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短期集中連載 あの中子真治が解説 この秋公開の“超カルト映画”5本

『恐怖の報酬』「本物の映画を観た」と芯から実感させてくれる骨太で容赦ない男たちの地獄巡り

毎週掲載

第4回

18/10/31(水)

『恐怖の報酬〈オリジナル完全版〉』 (C)MCMLXXVII by FILM PROPERTIES INTERNATIONAL N.V. All rights reserved.

 紛れもない傑作なのに正当な評価が得られず、興行的にも失敗に終わる不運な映画が稀にある。生まれてきた日が悪かったのか、公開のタイミングを誤ったばかりに報われない映画のことだ。1968年の『2001年宇宙の旅』は『猿の惑星』がなかったらもっと注目されただろうし、1982年の『ブレードランナー』や『遊星からの物体X』は完全に『E.T.』に粉砕された。ちなみに『2001年』公開の年、小松左京さんや星新一さんが主会員の日本SF作家クラブは『猿の惑星』を推薦映画とし、稀代の名作には頓着しなかった。しかし世界一不運な映画は、『スター・ウォーズ』ブームに沸き上がる1977年、つまり観客の好みもスタジオの方針さえポップ・スペクタクル映画へとシフトしはじめた最中に公開され、その場違いな内容ゆえ誰からもそっぽを向かれ、そればかりか40年ものあいだ封印されてしまったウィリアム・フリードキン監督の『恐怖の報酬』をおいて他にない。

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