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『ザ・バットマン』は“ヒーロー×『セブン』”? 重大発表相次いだ「DCファンドーム」を振り返る

リアルサウンド

20/8/27(木) 12:00

 日本時間の8月23日午前2時から24時間にわたって「DCファンドーム第1弾:ホール・オブ・ヒーローズ」がオンラインで開催されました。これから公開される『ザ・スーサイド・スクワッド』『ザ・バットマン』などのDC映画の重大発表が行われ、興奮かつ至福の時間でした。ここでは、このイベントで明らかになった情報をまとめてお伝えしましょう。

 まず「DCファンドーム」とはなにか?ですが、毎夏、DC(およびその親会社であるワーナー)はサンディエゴ・コミコンなどで重大な発表を行っていました。しかし今年はコロナウイルス禍でコミコンは規模を縮小して、オンラインイベントとして実施。しかし、DCとしては今年発表したいことがいっぱいある。そこでDC独自のオンラインイベントの形で、DCオンリーのコンベンションをやろう、と。それが「DCファンドーム」です。24時間、世界中どこからも無料でアクセスできるWwbサイト上で、動画配信をメインに様々な発表を行っていくというもの。もちろん映画やドラマの発表以外にコミックやファンが参加のコンテンツ、さらに世界各国からDCをテーマにしたコンテンツ(番組)を集約し、世界中に配信していくという、まさに「DCとDCファン」が一体化したグローバルな祭典。これを聞くだけでもワクワクしますよね。

 ところがあまりに発表したニュースや集まったコンテンツが多すぎて、24時間では無理となり(笑)、「ホール・オブ・ヒーローズ」「ディスカバー・マルチバース」と称して2回に分けて開催されることになりました。映画の発表が今回、「ホール・オブ・ヒーローズ」で行われたわけです。

 その雰囲気や楽しさはサンディエゴ・コミコンのパネル(プレゼンテーション)に勝ると
も劣らないものでした。パネルの順番は『ワンダーウーマン 1984』→『フラッシュ』→『ザ・スーサイド・スクワッド』『ザック・スナイダー版ジャスティス・リーグ』→『ブラック・アダム』→『アクアマン2』→『シャザム!』続編→『ザ・バットマン』でした。多くの作品がまだ撮影前なので、いわゆる本編映像のお披露目があったパネルはいくつか限られるのですが、それらの作品を中心にご紹介しましょう。

 なお、ほとんどのパネルが「ステージに皆が集まってそこから生配信」というわけではなく、「各登壇者をリモートでつないでディスカッションした様子を収録、配信」というパターンでした。

『ワンダーウーマン 1984』

Wonder Woman 1984 – Official Main Trailer

 オープニングを飾るのはこの作品! ガル・ガドット、クリス・パイン、ペドロ・パスカル、クリステン・ウィグ、パティ・ジェンキンス監督らがリモートで登壇。嬉しいのは70年代のTVドラマ『ワンダーウーマン』の主役だったリンダ・カーターも登場! リンダ・カーターが自分の娘が映画『ワンダーウーマン』を観て改めてワンダーウーマンの素晴らしさを知ったと伝えると、パティ・ジェンキンスが「私たちは新しいワンダーウーマンを作るつもりはない。あなた(リンダ)のワンダーウーマンの意志を引き継いでいく作品にしたかった」と彼女を称えました(ここ、ちょっと感動しました)。この場をかりて世界初お披露目となる『ワンダーウーマン 1984』最新予告編上映! ずっと秘密のベールに包まれていたクリステン・ウィグ演じるヴィラン、チーターの姿が明らかになりました!

『ザ・スーサイド・スクワッド』

 今回最も注目されていたパネルの一つでしょう。その期待に十分応えてくれる内容でした。ジェームズ・ガン監督が進行を務め、マーゴット・ロビー、イドリス・エルバら18人のキャストが一同に会するという圧巻のステージです。しかも例えばハーレイ・クインのアイコン画面があくとそこにマーゴット・ロビーが出てくるみたいな演出で、各キャラとそれを誰が演じるかが次々と発表されていきます。

THE SUICIDE SQUAD – DC FanDome Exclusive Sneak peek

 ここでずっと伏せられていたイドリス・エルバとジョン・セナの役が判明。イドリス・エルバがブラッドスポーツ、ジョン・シナがザ・ピースメーカーを演じます(僕は、このイドリス・エルバの配役にはちょっとびっくりしました)。そして、メイキングの風景を盛り込んだ世界初の『ザ・スーサイド・スクワッド』の映像がお披露目。マーゴット・ロビーのハーレイ・クインは赤い衣装で銃やロケット・ランチャーをぶっ放す! とにかくすごい役者たちが、すごいキャラを演じて、すごいアクションが展開! 前作は夜の潜入ミッション系活劇でしたが、今回は白昼のバトルで傭兵系戦争映画な感じです。

