ネイティブアメリカン（インディアン）の音楽、と言われてぴんと来なくても、ジミ・ヘンドリクス、「ザ・バンド」のロビー・ロバートソン、ミック・ジャガーと共演したギタリストのスティーヴィー・サラスあたりは、誰でも名前ぐらいは知っているだろう。彼らはみんなネイティブアメリカンだ。 もっと言えば、名曲『ランブル』でロック史上初めて、歌詞がないのに放送禁止をくらった伝説のロッカー、リンク・レイや、スウィング界の女性シンガーの草分け、ミルドレッド・ベイリーなど、少なからぬ傑出したミュージシャンたちがその血を引き、今に至る音楽史に多大な影響をもたらした。 そんな発見と、いかに暗黙の了解のうちにその事実が伏せられてきたか（つまり差別の対象になってきたか）、ということを本作は、鳥肌が立つような興奮と感動とともに教えてくれる。今必見のドキュメンタリー。