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GACKT、なぜバラエティ番組に引っ張りだこ? 『すべらない話』出演を機に考える

リアルサウンド

20/1/9(木) 6:00

 ここ最近、バラエティ番組でよく姿を目にするGACKT。毎年お正月恒例の『芸能人格付けチェック』(テレビ朝日系)はもちろん、2019年は『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)の「本音でハシゴ酒」や『しゃべくり007』(日本テレビ系)などでは恋愛に関する赤裸々トークを披露するなど、どの番組でも爪痕を残し、出演するたびにSNSやネットニュースを騒がせている。さらに、2020年1月11日には『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)への出演が決定。本来ミュージシャンであるGACKTが、なぜここまでバラエティ番組に引っ張りだこになっているのだろうか?

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 そもそも、GACKTとバラエティとの結びつきは、『うたばん』『HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP』『堂本兄弟』などのバラエティ寄りの音楽番組からではないだろうか。「君のためにできること」や「ANOTHER WORLD」などヒットソングを連発していた2000年代前半、GACKTは地上波の音楽番組に数多く出演していた。特に『うたばん』では、薄暗いスタジオで蝋燭や薔薇などに囲まれながら、GACKTが自身の面白エピソードを淡々と話すのが定番。幼少期に父親から受けたスパルタ教育の話や、「豚バラブロック出して」とスーパーマーケットのバックヤードまで入って要求したという伝説の“豚バラ”エピソード、ホテルでは全裸で過ごすGACKTが「ルームサービスが来た時に恥ずかしくないのか」と聞かれて「僕のはマグナムなんで」と明言を残した珍エピソードなど、記憶に残る回は挙げればきりがない。もちろんお茶の間でも大いに話題となっており、筆者も「昨日の『うたばん』見た? GACKTヤバかったね!」と、友人と騒ぎ立てたのをよく覚えている。アーティストとしてはこだわりが強く一見近寄りがたい雰囲気のあるGACKTが、彫刻のように美しい顔と美声で、ガンガン下ネタトークを繰り広げていく。そのギャップが生む面白さは、GACKTならではだった。

 2010年代以降にGACKTがバラエティ番組で残した功績といえば、やはり『芸能人格付けチェック』だろう。持ち前の知識を存分に活かし、個人62連勝という信じられない記録を成し遂げたGACKT。ここ数年はYOSHIKIや鬼龍院翔とタッグを組んで出演しているが、GACKTは組む相手によって自然と立ち振る舞いを変え、お茶の間の期待に応えているように思う。同年代の重鎮ロックミュージシャンであるYOSHIKIとは、控室でお菓子を食べたり自撮りをしたりお互いのサングラスを交換してつけてみたりと、普段は決して見られないお茶目な姿を披露。自身を敬愛する鬼龍院翔には、正解したら「たいしたもんだよ」としっかり褒め、音楽関係の問題で間違えたときは「ミュージシャンだぜ? お前。」と思い切り説教をかます。まさに師弟関係という言葉がぴったりだ。人並外れた知識量と的確な立ち振る舞いで、近年の“格付け”の見どころは、GACKTが占拠していたと言っても過言ではないだろう。バラエティ番組ではないが、2019年2月にニュース番組『とくダネ!』(フジテレビ系)でネギの食べ比べを行なった際のエピソードを付け加えておきたい。埼玉県の特産品である“深谷ネギ”と、激安スーパーで買った普通のネギを食べたGACKTは、正解の“深谷ネギ”を当てた上で「Bのネギ(普通のネギ)は、僕の好みです」「どっちとも美味しいですね」とコメントしたのだ。蔑ろにされがちなハズレ食材もさり気なくフォローするGACKTの人間性の高さが垣間見える瞬間であった。

 GACKTは、昨年ソロデビュー20周年を迎えたばかり。自身のエピソードを面白く話せるのは、彼の天性のものだと思うが、その他の並外れた知識量、求められている立ち振る舞いを察する能力、そして人間力。これらは、今まで積み重ねてきた人生経験、芸能経験によって培われたものではないだろうか。そしてそれこそが、彼がバラエティ番組に必要とされる理由だと考えている。(南 明歩)

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