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ACIDMAN、さなり、Stray Kids……独自のサウンドアレンジとメッセージ性 新譜5作をピックアップ

リアルサウンド

20/6/2(火) 12:00

 緊張感と解放感を併せ持ったアンサンブル、神話的な歌詞の世界で支持を集めるACIDMAN、最新鋭のヒップホップをポップに昇華した次世代ボーイズグループ・Stray Kids。独自のサウンドアレンジとメッセージ性を持ったアーティスト5組の新作を紹介!

(関連:ACIDMAN「灰色の街」トレーラー

●ACIDMAN『灰色の街』
 2019年10月から12月にかけて開催された、ACIDMANのメジャーデビューアルバム『創』再現ツアー。このツアーで初めて披露され、ファンの間で大きな話題を集めたのが、ニューシングルとしてリリースされる『灰色の街』の表題曲だ。曲の幕開けは、アコースティックギターの素朴な響き、そして〈灰色 灰色の街の中/僕らは夢を見た〉というライン。生々しい3ピースのアンサンブル、壮大なストリングス、そして、リアルな生活と神話的なスケール感をつなぐメロディからは、ACIDMANの独創的な音楽世界がさらに豊かに広がっていることがわかる。いつか消えてしまうことがわかっていても、君に思いを馳せ、世界を染めるような歌を響かせたい……そんな思いを反映させた歌詞も素晴らしい。楽曲が制作されたのはおそらく2019年だと思うが、〈明けてゆく夜空を信じたなら〉というフレーズは、混迷を極める2020年にこそ映える。カップリングには、「創」再現ツアー最終公演の全楽曲を収録。

●go!go!vanillas『アメイジングレース』
 2018年12月に長谷川プリティ敬祐(Ba)が交通事故に遭い、約10カ月間の治療、リハビリを経て、昨年10月のZepp Nagoya公演から復帰。約1年ぶりの新作となるgo!go!vanillasのニューシングル『アメイジングレース』は、再び4人で音を鳴らせることの喜び、未来に向かう躍動感に溢れている。表ロックンロール、シャッフルを軸にした飛び跳ねるバンドサウンド、そして、〈僕らの未来に賭けてみよう〉というフレーズ。リスナーの心と身体を踊らせる表題曲は、苦難を乗り越え、新たなキャリアを歩み始めた4人の現状がそのまま刻み込まれていると思う。エレクトロ、ヒップホップ的な音響とともに、銭湯、サウナへの愛を歌ったダンスチューン「TTNoW」、柳沢進太郎(Gt)がバニラズへの強い愛を炸裂させた「ノットアローン」など、カップリング曲も魅力たっぷり。

●milet『eyes』
 「inside you」(TVドラマ『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』OPテーマ)、「Tell me」(『Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』SPテーマソング)などの話題曲を次々と発表、独特のエキゾチズムをたたえた歌声と世界基準のサウンドメイクによって大きな注目を集めてきたmiletが、最初の集大成となる1stフルアルバム『eyes』をリリース。Toru(ONE OK ROCK)のプロデュースによる「Somebody」は、煌びやかなダンストラックと土臭いメロディが共存する楽曲。そして、Kamikaze Boy(MAN WITH A MISSION)が提供した「Grab the air」は、エモーショナルな歌声を活かした壮大なナンバー。優れたクリエイターとのコラボレーションによって彼女は、シンガーとしてのポテンシャルを高め続けている。ぜひ、海外のシーンでも評価されてほしい。

●さなり『Hero』
 中学生でオリジナル音源を作り始め、SKY-HIのプロデュース曲「悪戯」を含む1stアルバム『SICKSTEEN』を昨年6月にリリースした2002年生まれのさなりから、初のパッケージシングル『Hero』が到着。岡田健史主演FODドラマ『いとしのニーナ』の主題歌としても話題の表題曲は、ジャズテイストの冒頭から一転、しなやかなビートと〈繰り返される罪の中できっと〉というフレーズが鳴り響くダンサブルな楽曲。厚みのあるグルーヴをたたえたトラック、芯の太さとセクシーな表情を共存させたボーカルが溶け合うこの曲は、さなりの音楽性が急速に広がり続けていることを証明している。17才になり、少年から青年に変わっていく季節とリンクしながら彼は、アーティストとして確実に成長しているようだ。

●Stray Kids『TOP -Japanese ver.-』
 2017年にサバイバルリアリティ番組で選抜されたメンバーにより結成されたボーイズグループ、Stray Kids。2019年にワールドツアーを行い、日本でも国立代々木競技場第一体育館で単独公演を成功させた彼らの日本1stシングル『TOP -Japanese ver.-』には、韓国発のウェブコミックのアニメ版『神之塔 -Tower of God-』の主題歌2曲を収録。オープニング曲「TOP -Japanese ver.-」は、荘厳なストリングスに導かれ、重厚にしてアグレッシブなトラック、強靭なラップと美しいサビメロが響き渡る。エンディング曲「SLUMP -Japanese Ver.-」は、鋭利で浮遊感のあるギターサウンドを軸にしたサウンドと憂いを帯びたボーカル/ラップが融合した楽曲。音楽性の高さ、各メンバーのパフォーマンスを含め、完全に世界標準だ。(森朋之)

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