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北川景子と松田翔太、対照的な行動で示す“思いやり” 『家売るオンナの逆襲』ネカフェ難民と孤独死

リアルサウンド

19/1/17(木) 13:40

 北川景子主演ドラマ『家売るオンナ』の続編となる『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)。三軒家万智(北川)のライバルかつ足立(千葉雄大)の恋の相手(?)として新たに登場した留守堂謙治(松田翔太)が、本作のキーパーソンとなりそうだ。第1話でのYouTuberの登場など、現代の文化や社会問題を切り口に物語が展開され、第2話では「ネットカフェ難民」「孤独死」がテーマとなった。

【参考】『家売るオンナの逆襲』松田翔太ら新キャストにみる新たな構造

 庭野(工藤阿須加)は、ネットカフェに宿泊する客を目にして「貧しいから」という理由で「ああいう人たちも哀れですよね」と言っていた。そして偶然、ネットカフェで会ってしまったお客である神子巴(泉ピン子)に「ここにいる人たちは哀れです。帰りましょう」と告げるのだ。

 だが、そこで颯爽と登場した留守堂は「少しも哀れじゃないですよ」と庭野の認識の誤りを指摘する。ネットカフェで暮らす人には、それぞれに事情がある。交際中の彼を信じて待つ203号室の女性、毎日変わる工事現場に近い所に泊まったほうが都合がいい306号室の日雇いの男性。神子も住んでいたアパートが取り壊しになり、代わりの住処を探していたが、「孤独死されたら困る」と部屋を貸してもらえず、たどり着いた先がネットカフェだった。

 はじめは家を貸してくれないのではと、購入を考えていた神子だったが「家を買っても1人で住んでたら孤独死」ということに気づく。「ここだったらいつも人がいるし、店の人も気に掛けてくれる」。神子がネットカフェで暮らす理由は「人の存在」だった。2人の話を聞いた庭野は、神子のためになりたいと介護サービスが充実した老人ホームを紹介する。しかし、スタッフから赤ちゃんを相手にしたような口調で話しかけられた神子は「年寄りばかにすんじゃないよ、普通にしゃべれ!」と怒り、「こんな年寄りと一緒じゃなくていろんな人と生きて行きたいのよ!」と、誰かの世話になる環境で暮らすことは拒むのだ。

 留守堂がネットカフェに暮らす神子たちに寄り添い、その気持ちを肯定したのに対し、三軒家は彼らを猛烈に批判した。「この店は社会の吹きだまり」。203号室の女性は男に愛されていないことを認めたくなく、男性の行動を言い訳にして現実から逃げている。306号室の男性は家を持つことで向き合わなくてはならない自分の将来から逃げている。そして神子には孤独死が怖いからと、「この店にいる全ての者は頑張ることから逃げている甘ったれです」と鋭い言葉を正面からぶつける。

 その言葉に神子は「今日頑張れなかった人間も明日は来ちゃうんだよ。人生続くんだ。だから人間は苦しいんだ」と猛反論。「必死で頑張ったってできないヤツはできないんだよ。ここにいるみんなはそういう人生が詰まってんだ。世の中には吹きだまりだって必要なんだよ」。留守堂には寂しさから悲観した様子で気持ちを吐露していたのに対し、三軒家にはその思いを自ら肯定するような強気な発言が垣間見えた。そして三軒家は、神子にネットカフェのオーナー兼住人となることを提案する。

 第1話でのYouTuber・にくまる(加藤諒)、第2話での神子に対しても、留守堂と三軒家の客の気持ちを汲み取った行動は正反対だ。相手の弱い気持ちに寄り添い、安らぎを与える留守堂と、相手の本音さらけ出すことで、自身と改めて向き合わせて鼓舞する三軒家。相手の気持ちを尊重するという根本は同じ2人が、今後も相手の気持ちをどう読み取って行動を起こしていくのか。様々な人と関わり合って生活する私たちにとっても、学ぶところが多そうだ。

(大和田茉椰)

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