【問題】
仕事(学校)からの帰り道、人の気配はなく、疲れて歩いていると、目の前に小高い丘がありました。ちょっと立ち寄ってみることにしたアナタの頭上には、満点の星空が広がっています。大きく息を吸い込んだアナタが見た月は、どんな形をしていますか? 以下の4つの中から選んで下さい。
アナタが選んだ月の満ち欠けで、今のアナタのストレス度が分かる心理テスト。
たくさんの人と出会う毎日の中で、自分自身の心の状況を理解しておくことはとても大切。自分に優しくなれたら、きっと人にも優しくなれるはず。今の自分の心と向き合ってみてはいかがですか?
Aを選んだアナタは
変化を求めているとき
切ない気分に浸りたい反面、今の状況にあまり不満はないアナタ。でも心の中では、安定した日々だからこそ、変化を求めているようです。そんなときは、舞台や映画を観に行って、ドラマティックを疑似体験するのがオススメ。もしくは思い切って海外へひとり旅に行ってみると、新たな考えが生まれたり、発想の転換に役立つかも。
そんなアナタには、一見関係のない4人がパズルのようにハマっていく、中国の天才新人監督の遺作となった『象は静かに座っている』で、日常の中に潜む逃げ出せない現実からの逃亡がオススメ。
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Bを選んだアナタは
今の状況を変えたいとき
今の状況を変えなければと、密かに動いているアナタ。この先の未来に不安を抱いているならば、さまざまな人と会い、話を聞き、相談してみるのがベスト。仕事でも恋愛でも、自分の魅力を客観視することで、自分が気づかなかった才能を知ることができます。面倒だと思わず、興味ある仕事をしている人の連絡先を聞いてコンタクトを。
そんなアナタには、大人気シリーズの最新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』で、最新技術を駆使した映像や激しいアクションを目にし、やる気スイッチをオンにするのがオススメ。
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Cを選んだアナタは
心満たされているとき
人生のやり残しを楽しもうとしているアナタ。旅行をする、美味しいものを食べる、など、仕事とは別のことで、心満たされていきます。行ったことのないお店へ行くなどして、仕事とは関係のない友を作ることで、新しい扉が開けるはず。結果的に、その出会いが自分の人生に輝きを与えてくれ、人のために何かをする喜びも得ることに。
そんなアナタには、誰かのために働くことを選んだ人々の学びを追うドキュメンタリー『人生、ただいま修行中』で、自分自身の仕事のスタンスについて見つめ直してみるのがオススメ。
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Dを選んだアナタは
心身共に疲れているとき
心も身体も疲れているアナタ。そんなときこそムリは禁物。ゆっくり休むことが大事ですが、誰かに癒してもらうのが一番の特効薬。静かに愚痴を聞いてくれる人、カラッと明るい人と過ごすことで、心癒され、エネルギーチャージにもなります。逆にネガティブな人、否定的な人とは距離をあけないと心がパンクしてしまうので注意を。
そんなアナタには、スカッと笑える『ゾンビランド:ダブルタップ』で、ゾンビと戦う人々の姿に笑いながら、思いっきり現実逃避してストレス解消をすることが何よりオススメ。
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Eを選んだアナタは
新しい自分に目覚めたとき
新しい自分に目覚めたばかりのアナタ。今までの生き方、考え方とは違う、良い意味で生まれ変わる人生のターニングポイントに。心は満たされてもいるので、新しい考えが自然と湧いてきて、多くの人の役に立つ存在になるでしょう。困った人に手を差し伸べること、誰かの話を聞いてあげることで、感謝が形になって返ってきます。
そんなアナタにオススメするのは、ユアン・マクレガー主演作『ドクター・スリープ』。特殊な力で人に安らぎを与える主人公が体験するサスペンスホラーで、新たな能力を覚醒させて。
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伊藤さとりの今月のオススメ心理映画
『マレフィセント2』に見る子育ての裏テーマとは?
