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『スカーレット』は有名子役が大渋滞! 朝ドラ序盤の重要な“つかみ”を担う、子役たちの輝き

リアルサウンド

19/10/4(金) 6:00

 9月30日より放送が開始された戸田恵梨香主演のNHK連続テレビ小説『スカーレット』。

 ヒロインの半生もしくは一代記を描くことの多い朝ドラでは、物語の世界観を提示する「つかみ」の部分は非常に重要だ。

 視聴者の共感を得る意味でも子役時代が担う役割は大きく、作品によっては「子役時代が結局、一番良かった」と言われてしまうこともあるほどだ。

【写真】『義母と娘のブルース』みゆきの幼少期を演じた横溝菜帆

■歴代の朝ドラ子役レジェンド

 歴代の朝ドラ子役というと、誰もが真っ先に思い浮かべるのは、『おしん』の小林綾子だろう。

 作品人気だけでなく、小林綾子の「天才子役」ぶりは大いに話題となった。橋田寿賀子脚本の長台詞を、自分の分だけでなく相手のセリフまで丸暗記していたうえ、山形弁も完全にマスターしたことは、共演者やスタッフを驚愕させた。そんな彼女が『なつぞら』で、ヒロインの幼馴染・天陽(吉沢亮)の母として、長い時を経てまたしても「貧乏役」で戻ってきたことは、記憶に新しい。

 また、朝ドラ好きにとって忘れられない「子役の首位打者」といえば、森田直幸だ。『女王の教室 エピソード2~悪魔降臨~』(日本テレビ系、2006年)で“眉目秀麗・文武両道の優等生で、いじめっ子”宮内英二を演じたのが有名だが、朝ドラ子役史上、最も信頼された一人といえる。

 そんな彼の朝ドラ出演は『ふたりっ子』『ほんまもん』『てるてる家族』『風のハルカ』『芋たこなんきん』『ちりとてちん』『てっぱん』と、7作に及ぶ。幼い頃から、柴犬のような素朴で聡明さが漂う容姿と、ちょっと寂し気な雰囲気、確かな芝居が印象的で、彼が芸能界を引退したときにはショックを受けた朝ドラファンも多かったのではないだろうか(ちなみに、現在は電通の社員をしている)。

 また、朝ドラ御用達子役の筆頭は「二宮姉弟」だ。

 姉は、二宮星。『カーネーション』で尾野真千子演じる糸子の少女時代をエネルギッシュに愛嬌たっぷりに演じた様があまりに素晴らしかったことから、後に糸子の次女・直子役として再登場した。

 近年はヒロインの幼少時を演じた子役が、後にヒロインの子ども役で再登場するのが一つの定番になっているが、その流れを作ったのが二宮星の名演技だったと言えるだろう。

 そして、その弟が、二宮輝生。朝ドラ出演作は『ごちそうさん』『マッサン』『あさが来た』『まんぷく』と人気作品揃いで、姉と共通する愛嬌と達者な芝居には安定感がある。『まんぷく』で萬平(長谷川博己)・福子(安藤サクラ)の息子の少年時代として登場したときなどは、妙なベテラン感すら漂わせていた。

 また、近年の朝ドラで子役たちが特に輝いていたのは、『半分、青い。』だろう。メインキャストの子役時代と「本役」の役者が似ても似つかない作品もある中で、ヒロイン・鈴愛の子役時代を演じた矢崎由紗はよく動く丸い目やエネルギッシュなところ、笑い方や表情豊かなところが永野芽郁とよく似ていて、その“シンクロ”度が視聴者の間で話題となった。

 また、同作では、佐藤健演じる律の幼少期を演じた高村佳偉人が、愛らしさと繊細さ、ちょっと大人びた雰囲気から人気を得て、後に『チア☆ダン』(TBS系)、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)、『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)出演へと羽ばたいていった。

 矢本悠馬の幼少時を演じた西園寺龍之介役の大竹悠義も、リアル昭和の子感が視聴者に絶賛された。

■有名子役起用の風潮

 ところで、朝ドラの子役に近年、一つの変化をもたらした存在が、『あさが来た』の鈴木梨央だろう。元来「朝ドラ」は、子役の才能の青田買い的な面があり、一方で、役にハマリ過ぎたり上手すぎたりすることで、そのイメージがつきすぎて、民放ドラマなどにはあまりハマらないパターンも多かった。

 だが、すでに有名子役を起用したのは、結果的には大当たりで、ヒロインをオーディションでなく、キャスティングで決めるようになった近年の流れにも通じる部分があった。

 では、『スカーレット』はどうか。喜美子を演じる川島夕空は、「本役」の戸田恵梨香とは造形は似ていないのに、意志の強そうな眉と目ヂカラ、口をとがらせて話すときの表情、大きく口をあけて笑う屈託ない笑顔など、イキイキした躍動感が重なって見える。

 川島はNHK Eテレの『みいつけた!』で3代目スイちゃんを担当していたほか、朝ドラ『花子とアン』や、民放ドラマでは『緊急取調室』(テレビ朝日系)、『グッド・ドクター』『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』(ともにフジテレビ系)などにも出演していたキャリアのある子役である。

 また、喜美子の同級生でおしゃまなお嬢様・照子を演じているのは、横溝菜帆。NHKの大河ファンタジー『精霊の守り人』や大河ドラマ『平清盛』などの出演経験もあるが、一躍人気者となったのは、『義母と娘のブルース』(TBS系)から。綾瀬はるかの義理の娘・みゆきを可愛く賢く、義母との心の交流を繊細に演じ、大いに注目された。

 さらに、本作の子役で注目すべきは、ヒロインの妹で川原家の三女、現時点ではおんぶされている赤ちゃん・百合子の成長後。

 まず登場するのは、朝ドラ『とと姉ちゃん』のほか、『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』『トレース~科捜研の男~』(ともにフジテレビ系)、『この世界の片隅に』『アンナチュラル』(ともにTBS系)、『TWO WEEKS』(カンテレ・フジテレビ系)と出演作が続く稲垣来泉。

 そこからバトンを受け取るのが、住田萌乃。朝ドラ『マッサン』やNHKドラマ『奇跡の人』、民放ドラマでは『明日、ママがいない』『視覚探偵 日暮旅人』(ともに日本テレビ系)、映画『湯を沸かすほどの熱い愛』など多数の作品に出演し、米津玄師がプロデュースした「パプリカ」を歌う「Foorin」のメインボーカルとしても活躍している、売れっ子有名子役だ。

 それだけでもすごいのに、さらにバトンを受け取る豪華リレーの最終ランナーは、福田麻由子。ドラマ『女王の教室』(日本テレビ系)、『白夜行』(TBS系)をはじめとした数々の名演技に魅了された人は多く、キャリアも実力も「別格」の有名子役出身の女優である。

 朝ドラの前作『なつぞら』が、ことごとくイケメンを集めていたのに対し、『スカーレット』の有名子役の充実度は特筆すべきポイントだろう。

 そんな有名子役たちに囲まれながらも、現時点で一番気になる子役といえば、林遣都の幼少期で、喜美子の同級生・大野信作を演じる中村謙心だ。

 器量の良さから照子に盛んにアピールされる役どころだが、素直でちょっと線が細く、育ちの良さそうな坊ちゃんぶりは、好印象だ。しかも、活発な喜美子に子分のように扱われているかと思えば、その言動に振り回されつつ、関心を示していく好奇心の強そうな雰囲気には、視聴者も思わずクスリとさせられる。達者な子役ばかりの中で、彼は本作が俳優デビューというから、今後の活躍が非常に楽しみな人材だ。

(田幸和歌子)

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