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映画『HOKUSAI』公開記念、葛飾北斎の名作特別展示を岡田美術館にて開催

ぴあ

21/3/29(月) 19:00

映画『HOKUSAI』 (C)2020 HOKUSAI MOVIE

新型コロナウイルスの感染拡大による丸1年の公開延期を経て、5月28日(金)に全国公開となる映画『HOKUSAI』。この度、映画の公開を記念して神奈川県・岡田美術館にて4月3日(土)〜9月26日(日)の期間、葛飾北斎の作品を特別展示することが決定した。

代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が2020年2月に新たに刷新された新パスポートや2024年度から使用される千円札のデザインに採用されるなど、今なお愛され続ける世界的アーティスト“葛飾北斎”。19世紀にヨーロッパでジャポニズムブームを巻き起こし、マネ、モネ、ゴッホ、ゴーギャンなど数々のアーティストに影響を与え、西洋近代絵画の源流となった世界で最も有名な日本人で、米LIFE誌『この1000年で偉大な功績を残した100人』にも唯一の日本人として選ばれている。

北斎は自らを「画狂老人卍」と名乗り、江戸時代としては稀な90歳という長寿を全う。「冨嶽三十六景」を70代に手掛け、絶命する直前に「天我をして五年の命を保たしめば、真正の画工となるを得べし(あと五年寿命があれば、本物の絵師になれるのに)」という言葉を残したとされるその人物像は、現代を生きる私たちにも強烈なインパクトを与える。そんな北斎の実像に迫ろうと、5月28日に封切られる映画『HOKUSAI』で北斎の青年期と老年期を二人一役で演じ分けるのは柳楽優弥と田中泯。生涯に渡って現役の絵師であり続けた北斎の姿が現代に蘇る。

先日クリスティーズ・ニューヨークで開催された日本・韓国美術のオークションで、最低予想価格15万ドルの10倍以上となる159万ドル(日本円にして約1億7000万円)で落札され、木版画集の価格の世界記録を更新するなど、今改めて北斎の作品は世界中から注目を得ているが、今回岡田美術館では、その名作「神奈川沖浪裏」のほか、北斎の美人画の極みである「夏の朝」と「傾城図」を特別展示する。まだ眉を落としていない初々しさが残る「夏の朝」の新妻、玉虫色に光る笹色紅を唇にほどこした「傾城図」の妖艶な花魁、北斎が描く“清楚美人”と“妖艶美人”を、映画に登場する瀧本美織演じる北斎の良妻・コト、芋生悠演じる歌麿の恋人である花魁・麻雪にそれぞれ重ねてみることで、今にも動き出しそうな生命力に溢れる浮世絵と、本作の世界観を合わせて楽しむことができる。

そして、本編に登場する浮世絵の再現にも一切の妥協を許さず、版画を制作するシーンでは実際の彫師と摺師が出演している本作。今回の撮影で使われた版木や、江戸当時と変わらず版画を制作するために実際に使用された道具なども展示される予定だ。200年以上の時を経て今に伝わる作品の魅力と私たちの心を惹きつけてやまない北斎の生き様を、この春、美術館とスクリーンで目の当たりにしてほしい。

【開催情報】
「北斎特別展示」
会期:4月3日(土)〜9月26日(日)
会場:岡田美術館

『HOKUSAI』
5月28日(金)より公開

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