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ないあがらせっと、「グッドサマー」で12年の沈黙を破る

ナタリー

ないあがらせっと「グッドサマー」配信ジャケット

ないあがらせっとの新曲「グッドサマー」が本日8月21日に配信リリースされた。

2009年に4thアルバム「POP CITY」リリース後は不定期でライブは行っていたが、作品の発表は長年ストップしていたないあがらせっと。およそ12年ぶりの新曲となる「グッドサマー」はリーダーの中村寛が曽我部恵一に暑中見舞いとして送った楽曲で、曽我部のあと押しによってリリースが決まった。

また「グッドサマー」は33本限定でカセットテープも発売決定。カセットテープ版にはカップリング曲「ビューテイフルデイ」も収められ、本日8月21日からROSE RECORDSのオンラインショップ、東京・PINK MOON RECORDSおよびココナッツディスク吉祥寺店にて販売される。

曽我部恵一 コメント「12年ぶりのシティポップ」

「ないあがらせっと」。とっくの昔にわすれちゃってたよ。リーダーの中村はぼくを下北の喫茶店に呼び出し「作曲家として頑張っていきたい」とか言ってたし。だからぼくは「ないあがらせっと」はもう空中分解してしまったんだろうなあ、と思ってた。「そういえば彼らはちょっといなたいシティポップをやってたから、今バンドがいたとしたら、彼らが活動した10数年前とはまた違う世間の評価があったんじゃないか」、なんてこと考えたりもしなかったんだ。そう、すっかり忘れてた。

そんな彼らから突然暑中見舞いが届いた2021年の夏。添付してあったのは「グッドサマー」と銘打たれたチルでローファイな極上のサマーチューン。「なにこれ?」とすぐさま返信し、今回のリリースに至った。中村が住む北九州へも会いに行った。夏のど真ん中。迎えてくれた中村はヨレヨレのペットサウンズのTシャツで首からタオルをかけてサンダルばきだった。彼は熱いコーヒーを淹れてくれ、ぼくらは汗だくになってコーヒーをすすりながらあれこれ喋った。

彼らが拠点とした北九州の戸畑区は海辺のなかなかタフそうな街だ。ないあがらせっとの独特の郷愁感や不良っぽさはこの土地にもヒントがあるんだろうなと思った。今のシティポップバンドは本当におしゃれで、こんな町にはいそうにない。でも、ぼくや彼らが愛したシティポップは実は当時日本の隅々にまで響いていたのだ。実際、ぼくが小学校のときに勉強を教わってた近所の大学生のお兄ちゃんは、四国の田舎町でカローラレビンに乗ってカーステで杏里をかけてた。そんなところにポップの真髄がある、と北九州を動こうとしない彼らは思ってる。のかもしれない。

北九州戸畑シティから愛を込めて。ないあがらせっとが、もう一度デビューします。

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