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増田貴久が“俳優限定”で見せる新たな顔 『レンタルなんもしない人』にマッチする純粋さと温かさ

リアルサウンド

20/4/28(火) 6:00

 NEWSの増田貴久が主演を務める『レンタルなんもしない人』(テレビ東京系)が、とにかく癒やされると好評だ。

 “ごくかんたんなうけこたえ以外なんもせず、ただそこにいるだけ”という前代未聞のサービスを提供し、SNSで話題を呼ぶ森本祥司氏(通称:レンタルさん)をモデルにした本作。第1話では、契約社員として働いた大宮亜希(志田未来)の「東京最後の1日に付き合ってほしい」との依頼に応えたレンタルさん(増田貴久)。東京で何も残すことができなかったと落ち込む亜希が「レンタルさんは、爪痕を残そうとしたことはないですか?」と訊ねれば、「ないですね。なんもしてないけど、毎日そんなに悪いもんじゃないですから」と。

【写真】レンタル中の増田貴久

 続く第2話の依頼は、Webディレクター・城戸(岡山天音)の「仕事でトラブルがあり、会社に出社するのが怖いから週明けの出社に付いてきてほしい」というもの。会社員時代の自身を重ねたレンタルさんは、自分だったら「たぶん行かないです」と話し、その言葉を聞いた城戸は「会社に行かない想像をしてみたけど、そっちのほうが勇気いる」と出社を決意するのだった。

 たしかにレンタルさんは、気の利いたことをするわけでも、言ってくれるわけでもない。けれど、ただそこにいてくれる心地良さと飾らない言葉には、凝り固まった心をほぐす不思議な力がある。そして、心が軽くなったところに流れる主題歌「ビューティフル」(NEWS)の優しい歌い出しに、「あぁ、なんかいいなぁ」とホッとする。

 ドラマ出演発表の際、増田は「楽屋では、何もしないでぼーっと座っていることが多くて…」とコメントしているが、手越祐也と出演する『テゴマスのらじお』(MBSラジオ)でも、以前から増田の“ぼーっと”エピソードはテッパンともいえるネタのひとつ。増田は「座ることを100%していた」といい、なんかしている人は第三者と繋がっている可能性があるが「俺は、自分とも繋がっていない」と表現し、手越を大笑いさせたほどだ(2019年12月4日放送回)。

 スマホもいじらず、音楽も聴かず、ただ何もしていないことをするほうが難しい世の中で、あえて何もしない時間を過ごすような“ほんわか”とした雰囲気が増田の魅力でもあるのだが、『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)内の「グルメチキンレース ゴチになります!」などで見せる愛されキャラのみならず、ハートを癒やす歌声と荒々しいラップ、NEWSのライブ衣装とグッズデザイン……そのすべてに熱量を注ぎ、考え抜き、仕上げていくのが増田貴久であり、それは俳優業にもいえること。

 レンタルさんを演じるにあたり、役作りは「なんもしない方がいいのかな」と話していた増田。これはもちろんドラマにかけたコメントでもあるのだが、『ボイス 110緊急指令室』(日本テレビ系/2019年)出演の際にも『KちゃんNEWS』(文化放送)出演時には「体は鍛えていない」とおどけ、劇中で突如ドキッとするような肉体美を披露した過去の持ち主。連続ドキュメンタリー『RIDE ON TIME ~時が奏でるリアルストーリー~』(フジテレビ系/2019年)での「すべてを伝えるつもりもないというか、伝えちゃいけないのかな?と思ってる部分もある」という言葉も印象的だったが、増田にとっては表に出るものがすべて。だがその裏には、強い気持ちと努力、魂があり、実は誰よりも“なんかしている”からこそ、様々なフィールドで求められる存在へと躍進したのだろう。

 『レンタルなんもしない人』では、冷蔵庫にNEWS4人のメンバーカラーのマグネットが貼られていたり、アルコ&ピースの平子祐希が、増田も出演する『ネタパレ』(フジテレビ系)でおなじみの“意識高い系IT社長・瀬良明正”を思わせるキャラクターで登場したりと、スタッフの遊び心と主演への愛情にも心が和む。

 一方、その愛情を受ける増田もまた、ファンを想い作詞した楽曲「クローバー」に、<誰かを傷つけるヤツから ただお前を守れる言葉が いつでもいつもここに来て、俺に甘えていいんだよって伝えてあげたいだけなんだ>と記した愛に溢れた人。そして、おいしい時には「おいしい」と、嬉しい時には「嬉しい」と、ファンへのメッセージの最後は「ありがとう」で締めくくる。そんな純粋さと温かさが、『レンタルなんもしない人』の世界観に、癒やしを求める世の中に、ぴったりとマッチしているのではないだろうか。

 2020年に入り、『パレートの誤算~ケースワーカー殺人事件』(WOWOW)、『レンタルなんもしない人』、さらに9月には主演ミュージカル『ハウ・トゥー・サクシード』を控えるなど、役者としての需要が急増している増田。黒髪、細身パンツ、「(アイドルだから)トイレに行かない」と公言している“まっすー”がトイレに行く……など、こだわりの強い彼の貴重な一面が見られるも俳優業の魅力なだけに、今後の活躍とともに、俳優限定で見せる新たな顔も楽しみだ。

(nakamura omame)

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