『ザック・スナイダー版ジャスティス・リーグ』

 本作は配信でリリースされるので劇場用公開映画ではないのですが、ファンの間でとても盛り上がっている期待作。2017年に公開された『ジャスティス・リーグ』はとある事情があって監督のザック・スナイダーが完成直前に降板してしまい、『アベンジャーズ』のジョス・ウェドン監督が完成させました。しかしファンの間からザック・スナイダーの本来意図していた『ジャスティス・リーグ』が観たいとの声があがり(劇場公開版からは相当色々なシーンがカットされていたらしい)、ここに来てザック・スナイダーが手直したバージョンが、来年HBO Max(ワーナー系の配信サービス)でリリースされることになったのです。それが通称『ザック・スナイダー版ジャスティス・リーグ』です。

 今回のプレゼンではザック・スナイダーからのビデオ・メッセージの形でベン・アフレック、ヘンリー・カヴィル、レイ・フィッシャー、エズラ・ミラー、ガル・ガドットが順繰りに登場し、ファンから監督への質問を代行して読み上げる形で展開。ビデオ出演の形ですが、ベン・アフレック、ヘンリー・カヴィルが「DCファンドーム」に顔をそろえてくれたのは嬉しいですね。

Zack Snyder’s Justice League | Official Teaser | HBO Max

 そして『ザック・スナイダー版ジャスティス・リーグ』の予告公開! 登場するメイン・ヴィランのステッペンウルフのデザインも劇場板と異なり、フラッシュやサイボーグのアク
ションも増量! 劇場版とは全く違う作品になりそうです!

『ザ・バットマン』

 締めはやっぱりこの作品! ファンが本当に楽しみにしていたパネルです。この映画のキーカラーは赤と黒のようで、赤をベースにした仮想空間でのプレゼン。まずロバート・パティンソンのメッセージから始まり、監督のマット・リーヴスが熱く語ります。僕は数年前、サンディエゴ・コミコンで『モールス』というホラー映画のパネルを取材した時にマット・リーヴス監督がゲストだったんですけど、すごくしゃべる方だなっていう印象があったんです。今回もマシンガン・トーク(笑)! 僕がいくつか拾えたのは、

・バットマンのオリジンを描くのではなく、バットマンが“かけだし”で、まだ血気盛んな頃。だから彼は色々失敗しながらバットマンになっていく。
・ミステリー色の強い、バットマンを探偵モノとしても描いている。
・自分としては『チャイナタウン』『フレンチ・コネクション』『タクシードライバー』のような70年代の犯罪アクション映画の影響をとりいれている。
・どのバットマン映画も役者も好きだ。色々なバットマンがあっていい。そしてバットマンのコミック自体、様々なクリエーターが基本を守りながら独自のアレンジをして幅を広げた。だから僕も僕なりにバットマンを作ってみた。
・HBO Maxでこの映画の前段となる、ゴッサム市警を描いたドラマも考えている(僕はこのパネルの時は聞き取れなかったのですが、あとで海外のメディアの報道とか読み返してみると、映画『ザ・バットマン』は、ブルースがバットマンになって2年目の“イヤー・ツー”の話であり、ドラマ版は“イヤー・ワン”時代の話だと)。

 監督の想いが伝わるトークの後、待ちに待った『ザ・バットマン』の、世界初のティザー予告編公開です!

The Batman – DC FanDome Teaser

 この予告で明らかになったのは、すでにバットマンがいる世界です。しかしまだ世間やゴッサム市警からも疑問視されてるみたいで、全然ヒーローと思われていない感じ。そのバットマンに対し、謎のヴィラン(恐らくリドラー)がメッセージを残し、犯罪を繰り返していく、という流れです。

 僕の印象はヒーロー映画×『セブン』(ブラピ出演のサイコ・スリラー)みたいな今までにないトーンのバットマン映画になりそうです。コリン・ファレルがすごいメイクでペンギンになっていたり、ゾーイ・クラヴィッツのセリーナ/キャットウーマンも登場。ロバート・パティンソンの物悲しさも新たなブルース・ウェイン像をみせてくれそうです。ちゃんとバットモービルも出てきます。「DCファンドーム」開始から8時間後に配信されましたが、待っててよかった(笑)!

