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ブレイク前夜のトラックメイカー・ユニットSugar’s Campaign ライター2氏がそのポップ性を分析

リアルサウンド

14/10/16(木) 11:30

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 10月17日から26日まで、東京・渋谷地区で開催されるカルチャーイベント『シブカル祭。2014』。17日に東京・シブカル公園で行われる同イベントのレセプションパーティーに、Sugar’s Campaignの出演が決定した。また、同イベントのテーマソングも、彼らの未発表曲「有名な映画のようにラブリーな恋がしたい」に決定しており、モデルや女優を中心に活動しているIZUMIをボーカルに迎え、“シブカル祭。2014ver.”として提供する。

シブカル祭。2014 テーマソング Sugar’s Campaign feat. IZUMI『有名な映画のようにラブリーな恋がしたい』(シブカル祭。2014ver.) – PARCO

 以前【livetune、tofubeats、Sugar’s Campaign……「次世代の中田ヤスタカ」になるクリエイターは?】でも取り上げたことのあるように、楽曲提供などのジャンルでも活躍を予感させる彼ら。その魅力の本質はどこにあるのだろうか。

 そんなSugar’s Campaignの魅力やブレイク前夜の状況について、Spincoasterなどで彼らについて取り上げているライターの保坂隆純氏はこう語る。

「SeihoとAvec Avecがこういうポップでラブリーな曲をやっているということに、最初は衝撃を受けました。Seihoは海外の先鋭的なアクトとも共鳴するクラブ・サウンドを展開していますし、Avec Avecはマルチネ・レコーズからのリリースなどで抜群のエディット感覚をみせていたので、この2人がプロジェクト(バンド)を組むとこうなるんだ!? という感じでしたね。でも、そういう意外性や話題性だけじゃなく、聴き込んでみるとそのコード進行やメロディからはまるで卓越したポップ職人のような印象も受けます。今年7インチとCDで初のフィジカル・リリースを行ったことと、その楽曲のポップさも手伝ってか、ここ最近では今までとは少し違った、より広い層にも届き始めていることを実感しています」

 また、彼らの名前を全国に広めた楽曲「ネトカノ」については、約2年半の時を経てフィジカルリリースされたことも大きいとする。

「元々Avec Avecが学生時代から続けてきた前身バンド時代から骨格は完成していたという『ネトカノ』を改めてブラッシュアップし、自分たちで撮影したというPVをUPしたのが2012年の1月。そこから長い月日をかけてジワジワとバズを拡大させてきたわけですが、それはあくまでもネットを中心としたシーンでのこと。なので、この度のフィジカル・リリースは本当に意味深いものでしたし、オープンしたばかりの『HMV record shop 渋谷』とガッチリ手を組んだこともかなり効果的だったのでは、と思います」

141015_sc_a2.jpgSugar’s Campagne feat.IZUMI

 また、音楽ジャーナリストの柴那典氏は、Sugar’s Campaignの楽曲面・音楽性についてこう語る。

「彼らの楽曲には、“知性的なポップス”の魅力がありますね。音楽をロジカルに解釈できる人が、ブラックミュージックの要素を日本のポップミュージックの中に位置づけるようなアプローチ方法も感じます。そういう意味では、山下達郎や久保田利伸の系譜に属すると言えるかもしれないですね。tofubeatsと同世代で、関西と言うエリアやネットレーベルという状況も一致していることも事象の一つとして挙げられることが多いです。彼らに感覚として共通しているのは、かつて90年代に外資系CDショップのアーカイブに簡単に触れることができるようになって渋谷系シーンが出来てきたのと同じように、ネットのフラットさを前提としていること。コアなこともできるけど、ポップなものも作れるという絶妙なコントロールができるのだと思います。これはセンスの問題で、絶妙なポイントを付かないとあざといのですが、見事ですね」

 tofubeatsとの差異については、キャラクター部分において伸びしろがあると語る。

「tofubeatsには、90年代後半以降のJ-POPとヒップホップが背景にありますが、Sugar’s Campaignの場合は、どちらかと言えば80年代後半のニューウェーブと、さらに遡っていけばモータウン的なセンスが強いです。そしてどちらも基本的にはゲストボーカルを招く形で制作している。00年代初頭のm-floがこういった手法の先駆けになっていました。ただ、m-floにしてもtofubeatsにしても、歌ってる人の記名性が高ければ高いほどメジャーな領域での広がりのあるがゆえに、芸能人や著名な歌手をボーカリストに起用したりしています。が、彼らはそういった部分においての回路が未だ働いていない。今は曲だけで評価されている部分もあると思います。そこには伸びしろや可能性を感じますね」

 今後は、「ネトカノ」など、彼らの楽曲の大半でボーカルを務める歌い手・あきおを起用し続けるのか、今回IZUMIを起用したように、毎回違ったボーカリストを迎えるのかは未だわからないが、Sugar’s Campaignは“ボーカルの記名性”を排除したポップスを貫く存在として、今後台頭していくのかもしれない。

(文=編集部)

141015_sc_j.jpgSugar’s Campaign『ネトカノ』

■リリース情報
『ネトカノ』
発売:2014年9月3日
価格:¥1,000(税込)

■ライブ情報
Sugar’s Campaign単独公演『ネトカノリリパ』
○東京公演
11月2日(日) 東京・代官山UNIT
○大阪公演
11月3日(月) 大阪・Grand Cafe

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