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高橋一生はひと握りの存在? 『僕らは奇跡でできている』要潤が吐露した理想の生き方への葛藤

リアルサウンド

18/12/5(水) 6:00

 一時はどうなることかと思った一輝(高橋一生)と山田(戸田恵子)の関係だが、上手く収束したようで、いつもの微笑ましい二人の関係に元通り。一輝自身、公私ともに順調のようである。

 12月4日に放送された火曜ドラマ『僕らは奇跡でできている』(カンテレ・フジテレビ系)第9話では、一輝と育実(榮倉奈々)がこれまで以上に急接近。そして、樫野木(要潤)とは大きく衝突する。

【写真】クリニックでの育実(榮倉奈々)の様子

 育実との急接近のきっかけとなったのは、教え子である琴音(矢作穂香)の存在だ。彼女はかねてより一輝に好意を寄せていたが、ついに告白をした。しかし一輝はあっさりと断ってしまう。それに対して琴音は、育実のことが好きなのではないのかと投げかけた。

 ところが一輝自身、自分の気持ちがよく分からない。あろうことか彼は、その対象である育実に相談を持ちかけてしまう。これには育実もビックリだ。しかしこのことで彼女は、今まで以上に一輝のことを意識してしまうようになっていく。

 ある日、育実の部屋にヤモリが現れた。パニック状態に陥った彼女は、一輝に助けを求めるのだ。そして二人っきりのプライベートな空間で、ヤモリ登場。急な出来事に、育実は思わず一輝にしがみついてしまう。いくら思いがけない行動だとは言え、これはさすがに互いに意識してしまうだろう。テレビの前の多くの方もニヤニヤしてしまったのではないだろうか(筆者がまさにそうであった……)。育実にとっての、いわば“極限状態”でのこの行動は、一輝への潜在的な好意の顕れだと見てもいいだろう。それはこれまでにも、回を重ねるごとに見受けられたように思っていたが、それが今回は強く顕在化した印象だ。

 やがて一輝が育実への気持ちとして出した答えは、「面白い」ということ。彼いわく、育実はナゾやフシギがいっぱいなのだという。一緒にいると、いろんな気持ちが溢れてくるというのだ。楽しい、嬉しい、悲しい、怖い、寂しい……そんな、一つの感情にとどまらない、いくつもの感情を引き出してくれる相手というのは、そうそういるものではないし、そう出会えるものではないだろう。そんな誰かとの出会は、まさに「奇跡」なのではないだろうか。

 そんな中、一輝は樫野木と険悪なムードを迎える。自身のプライベートがままならない樫野木は、あまりに自由な一輝に対して、日頃募らせていた想いを激昂気味にぶちまけてしまうのだ。

 「子どもは(一輝のような)キラキラした大人に憧れるが、そんなのはひと握りだけしかなれない」というのが樫野木の言い分。たしかにこれは正論だろう。一般社会で生きていくためには、ときに空気を読み、ときにおべっかを使い、自分のやりたいことや言いたいことを、ぐっと抑えなければならないことが多々ある。一輝はそれとは正反対の生き方をしている人間なのだ。

 さらに樫野木は、「迷惑」「悪影響」「ここから消えて欲しい」とまで言い放つ。これには一輝も大きな瞳を潤ませて、静かにその場を辞すしかない。樫野木はどこか三枚目的な役どころの、場を和ませる存在であっただけに、これには驚かされた。

 次週はいよいよ最終回。一輝と、彼を囲む人々との関係、そして、新たな顔を見せようとしている沼袋(児嶋一哉)と新庄(西畑大吾)の関係からも目が離せない。

(折田侑駿)

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