Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

第34回東京国際映画祭、東京グランプリは『ヴェラは海の夢を見る』が受賞! 観客賞に輝いた松居大悟監督は感涙

ぴあ

続きを読む

第34回東京国際映画祭のクロージング・セレモニーが11月8日、TOHOシネマズ日比谷で行われ、最高賞にあたる東京グランプリ / 東京都知事賞は、カルトリナ・クラスニチ監督による『ヴェラは海の夢を見る』(コソボ、北マケドニア、アルバニア)が受賞。昨年に引き続き、来日がかなわなかった受賞者たちからは、喜びのビデオメッセージが寄せられた。

今年のコンペティション部門は2021年1月以降に完成した長編映画を対象に、113の国と地域から1533本の応募があり、全15作品がエントリー。審査員長のイザベル・ユペールをはじめ、青山真治(映画監督 / 脚本家)、クリス・フジワラ(映画評論家 / プログラマー)、ローナ・ティー(プロデューサー / キュレーター)、世武裕子(映画音楽作曲家)が審査にあたった。日本からは松居大悟監督の『ちょっと思い出しただけ』、野原位監督の『三度目の、正直』がエントリーしていた。

コンペティション部門の審査及び映画祭を振り返り、ユペールは「最も印象に残ったのは多様性の豊かさだった」と語り、「現代文化における映画の位置づけを考えることが求められた。新進気鋭の監督たちの多様な作品と向き合い、社会の現状を見ることができた」と講評。東京グランプリに輝いた『ヴェラは海の夢を見る』をはじめ、「さまざまな困難に直面する彼女たちは決して被害者としては描かれていなかった。敵を見極め、戦い、勝敗は問わず、皆が未来に目を向けている」と話していた。

『ヴェラは海の夢を見る』は男性優位の環境に抵抗する女性を力強く描いたコソボの女性監督、カルトリナ・クラスニチのデビュー作。夫の突然の自殺の後、ヴェラは家がギャンブルの借金の抵当になっていたことを知らされる。

【『ヴェラは海の夢を見る』カルトリナ・クラスニチ監督のビデオメッセージ】
私の初長編『ヴェラは海の夢を見る』が東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されるとの連絡を受けたとき、大変光栄に感じました。東京と日本は私にとっては夢、そして夢のような映画の国です。また、この映画祭に初めて参加するコソボ映画だったということも大変光栄です。グランプリを受賞したことを知り、喜びのあまりに泣いてしまいました。本当にありがとうございます。審査員の方々、この物語を実現させるために一生懸命に働いてくれたチーム、キャスト、スタッフに感謝いたします。ありがとう東京、ありがとう日本。

【『ちょっと思い出しただけ』松居大悟監督の挨拶】
東京国際映画祭は4回目の参加で、両手に(トロフィーの)重さを感じているのがすごくうれしいなと思います。(涙ぐみながら)すみません。『ちょっと思い出しただけ』という作品は、この2年くらいの世界中の苦しい時間、悔しい時間をただ、悲しいこと、嫌なことではなく、人と会える瞬間のうれしさや鮮やかさを愛しく思えるように、過去と今を等しく抱きしめられるように作りました。前に進んでいってほしいという思いだったので、(受賞は)うれしいです。音楽を作ってくれた尾崎くん(クリープハイプの尾崎世界観)の主題歌によって、生まれた物語なんですけど、尾崎くんが明日誕生日なんですよ。明日、誕生日プレゼントとして伝えられるなと思います。

◇東京グランプリ/東京都知事賞:『ヴェラは海の夢を見る』(カルトリナ・クラスニチ監督 / コソボ、北マケドニア、アルバニア)
◇審査員特別賞:『市民』(テオドラ・アナ・ミハイ監督/ベルギー、ルーマニア、メキシコ)
◇最優秀監督賞:ダルジャン・オミルバエフ監督(『ある詩人 / カザフスタン)
◇最優秀女優賞:フリア・チャベス(『もうひとりのトム』 / メキシコ、アメリカ)
◇最優秀男優賞:アミル・アガエイ、ファティヒ・アル、バルシュ・ユルドゥズ、オヌル・ブルドゥ(『四つの壁』 / トルコ)
◇最優秀芸術貢献賞:『クレーン・ランタン』(ヒラル・バイダロフ監督 / アゼルバイジャン)
◇観客賞:『ちょっと思い出しただけ』(松居大悟監督 / 日本)

◇アジアの未来 作品賞:『世界、北半球』(ホセイン・テヘラニ監督 / イラン)
(長編映画3本目までのアジアの新鋭監督作品を対象とし、3名の審査委員による審査によって決定)

◇Amazon Prime Video テイクワン賞:『日曜日、凪』(キム・ユンス監督 / 日本)
◇Amazon Prime Video テイクワン賞 審査委員特別賞:『橋の下で』(瑚海みどり監督/日本)
(商業長編映画経験のない日本在住の映画作家を対象にし、15分以下の短編の審査によって決定される新人監督賞。5名の審査委員による審査によって決定)

取材・文・写真=内田涼

■開催情報
「第34回東京国際映画祭」
期間:10月30日(土)~11月8日(月)
会場:日比谷(東京ミッドタウン日比谷/TOHOシネマズ 日比谷、TOHOシネマズ シャンテ)、有楽町(東京国際フォーラム、有楽町よみうりホール、角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ有楽町)、銀座(シネスイッチ銀座)地区で開催
公式サイト:https://2021.tiff-jp.net/
オープニング作品:『クライ・マッチョ』(クリント・イーストウッド監督)
クロージング作品:『ディア・エヴァン・ハンセン』(スティーブン・チョボウスキー監督)

『ヴェラは海の夢を見る』
(C)Copyright 2020 PUNTORIA KREATIVE ISSTRA | ISSTRA CREATIVE FACTORY

『ちょっと思い出しただけ』
(C)2022『ちょっと思い出しただけ』製作委員会

アプリで読む