9月7日に東京・TSUTAYA O-Crestにてゆくえしれずつれづれのワンマンライブ「英艶奴 脱退LIVE」が行われた。

この日のライブをもってメンバーの英艶奴が脱退することが発表されており、会場には数多くの群青（ゆくえしれずつれづれのファンの総称）が集結した。客電が落ち、4人が肩を並べてステージ前方に並び「逝ってきます」のひと言でライブがスタート。「Call my name Miss Felis」のイントロが鳴り始めると◎屋しだれ、まれ・A・小町、メイユイメイの3人はステージ後方に下がり、1人ステージ中央に残された艶奴は、メンバーに見守られながらこの曲をしっかりと歌い上げた。「今日で英艶奴は脱退します。最後の最後までお付き合いお願いします」という短い挨拶のあとにはメンバー4人による「六落叫」が披露され、会場内のテンションは一気に急上昇。◎屋しだれが「つやちゃんを送り出す準備はできてるかー！」とフロアを焚き付けると怒号のような声が上がり、クラウドサーファーが続出するなど、ライブは序盤から熱狂的な盛り上がりを見せていた。

フロアから自然と“艶奴コール”が上がった「新宿シネマコネクション」、4人が最前列の柵から身を乗り出すと艶奴の前にオーディエンスが殺到した「春夏秋闘」などを経てライブは中盤へ。「MISS SINS」のメンバー同士が向かい合う振り付けでは、メンバーと目を合わせた艶奴が照れくさそうに微笑みを浮かべるひと幕もあった。「Phantom Kiss」で4人が拳を掲げると群青たちも拳を振り上げ、会場内にシンガロングが響きわたる。自己紹介以外ではMCを挟まずに楽曲を届けていた彼女たちだが、「Exodus」歌唱時には艶奴が「2年4カ月楽しかった。最後までよろしく」と笑顔でひと言だけコメント。本編最後の曲「Helpless」を歌い終えるとフロアからは万来の拍手が巻き起こり、4人は深々とお辞儀をしてステージをあとにした。

群青たちの熱烈なアンコールに導かれてステージに再登場した4人は、グループのデビュー曲「凶葬詩壱鳴り」でライブを再開させる。彼女たちの熱演に応えるようにフロアからも怒号のようなコールが上がり、会場内は再び熱気に満ちあふれた。「さよなら また会う日まで『じゃあね』」という歌詞が含まれる「Doppelganger」歌唱時には、感極まった◎屋が涙をこらえながら歌声を届け、それに釣られてフロアには涙を流して彼女たちのパフォーマンスを見守る群青の姿もあった。計20曲が披露されてもフロアの熱気は冷めやらず、ダブルアンコールでは艶奴が1人でステージに立ち、脱退前の挨拶をすることに。「実感が湧かなくて全然泣けなかった」と笑顔で話し始めた彼女は2年4カ月にわたったつれづれでの活動を振り返り、「長かったのかな？ あっという間でした。今は解放されるなと思いながら寂しい気持ちもあります」と正直な感想を口にする。グループを牽引する◎屋に対し、彼女は「人一倍つれづれのことを思っている。艶奴にはできなかったことだから、しだれは本当にすごい」と言葉を贈り、「メンバーにはいつでも会えるから悲しくない」とステージ袖で涙を流すメンバーに言い聞かせるように自身の思いを伝えた。

「普通に生きてたらできないことを経験させてもらったこの2年4カ月、最高でした。ありがとうございました」という挨拶ののち、艶奴はソロでこの日2度目の「Call my name Miss Felis」を歌唱。本編ではもみくちゃになってライブを楽しんでいた群青もここではじっと彼女のパフォーマンスを見守っていた。最後に4人で「六落叫」で声を合わせたところで脱退ライブは終幕。フロアの群青から贈答品を受け取った艶奴は、最後の挨拶として「これからもゆくえしれずつれづれをよろしくお願いします」と呼びかけてゆくえしれずつれづれを脱退した。

ゆくえしれずつれづれ「英艶奴 脱退LIVE」2018年9月7日 TSUTAYA O-Crest セットリスト

01. Call my name Miss Felis
02. 六落叫
03. Loud Asymmetry
04. つれづれ賛歌
05. 行方不知ズ徒然
06. 新宿シネマコネクション
07. 春夏秋闘
08. 俗世戒
09. MISS SINS
10. Phantom Kiss
11. Ideology
12. ポストカタストロフ
13. 我々
14. Exodus
15. Paradise Lost
16. Helpless
＜アンコール＞
17. 凶葬詩壱鳴り
18. 逝キ死ニ概論
19. JUDAS
20. Doppelganger
＜ダブルアンコール＞
21. Call my name Miss Felis
22. 六落叫

※「Doppelganger」の「a」はウムラウト付きが正式表記。