、律は自分と同等の一緒に歩いていて恥ずかしくない相手。律が清を運命の相手と思い続けてきた以上に、清にとっても律は運命の相手であり、自分を高尚な人物として保つことができる彼なのだろう。そんなときに現れる、律と知らない女性・鈴愛が楽しそうに笑う、梟会での写真。おまけに、相手の母親とまで親しげに話す律に、清は気が気ではない。

 一方の鈴愛は、正人とあえなく失恋。そんなとき、支えになるのはやはりマグマ大使の律だった。けれど、律の左手の薬指には、すみれ色のマニキュア。そして、「清」と、律が自分以外の女性を呼び捨てにするのは初めてだった。秋風塾でのアイデア出し「最近心に刺さったこと」で、鈴愛は律の1本だけの爪の色を挙げる。「自分の心を見つめ続けることが創作の原点なら、これは苦しい仕事ではありませんか?」、そう言って鈴愛が本心と向き合っているとき、場面は、すみれ色で塗られた律の左手薬指が、私の11本目の指と話す清と律のシーンに切り替わる。西日が差す部屋に乱れたベッドと、律の部屋着を着る清、おもむろに律が手渡すペットボトルは、律が一つ大人になったことを物語っていた。

 鈴愛と清が初めて顔を合わせるおもかげでは、「ここ、ケチャップついてるわよ」と清が先手を打つ。鈴愛が自分を描いた絵に対しても、「ううん。上手だったわよ」と答えることで、自身が上であることに加え、律に絵を見せてもらった、つまり部屋に上がったということを直感的に悟らせている。そして、最大の山場である律の部屋での口論。ベランダから鈴愛と裕子(清野菜名)に向かって「どうぞ上がって。玄関開けるから」と、あたかも自分の家のように話す清の態度は、裕子が同棲しているのか思わず聞いてしまうのも無理はない。

 「律に私の知らない時間があるのが嫌なの。それは過去でも」と深い独占欲を誇示して見せる清は、梟会の写真を剥がそうとする。その行動に鈴愛の思いはついに爆発する。「律が悲しがるからやめて!」「消えろよ!」「なんで律にまでマニキュア塗るの! 気持ち悪い!」「律を返せ! 律は私のものだ! 生まれたときから律は私といたんだ! 律を返せ!」。清に突き飛ばされた鈴愛は、勢い余って自らの手で梟会の写真を破いてしまう。「自分で破ってる。オウンゴールだ」。間、間に挟まれる清の高らかな笑い声も不気味さを増幅させており、演じる古畑星夏も番組公式サイトでのインタビューで答えている通りに、一言で例えるならば“悪役”。鈴愛を見下すその姿には、恐怖すら覚える。

 律が戻り、鈴愛が家を出て行くとき、本来の目的である「律……お誕生日おめでとう」を言ったのは、せめてものプライドだろう。第10週は、鈴愛に律から電話がかかってくるところで終了となるが、一つだけ持ちきりの伏線がある。それは、鈴愛が短冊に書いた願いごとだ。「~トを~ように!! スズメ」という文字、そしてボクテ(志尊淳)が見せた困惑の表情が意味するものとは……。(渡辺彰浩)

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