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「斬、」塚本晋也がアミール・ナデリから賛辞贈られる「女性キャラの扱いが新鮮」

ナタリー

18/11/8(木) 12:16

左から塚本晋也、アミール・ナデリ。

「斬、」の会見が11月7日に東京・日本外国特派員協会にて開催され、監督を務めた塚本晋也が出席した。

本作は、江戸時代末期の江戸近郊の農村を舞台に、時代の波に翻弄される浪人と彼に関わる人々を描いた時代劇。池松壮亮が浪人の杢之進、蒼井優が農家の娘ゆうを演じ、そのほか中村達也、前田隆成、塚本がキャストに名を連ねた。

会見の進行役から「さまざまなシーンで、暴力とセックスを関連付けているのでは?」と尋ねられた塚本は、「理屈では、暴力的なものと性的なものを結び付けてはいなかった」と前置きしたあと「撮影の直前に、用意していた脚本が変わったんです。1人の浪人が刀を過剰に見つめるコンセプトは今と同じでしたが、その脚本にはエロティシズムが足りなくて。それはこの映画としては違うのではと感覚的に思ったし、人を斬るか斬らないかのジレンマと、性的な衝動は非常に近いところにあると感じました」と真摯に答える。続いて「時代劇への尊敬はあるけれど、自分が作るのであれば様式的な美学が描かれていたり見得を切るタイプの時代劇じゃなくて、今の感覚を持つ若い人がそのまま江戸時代に行ってしまったような生々しさが欲しいと思った」と本作を撮るにあたっての狙いを明かした。

イベントでは、会場を訪れていたアミール・ナデリから質問が寄せられる場面も。「素晴らしい監督ぶりでした。女性キャラクターの扱いが、日本のほかの監督と違う気がして新鮮です」というナデリの言葉に、塚本は「作品ごとに演出の方法は違いますが、基本的には女性の素晴らしさにひれ伏しているので、尊敬の気持ちがあるというのが基本です」と述べ、「ゆう役の蒼井優さんは、脚本を読み込んで自分の中に1本の筋が通ってからお芝居をされる方なのですが、今回はそれが通らなかったので、いろいろ表情を出していこうと思ったそうです。(1つの作品の中で)15歳から28歳くらいまでのいろんな表情をされる、すごい女優さんです」と蒼井を称賛する。

さらに、別の来場者から「今後も時代劇に挑戦したいと思いますか?」と聞かれると、塚本は「『斬、』のコンセプトを思い付いたのは20年前で、同時にパート2のラストでは(浪人が)座頭市と戦うというのも考えていたんです(笑)。おそらくやらないとは思いますが、やってみたい気持ちもあります」とにこやかに話した。

「斬、」は11月24日より東京・ユーロスペースほか全国で公開される。

※塚本晋也の塚は旧字体が正式表記

(c)SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

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