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新しい地図、『ななにー』で伝えた“新時代”の訪れ フワちゃんらとの交流、エンタメの可能性……変化の先に見出すより良い未来

リアルサウンド

20/6/8(月) 6:00

 稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾による、『ななにー』こと『7.2 新しい別の窓』(ABEMA)の#27が、6月7日にオンエアされた。毎月第1日曜日、7.2時間の生放送というスタイルを継続してきた『ななにー』。この番組だからこそ、毎回“今”をダイレクトに感じられる。

 新型コロナウイルスの影響により、先月は3人がそれぞれ別の場所からのリモート放送となったが、今月は久しぶりに顔を直接合わせることができた。とはいえ、見えないウイルスの脅威が消えたわけではない。ソーシャルディスタンスを保ち、3人やゲストの間は適宜、透明なボードで隔てられている。

 きっとこの先も、元の生活に完全に戻ることはないだろう。しかし、それは視点を変えれば、新しいワクワクを生み出せるチャンスにもなる。そんな「ウィズコロナ」を歩みだす私たちに、3人の笑顔がまた勇気と前向きな気持ちを届けてくれる放送となった。

(関連:新しい地図『7.2 新しい別の窓』ABEMA担当者が語る、番組作りを通じて再確認できた3人の輝き

■新時代のキーワードは「エンタメ×新異業種コラボ」

 「『ななにー』日和だね」ーー厳しい外出自粛モードから、徐々に新しいフェーズに移り変わったことを象徴するように、オープニングは3人が屋外で太陽を浴びながらのスタートだった。稲垣の日傘男子は今年も健在。久しぶりの対面に草なぎが「稲垣吾郎くんの存在忘れちゃったよ(笑)」と冗談を飛ばすシーンも飛び出す。だが、STAY HOMEを通じて、香取には大きな変化があったようだ。長らく運動を全くしなかった香取が、ラジオ体操に始まり、ストレッチやヨガをたしなむようになっていた。さらに、この日も「エアロバイクを漕いできた」というから驚きだ。「これが2人の言ってた運動の気持ちよさ」だと気づいたと語る香取。

 『ななにー』ではそうした変化を恐れず、次に生かしていこうと呼びかける。なかでも興味深かったのが経済学者・岸博幸氏の提案だ。停滞した経済を大きく動かしていく中心を「エンタメ」が担うと力説する。K-POPアイドルが積極的に取り組んでいる3DやARなど最新技術を取り入れたオンラインライブ、ゲーム『あつまれ どうぶつの森』が行なったファッションブランドのデザイン配布などを例に、「エンタメ×異業種のコラボ」が今後のキーワードになってくるのではないかというのだ。

 これを前のめりで聞き入るのが、長年ライブ演出を手がけてきた香取。さらに、アートやファッションブランド「JANTJE_ONTEMBAAR」も手がけていることから「これ(デザイン配布)をやるには言えばいいんですか?」とノリ気な姿を見せてくれるのも頼もしい。ファンミーティングもソロコンサートも中止という苦渋の決断を強いられてきただけに、きっと次のイベント企画に生かされるに違いない。

 考えてみれば、稲垣はグルメ、小説、映画、花、カメラ。草なぎもギター、運動、デニム、ペット、料理……と、彼らはすでに「アイドル×新ジャンル」の開拓者だった。新時代のエンターテインメントも、彼らの「好き」からたくさんの「ワクワク」が広がっていくのではないだろうか。

■新時代のエンターテイナーたちとの交流も

 新しい価値観へのアップデートが必要な今、彼らは「はじめまして」のゲストを積極的に招いていく。3人が国民的アイドルとして長きに渡って愛されているのは、きっと人生の先輩方へのリスペクトはもちろんのこと、若き世代にも変わらず尊敬の気持ちを示しているからだ。

 特に、お笑い第7世代と呼ばれているEXIT、人気YouTuberのフワちゃんに対する反応は、そのスタンスが顕著だった。常にアンテナを広げて情報収集している香取は、チャラ男キャラでブレイクしているEXITの動画もしっかりチェックしていたようで「すっごい見てる! 上手!」と大絶賛。また、底抜けに明るいフワちゃんについては、草なぎが「すごく好き」と興味津々。「あとでうちに行くね」というタメ語でのコミュニケーションも「別にいいけど(笑)」と全く抵抗がない。

 一方で、「僕は……ないです。すごい苦手。どう接していいかわからない」と引き気味だったのは稲垣。きっと多くの大人が、最初は稲垣のような感情を持つのではないだろうか。だが、稲垣は「苦手」とは伝えながらも、決して拒否はしない。EXITから「&G(アンジー)さん」と、2004年にソロでリリースした「Wonderful Life」でのアーティスト名義で呼ばれると嬉しそうに笑顔を向ける稲垣。またフワちゃんがふいに「吾郎ちゃん」と口走り、「1人だけちゃん付けでごめんなさい(笑)」というと、またもやまんざらでもない様子。

 最終的には、「すぐ好きになってくれる」と2組からすっかり懐かれてしまう稲垣。フワちゃんの無茶振りともいえる「足と間違えて手で靴を履いちゃう」ポーズにも全力で取り組み、人狼ゲームでは「私は市民です!」の宣言をEXITを真似てギャル男風にしてみたりと、彼らとの交流を楽しんでいる様子が微笑ましかった。

 EXITとフワちゃんが繰り出す新しい笑いを見て「時代は変わったんだね」と感心する香取。それにフワちゃんが「大爆笑じゃなくて、クスクスでいいの」という掛け合いも感慨深いものがあった。長い人生には、これまで自分がよしとしてきたことが、塗り替えられる瞬間がある。香取や草なぎのように、すぐさま受け入れることができればハッピーだが、稲垣のように「苦手」と感じることもあるだろう。しかし、すぐさま拒否することなく、好きになる要素を探すこと。それが、新たな価値観にふれる機会が多いこれからを、心地よく過ごしていくために必要なスタンスなのではないかと考えさせられた。

■心の歌で時間旅行する余裕も

 この日、ラストに行われた久しぶりの「ななにーSPライブ」で披露されたのは「君がいるだけで」(1992年、米米CLUB)、「空も飛べるはず」(1994年、スピッツ)、「ガッツだぜ!!」(1995年、ウルフルズ)、「上を向いて歩こう」(1963年、坂本九)、「雨上がりのステップ」(2018年、新しい地図)とちょっぴり懐かしいナンバーだった。

 長く生きていれば、“あの時代がよかった”なんて振り返りたくなるときもくる。先の見えない新時代で試行錯誤していればなおさらだ。新しいものを受け入れ変化していくには、パワーがいる。そんなときに、少しだけその良き時代に連れて行ってくれるのが、心の歌。旅行にはなかなか出かけられない今、少しだけ思い出の旅に出ることで、気分をリフレッシュすることができるのではないか。

 「上を向いて歩こう」では、草なぎが歌詞を飛ばす生放送ならではの場面も。「まちがえちゃったよ~」と歌う草なぎを見ながら、誰かがミスをしても笑顔でリカバリーできる余裕のある新時代がやってくることを願わずにはいられない。きっとそんな未来は、私たち1人ひとりの、言動一つひとつから作り上げられていくものなのだろう。次回、7月の『ななにー』まで、今よりももっと楽しく、もっと息のしやすい社会になっているように。一緒に、頑張りましょう。(佐藤結衣)

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