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「これで動かなかったらノリアキじゃねえだろ」聖夜に復活したカリスマが約3万人に見せつけたリアル

ナタリー

20/12/26(土) 10:31

ノリアキ

ノリアキの生配信ライブ「ノリアキ Special X’mas Live “THE REAL TIME”」が12月24日に行われた。

ノリアキは2006年に「デビュー / unstoppable」でCDデビューし、クリエイター古屋雄作の演出による個性的なキャラクター、ミュージックビデオなどで話題を呼んだアーティスト。2009年8月以降は表舞台から姿を消していたが、インターネットシーンでは伝説的な存在となっており、コロナ禍に見舞われた2020年の終わりにノリアキの復活が発表されると、SNSは喜びの声であふれかえった。

ライブの開催発表から当日までの間にYouTubeでは2本の告知動画が公開された。ノリアキはこの動画の中で「ノリアキがライブで何演るかなんてのは一秒前まで決まってねえわけ。ノリアキっていうのは格闘家なわけじゃん。格闘家が試合の前に『ここで右ストレート入れよう』とか『その後にここでフックフック』とかって考えるわけねえじゃん」と語りつつ、ライブで披露する曲数について「4前後」とコメント。またクリスマスプレゼントとして新曲「know real key」を披露することを明かし、ファンの期待を煽った。

そしてライブ当日の夜。伝説の復活を待ちわびる声がYouTubeのチャット欄に止めどなく流れる中、鼓動の音が響くと、画面には新型コロナウイルス感染拡大を報じるニュース映像と、「いろはす」のペットボトルを握る男の手が交互に映し出される。全世界で猛威を振るうコロナに対する怒りで男の手はワナワナと震え、ついに「いろはす」を握り潰す。そして彼は立ち上がった。十数年ぶりとなるノリアキのライブがいよいよ幕を開ける。

「N」のハンドサインを作るノリアキの姿とライブタイトルが表示されたあと、画面が切り替わると、映し出されたのはドラムセットやキーボードが設置されたスタジオ。背景にはノリアキのアーティスト写真が合成されている。そこに彼の代表曲「unstoppable」のMVが投影されると、ゴージャスな毛皮のコートを羽織り、ドゥーラグをかぶったサングラスの男が姿を見せた。チャットの流れが勢いを増す中、マイクを握った男は、サングラスがズレるほどの勢いでラップし、パンチラインを連発。「YAMAGATAから来たbaby face エミネム・ジブラも全部FAKE」、紛れもないリアルなノリアキがマイク1本で繰り広げるパフォーマンスに視聴者は沸き上がった。

オープニングナンバー「unstoppable」でパラパラを踊り、2曲目の「スカイフィッシュ」では軽快にマラカスを振ったノリアキは、息を切らしつつ、「特茶」で水分補給を済ませると「みんなひさしぶりー」と挨拶。3万人近い視聴者に対して「こうやってみんなの前に出てくるってことは、もともと考えてなかったんだけど、まあ今年あったじゃん。コロナ?」と語りかけ、「とんでもないことしてくれてんなあコロナって。これで動かなかったらさ、それノリアキじゃねえだろってさあ。『オメエ、ノリアキだよな?』って。『イチ“ノリアキ“としてやることあんだろ』ってさ、思ったわけ」と復活の理由を説明した。

「俺の不在の間にいろいろフェイクな音楽、まあ音楽だけじゃねえよね、フェイクでいっぱいの世界になっちゃったわけなんだけど、ホント申し訳ねえなって思ってるところもあって。まあ12、3年ぶり? このリアルを、リアル成分をお届けするんで、それで何か感じてもらえたら、まあすげえうれしいっつーか」と思いを伝えたノリアキは、メガネの上にかけたサングラスを外すと「デビュー」でライブを再開。カメラに向かってビシッと指を差し、「君のデビューを待っている」と伸びやかに歌った。

さらにノリアキは「コロナと闘ってる世界中のみんな、最前線で闘ってくれてる医療従事者の皆さんのためにね、ノリアキから1曲捧げたいと思います」と語り、キーボードの前に座ると新曲「know real key」を初披露。傷付いた人々を労うように優しい歌声をアップデートされたサウンドに乗せて届けた。また配信中、スーパーチャット機能で投げ銭が飛び交う様子を見たノリアキは「リアルだよね。120円とかもリアルだし」と感謝し、50000円のスーパーチャットを見ると「そんなリアルなことある?」と驚きの声を上げた。

ライブで披露する曲数について「4前後」と語っていたノリアキは「そろそろお別れの時間です」と告げると、ラストナンバーとして「だれかおれをすきになれ」を歌い始めるが、ここで思わぬトラブルが発生。Twitterでトレンド入りするほどファンが集まったせいか配信に乱れが生じ、映像が途切れ途切れとなってしまう。ノリアキが思いを込めて熱唱する中、配信は一時オフラインに。しかし視聴者はそんな状況をも楽しみ、「回線もリアル」とコメントして盛り上がった。

一度画面外に消えたノリアキだったが、アンコールの声に応えてファンの前に再び登場。ジャケットに着替えたノリアキは「急遽なんでなんも用意してないんだけど」と前置きしつつ、携帯で歌詞を確認しながら「ジングルベル」を独特な発音で歌った。「ありがとう」と告げて再び画面外に去ったノリアキだったが、数十秒後には視聴者の前にカムバック。「いやなんかさ、『だれおれ』のときに回線落ちちゃったみたいなこと言ってて。『だれおれ』が聴けねえのはリアルじゃないもんねえ」と語ったノリアキは、準備が整うと「だれかおれをすきになれ」をもう一度歌い、熱い叫びを安定した配信で聴かせた。

4前後の予定が6曲も歌ってくれたノリアキをファンは絶賛。だが、配信はまだ終わらない。無人となった画面に「unstoppable」のMVが映し出される中、再び毛皮のコートに着替えて現れたノリアキは「ブンブンハローYouTube! HIKAKIN見てるかあ!」と叫んで最後のパフォーマンスを開始。バイブスあふれるラップとパラパラで存分にリアルを見せつけた。そしてパフォーマンスを終えたノリアキはドゥーラグを脱ぎ、サングラスを外すと、カリスマミュージシャン・ノリアキではなく、高橋典彬として改めて視聴者に感謝。うがい、手洗い、マスクの着用など、コロナ対策の徹底を呼びかけつつ、ノリアキ個人のYouTubeチャンネルやTwitterアカウントの開設を告知して一夜限りの復活ライブに幕を下ろした。

ライブ後、YouTubeでは新曲「know real key」のMVが公開された。この曲と動画で発生した収益は医療従事者支援のために全額寄付される。

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