原作『眠れる森の美女』とは
アンジェリーナ・ジョリーが、ディズニーキャラクターで大好きなマレフィセントを自らプロデューサーにもなり実写化した『マレフィセント』(2014)。
『眠れる森の美女』のヴィランであるマレフィセントの今回のお話は、完全オリジナル! 前作も、ベースとなる『眠れる森の美女』とは異なるストーリー。
原作では、マレフィセントはオーロラ姫をさらって育てることもなく、呪いをかけられたオーロラ姫は、まんまと糸車の針で深い眠りに落ちてしまい、お城で眠り続けます。それを救うのは真実の愛によるキスですが、阻止しようとするマレフィセントは、お城に入れなくしようと魔力でお城をイバラで覆ってしまい、自らもドラゴンに変身して戦いに挑むというお話。
これを実写化するうえで、アンジェリーナ・ジョリーの視点が随分と反映され、Part1では、マレフィセントが子育てをするという新しい物語が生まれたわけです。ではどうしてそんなことを思いついたのか?
アンジー自身、自分の中にマレフィセントが存在したと言っていることがすべてであり、それ自体が大きく影響を及ぼしているのです。
アンジーの人生が反映しているマレフィセント
彼女は、俳優ジョン・ヴォイトの娘ですが、やがて両親は離婚。イジメに合ったり、鬱になり、自傷行為を繰り返したりと、人間の辛い感情も経験したに違いない。そんなとき、『トゥームレイダー』の撮影でカンボジアに行った彼女は、目にした状況から難民支援に興味を持ち、慈善活動を積極的に行い、養子として3人の子を引き取り、後の配偶者ブラッド・ピットとは3人の子を設けています。
そんな彼女が、マレフィセントに自分を投影したと言っても過言ではない、『マレフィセント1&2』。
新作『マレフィセント2』では、より色濃くアンジーの生き様や、世界平和、人類愛が反映されております。
アンジーが子育てから学んだ人間学
「家族というのは、血で繋がっていなくてはいけないというわけではありません。私たちがひとつになれたときこそ、強くなれるというメッセージがこの作品に込められています」
来日時、そう語っていたアンジー。
映画を観ると、血が繋がっていないマレフィセントとオーロラ親子の心の絆と、血が繋がっている親子関係も描かれていて、家族の形は、血だけではないということ、妖精たちも姿は違えど仲良く共存しているということ、そして妖精と人間との戦いを描くことで、種族の違いだけでいがみ合うことの愚かさを綴っているのです。
来日するたびに、女優としてだけではなく、人として世界の平和を強く願い、人道支援にも精力的に活動するアンジーの発言に、“人としての在り方”を深く考えさせられます。
『マレフィセント2』は、母と子の物語でありながら、実はもっと大きなテーマである“愛し合い、許すこと”という社会的なメッセージも詰まっています。
アンジーが思う家族とは“地球規模”。
母親は完璧ではないということ、過ちも犯すし、子供に優しくなれないときもあるということ。けれどそれは、親子間だけではなく、国と国との関係でも言えること。彼女が『不屈の男 アンブロークン』を監督した思いと変わらず、反戦という強いメッセージと、“人の弱さを許せる心”を信じたいという願いが根底にあるから、愛に満ちたマレフィセントが現代のスクリーンに姿を現したに違いないのです。
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プロフィール
伊藤さとり(いとう・さとり)
邦画&洋画の記者会見や舞台挨拶を週5回は担当する映画MCであり、年間500本以上は映画を見る映画コメンテーター。TSUTAYA店内放送「WAVE-C3」で新作DVD紹介のDJ、ケーブルテレビ無料放送チャンネル×ぴあ映画生活×Youtube:動画番組(俳優と対談)「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、雑誌「シネマスクエア」コラムや、デイリースポーツでスターの魅力コラム連載、スターチャンネルで映画紹介他、TV、ラジオ、雑誌、WEBなどで映画紹介のレギュラーを持つ。心理カウンセリングも学んだことから映画で恋愛心理分析や心理テストも作成。