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Sexy Zone 菊池風磨×SixTONES 高地優吾は真実と向き合えるか 『バベル九朔』物語の核心へ迫る

リアルサウンド

20/12/7(月) 10:00

 日本テレビのシンドラ枠で現在放送中の『バベル九朔』。ストーリーは後半戦へと突入し、いよいよ物語の核心へと迫ってゆく。

  12月7日放送の第8話では、第3話で“バベル”に取り込まれ、現実世界から存在そのものが消えてしまった健(高地優吾)が再び登場。これまで謎に包まれていた“バベル”内部を舞台に物語が進む。今後への布石となる重要な回だ。

 万城目学の同名小説を実写化した本作。“万城目ワールド”とも呼ばれる不思議な世界観を、巧みな映像効果によって奇妙かつリアルに表現されており、自分自身も異世界に放り込まれたような臨場感と、クセになる違和感がある。

 脚本家志望の主人公・九朔満大(菊池風磨)が、1年間限定で管理人を務めることになった雑居ビル「バベル九朔」。そこには、現実とは似て非なる並行世界“バベル”が存在していた。ひょんなことから満大は、現実と“バベル”を行き来することになる。

 物語の本筋はミステリーながら「バベル九朔」にテナントを構える個性豊かな人々と満大が繰り広げる日常のかけ合いは、ほっこりとユーモラス。しかし、テナントの誰もが胸に言い知れぬ想いを抱えていた。夢、理想、失ったもの、本当に欲しかったもの……。笑顔の下に隠した、愛すべきキャラクターたちの苦悩や過去に、満大は向き合っていく。

 『バベル九朔』は、シリアスなミステリーと人間ドラマの両側面が“すべてビルのなかで完結する”、異色の物語だ。

「現実世界で夢を諦めてしまった人は“バベル”に取り込まれる」
「“バベル”は、人間の無駄な時間(=夢を追う時間)をエネルギーにする」

“バベル”……欲望が叶う、偽りの世界。記憶さえすり替わり、欲しかったもの、なくしたものが手に入る。“くらまし”と呼ばれる化け物が、その人にとって大切な相手になりすまし、“バベル”の世界へ取り込もうと甘い言葉でそそのかす。

 迷い込んだ人間は、理想のままのこの素晴らしき世界こそ現実と信じて疑わない。“バベル”に残るか、現実世界へと戻るかは、本人の意志次第だ。「ここにいる」と本人が望めば、そのまま“バベル”の餌食となる。次々と“バベル”に迷い込んでゆくテナントの人々に対し満大は、ときに辛い真実を突き付け、ときに優しく諭すことで、どうにか現実世界へと引き戻してきた。

 公式サイトにある「夢を捨てる覚悟はあるか?」という文言。放送回ごとに異なる意味をもって、この胸に問いかけてくる。夢を抱き、追い求める時間は無駄なのだろうか。欲望が叶う、理想の世界を捨ててでも選んだ現実に、本当に希望はあるのだろうか。自分は懸命に生きているだろうか、もがいて足掻いて、前に進んでいるだろうかと。

 エンディングで流れるSexy Zone「NOT FOUND」の歌詞もまた、夢追う者の心に刺さる。

 第7話では、カラス女(青野楓)が探し求めている「扉」を見つけるべく、ともに3階テナントの歴史を振り返った満大。

「扉は“バベル”の中心部に繋がっている。“バベル”を消滅させるには、そこにあるタネを破壊しなければならない」

 カラス女が“バベル”を消滅させようとしている理由は分からぬまま、時代を遡り、二人は3階最古のテナント「画廊 九朔」へ。そこに待ち構えていたのは、満大の高祖父である“大九朔”。カラス女は彼と深い因縁があるようだが、大九朔の言葉に心揺さぶられ、禁断の言葉を口にしてしまう。かくして、カラス女までも“バベル”に取り込まれてしまった。

 第8話冒頭では、これまでの出来事を満大が振り返る。菊池は、声色や、目を伏せる表情、手を止める仕草で、満大の複雑な心境を演じている。

 テナントの人々が、人知れず心に抱えていたもの、求めていた理想の世界、現実とのギャップ。みな一度は“バベル”に取り込まれたものの、己の欲望を通して過去と向き合い、現実世界で生きる道を選んだ。満大が心を痛めるのは、唯一、引き戻すことができなかった相棒・健の存在。健をバベルに取り込まれまいと、必死につかんだはずの手がほどけた。あの瞬間の感触を忘れることができず、満大の手に出来た傷も未だ、癒えずにいた。

 そのころ“バベル”内部では、健がカラス女と遭遇する。ひとり彷徨っていたという健は、カラス女と出会い、自身が“バベル”に取り込まれた理由を知る。図らずも行動をともにする二人だが、見えない壁に閉ざされた“バベル”内部から脱出する手立ては見つからないまま、複数の“くらまし”に四方を囲まれてしまう。襲いかかる“くらまし”から身を守ろうとした健に、思いもよらない事態が。果たしてそれは、脱出のカギとなり得るのか。物語は、重要な局面を迎える。

 謎はまだまだ残されている。失踪したはずの父(上地雄輔)が“バベル”にいる理由、消えた少女(川上凛子)の行方、カラス女の目的、そもそもなぜ“バベル”は作られ、今なお存在するのか。そして、健は現実世界に戻ってくることができるのだろうか。いよいよ、満大自身も夢と向き合う時がやってくる。クライマックスはここからだ。

※高地優吾の「高」ははしごだかが正式表記。

■新亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。Twitter

■放送情報
『バベル九朔』
日本テレビにて、毎週月曜深夜24:59~放送
※Huluでも配信
出演:菊池風磨(Sexy Zone)、高地優吾、池田鉄洋、佐津川愛美、前原滉、アキラ100%、村松利史、上地雄輔ほか
原作:万城目学(角川文庫/KADOKAWA刊)
脚本:田中眞一 吹原幸太
監督:筧昌也、田中健一
音楽:野崎美波
チーフプロデューサー:福士睦
制作プロダクション:ダブ
(c)NTV・J Storm
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/babel/
公式Twitter:@babel_ntv
公式Instagram:@babel_ntv

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