 最後にその他の作品についても触れておきましょう。

『ザ・フラッシュ』

 エズラ・ミラーがテンション高い進行を務め、監督のアンディ・ムスキエティや脚本家、プロデューサーらが参加。2つの重要なコンセプト・アートが披露目。なんとフラッシュのコスチュームが新しくなり、よりスリムになった感じ。

 そしてバットマンとチームを組むことが判明。そのバットマンはコスチュームからして、ティム・バートン版=マイケル・キートンが演じたバットマンなのです! そう、フラッシュが時空を超え別次元のバットマン(ティム・バートンの『バットマン』)と出会うのです!

『ブラック・アダム』

Black Adam – Official Teaser (2021) Dwayne Johnson | DC FanDome

 ドウェイン・ジョンソンがアンチ・ヒーロー(基本的には『シャザム!』のライバル)を演じる話題作。ドウェイン・ジョンソン自らがストレートトークでプレゼンするという気合のいれよう。コンセプトアートをアニメのように動かしたプレゼン動画をみせてくれました。そして本作では“JSA:ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ”というヒーロー・チームとブラック・アダムが戦うこともわかりました! そのJSAのメンバーであるヒーロー“アトム・スマッシャー”を演じるノア・センティネオもビデオ参加です。コミックでは、JSAはジャスティス・リーグが誕生する前に活躍したヒーローチームなんです。ドウェイン・ジョンソンが「DCといえばバットマン、スーパーマンと思ってるだろうが、これからは違うぜ!」とかっこよく締めてくれました。

『アクアマン2』

 監督のジェームズ・ワンと『アクアマン』で主人公のライバル、オーシャンマスターを演じたパトリック・ウィルソンが登壇。『アクアマン2』でオーシャンマスターの再登場が発表されました! オーシャンマスターのファンは多いのでこれは嬉しい!

『シャザム!』続編

 シャザム役のザッカリー・リーヴァイと監督、そして子役たちが(みな成長してる)Zoomでワイワイ語ります。シャザムとZoomをかけて“SHAZOOM”というコーナー名も楽しい。『シャザム!』で一番年下のダーラを演じたフェイス・ハーマンちゃんがさりげなくポスターをみせて、この続編のタイトルが『Shazam: Fury of the Gods(原題)』と発表!

 というわけで至福の時間でした。DC映画は“マルチバース”という積極的に取り入れていくそうで、これはちょっとづつ異なる、複数のパラレルワールドが無数に存在する、という概念です。だからマイケル・キートン、ベン・アフレック、ロバート・パティンソンのバットマンはそれぞれ別次元のお話ということでどれも「あり」なのです。だから自由に色々な解釈のDC映画が作れるわけです。

 今回の「DCファンドーム」はまさにDC映画のマルチバースがどんどん広がっていく、ワクワクするような可能性を感じさせてくれました。DCが好きだから「DCファンドーム」に参加したわけですが、DCのことがますます好きになりました! WE LOVE DC!

 なお日本時間9月13日からの「第2弾:ディスカバー・マルチバース」の日本発の番組『DCファンドーム:日本から世界へ!メイド・イン・ジャパンなDCの魅力大解剖!』には、LiLiCoさん、尾上松也さん、FUJIWARA藤本敏史さん、樋口真嗣さん、日本のDCコスプレイヤーの皆さんとともに、わたくしすぴ豊も参加しています。ぜひご覧ください!

■杉山すぴ豊(すぎやま すぴ ゆたか)
アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画に関するコラム等を『スクリーン』誌、『DVD&動画配信でーた』誌、劇場パンフレット等で担当。サンディエゴ・コミコンにも毎夏参加。現地から日本のニュース・サイトへのレポートも手掛ける。東京コミコンにてスタン・リーが登壇したスパイダーマンのステージのMCもつとめた。エマ・ストーンに「あなた日本のスパイダーマンね」と言われたことが自慢。現在発売中の「アメコミ・フロント・ライン」の執筆にも参加。Twitter

■公開情報
『ザ・バットマン』
2021年劇場公開
出演:ロバート・パティンソン、コリン・ファレル、ポール・ダノ、ゾーイ・クラヴィッツ、ジョン・タトゥーロ、アンディ・サーキス、ジェフリー・ライトほか
監督:マット・リーヴス
脚本:マット・リーヴス、マットソン・トムリン
配給:ワーナー・ブラザース

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