ANNA/アナ
20/6/4(木)

リュック・ベッソンの新作。いろいろな作品を手がけている彼だが、今回は脚本・監督・製作を務め、『レオン』や『ニキータ』など彼の初期の作品に通じるような実に濃密なサスペンスに仕上げている。ロシアからファッションモデルとしてパリに送り込まれる女スパイに扮するのは実際にロシア出身のトップモデル、サッシャ・ルス。だからファッションのシーンでの違和感は全くない。ただ、いつも外国のファッションショーを見ていて思うのは「あの出てくるモデルはキレイなの?確かにスタイルはいいけどね」なのだが、このルスもよく見るときれいなのかどうかわからない、スタイルはいいけどね。でも、この映画の中ではすご腕のスパイとしてアクションもこなしながら、KGBに死ぬまで拘束される不自由さに悩むひとりの女としての葛藤をうまく演じていた。アクションシーンはやっぱりベッソンらしくよくできているが、彼女は1年も特訓したという。その成果がよく現れている。ヘレン・ミレン(この人は本当にうまい!)の最初の登場シーンは誰だかわからなかったが、やはりいい味を出している。最後までハラハラしながら楽しめた。なかなか、お薦めです。
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