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森崎ウィン×土村芳と探る、『本気のしるし 劇場版』辻と浮世の正体

リアルサウンド

20/10/17(土) 12:00

 地方局で放送された深夜ドラマを劇場用にディレクターズカット版として再編集し、カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション2020に選出されるという快挙を成し遂げた深田晃司監督最新作『本気のしるし 劇場版』。

 職場の女性ふたりと曖昧な関係を続けている男・辻と、すぐにばれる嘘をついて周囲に多大な迷惑をかける女・浮世。コンビニで知り合った浮世と関わったばかりに、辻は次々とトラブルに巻き込まれていく。辻は裏社会の人間と関わり、仕事や人間関係を失いながらも、何とか彼女を手に入れようと、破滅の道へと歩み出す……。

 今回、映画化にあたり、主演・森崎ウィンとヒロイン・土村芳とともに、改めて本作で演じた辻、浮世の人物像に迫っていく。

人間って本当に何を考えているのか分からない

ーー辻も浮世も、本心がどこにあるのか分からない、けどどこか引き込まれてしまう、目が離せないキャラクターでした。

土村芳(以下、土村):確かに辻も浮世も、言動や感情が見えにくいところがある分、見ていてイライラしたりモヤモヤする方がいらっしゃると思います。浮世に関しては、特に突発的な嘘や思わせぶりな言動が目立つので、人を振り回してばかりに見えてしまったりもすると思います。ただ物語が進むにつれ、それだけではない新たな価値観に私自身気付かされたところがあるので、作品を見終える頃には辻や浮世に対しての見方が、人によってはもしかしたら少し変わっているかもしれません。登場人物達のそういった変化も、きっと目が離せなくなる要素の一つになっていると思います。

森崎ウィン(以下、森崎):人間って本当に何を考えているのか分からなくて、実際に話しながら全く違うことを考えていたりする瞬間ってあると思います。けど、その一瞬に見せてくれる顔で何か読めたりとか、読めなくてずっと追いかけてしまったりする。そこで「まあいいや」と興味を持たなくなることもあるけれど、浮世の場合は、ずっと探ってしまいたくなるんです。「さっきこう言ってたけど、今また変わってるし、今、何を思ってるんだろう?」が常にあって、もちろんイライラしたり、はっきりしろよと思うこともすごくあります。でも、「なんでそうなるの?」という疑問に対して、「じゃあもういい!」ではなく、なぜか、ずっと引っかかってしまう……。僕にはその引っかかりを作ってくれる、すごく魅力的な女性として映りました。

ーーもし森崎さん自身が、浮世みたいな人と出会ったら惹かれますか?

森崎:無理ですね(笑)。夫がいるのを知ったところで、いや、出会ってすぐに「免許を持ってません」と言われた時点で、「なんで辻はお金を渡しちゃったんだろう?」って思います。彼はあれがなければ、こんなにドロドロな行く末を歩むことにはなっていないんです。だから本当に無理ですね。

ーー(笑)。初めて出会ってコンビニで声をかけた後に、踏切で助けるところまでは関わりを持つってことですか?

森崎:もちろんそれは人命に関わることですからね。1人の命を救うというのは、自分の中でのこれからの自信にすごくつながりますし。

土村:あははは(笑)。

森崎:それはもちろん助けますし、お金も渡しますけど。もうお金を返してくれとか思わないし、それっきりです。あの瞬間に嘘をつかれて、これ以上突っ込んだら、“やばいやつだ”って大体わかると思うので、無理ですね。

土村:浮世からすると、辻はなんだかんだ助けてくれるんです(笑)。なんでこんなに助けてくれるのか(笑)。

森崎:放っておけないんですよ。

土村:今まで浮世は、周りの男性にもとめられるがまま流されてしまうことや、必要とされる事に自分の存在意義を見出していたところがあったと思うんです。だからその価値観を変えるきっかけをくれた辻は、浮世が成長していく中で必要不可欠な存在になったんだと思います。

めちゃくちゃだけど、最後まで見届けてしまいたくなる

ーー今回、共演してお互いにどんな印象を持ちましたか?

森崎:土村さんは、僕を真っ直ぐな目で見てくれるんです。この現場ではパートナーだったので、2人でシーンを作らなきゃいけない場面が多かった中で、飛び込んでも大丈夫だなと思える懐の広い深い方でした。僕を全部受け止めて、毎回ちょっとの変化にも気付いて、土村さんから返ってくるものが毎回違ったりするのはとても楽しかったです。それと、土村さんは現場にいるとすごく安心する存在で。本当に現場で愛されていて、距離を取らずに誰とでもしっかりとコミュニケーションとって現場を和ませてくれる存在でした。僕もそんなに主演の経験があるわけではないので、なんかしなきゃと考えてしまう癖があるんですが、土村さんがいると、「もう乗っかろう」と楽な気持ちになりましたね。

土村:恐縮です(笑)。

森崎:恐縮です(笑)。

土村:森崎さんは、壁を感じさせない空気をつくってくださる方で、やりにくいところはないかなど、よく意見を聞きに来てくださったり、アイディアも豊富で、ご一緒して勉強になる事がたくさんありました。また心から作品づくりを楽しんでいる様子がとても素敵だなぁと思いましたし、主演としても本当に引っ張っていただきました。

ーー昨年のドラマ放送から、改めて時間が経ってみて気づいたこの作品の魅力はどこでしょう?

土村:おそらく生きていく中で、誰もが気付かないうちに人を翻弄したり、されたり、影響し合いながらも、他人と関わりを持って生きていると思うんですが、この物語も、そんな日常を生きる個性豊かな登場人物たちの様子に目が離せない感覚を味わっていただけると思います。めちゃくちゃだけど、最後まで見届けてしまいたくなる、そんな引力を持った作品になっていると思います。

森崎:何かにもがいている人たちの人間らしさ、人間の美しさがすごくあらわになっている作品だと思いました。それと同時に、エンターテインメントとして気づいたらしっかりのめり込んでしまう「深田(晃司監督)ワールド」が映像美にすごく映し出されているなと。出てくるキャラクターが主人公、ヒロインだからではなく、その全員が本当に魅力的に映っていて。正直、僕はこの物語を改めて1年越しに改めて観たときに、初めて客観的に観れて、ちょっと爆笑してしまったんですけど。自分だけじゃなくて、他のどのキャラクターに焦点を当てても、面白く描かれていると思います。

ーー爆笑してしまった?

森崎:みんながイキすぎていて(笑)。もう本当にクズ。訳の分からない行動をする人は本当に理解できなくて、「この人一体何を考えているんだろう?」っていうのが本当に最後まで分からない人もいます。でもそれはキャラクターの人生の一瞬を映してるだけなので、その前後の余白をすごく楽しめる作品でもあるなと思います。

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■公開情報
『本気のしるし 劇場版』 
全国公開中
出演:森崎ウィン、土村芳、宇野祥平、石橋けい、福永朱梨、忍成修吾、北村有起哉ほか
監督:深田晃司
脚本:三谷伸太朗、深田晃司
原作:星里もちる『本気のしるし』(小学館ビッグコミックス刊)
制作協力:マウンテンゲート・プロダクション
製作:メ~テレ
配給:ラビットハウス
(c)星里もちる・小学館/メ~テレ
公式サイト:https://www.nagoyatv.com/ honki/

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