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「第三夫人と髪飾り」舞台挨拶の様子。左からアッシュ・メイフェア、五所純子。

「第三夫人と髪飾り」監督のアッシュ・メイフェア来日、曾祖母による体験明かす

ナタリー

19/9/5(木) 22:49

「第三夫人と髪飾り」の舞台挨拶が本日9月5日に東京・日比谷図書文化館で行われ、監督のアッシュ・メイフェア、文筆家の五所純子が登壇した。

19世紀、北ベトナムの山間部を舞台に、大地主の第3夫人として14歳で嫁いできたメイを主人公にした本作。世継ぎとなる男児を産んだ穏やかな第1夫人、3人の娘を持つ魅惑的な第2夫人、そしてメイを取り巻く愛憎、悲しみ、希望を官能的に描き出す。

まず五所は劇中に登場する水や花、血などの印象的なモチーフについて尋ねた。メイフェアは「アーティストというのはときに、作品にとっての乗り物や道具になっている感じがします」と前置き、「もともと脚本段階では、水を何かの象徴として使う予定ではありませんでした。ロケ地に行ったときに、映画を作る世界の一部として、山や川そのものが『自分を使ってくれ』とギフトとして自身を差し出してくれているような気がしたんです」と振り返る。

映画内で夫人たちが不必要にいがみ合わない点に言及した五所。「複数の女性が映画に出てくるとき、バトルしていがみ合う関係のように撮られることが世界的にも多いと思います。でもこの作品では(夫人たちの)打算や野心は最低限に抑えて描かれていると感じました」と話すと、メイフェアは14歳で結婚し一夫多妻制度の中に身を置いていた自身の曾祖母について述懐する。「『ほかの奥さんがいて競争したり、やきもちを焼いたりしなかったの?』と聞いたら、彼女はあっさりと『忙しすぎたから』と。生活自体がとても大変だったので、お互い助け合って子供を育てたり家のことをやったりしていたんです」と説明した。

続けて「『社会における女性への圧力がすごかったので、絆を持って姉妹のように生きていた。あまりにも苦しかったから皆で絆を作っていくしかなかった』と言っていたのが印象的。それで私はアジアの女性には痛みを力に変容させることができるのだと考えました」と思いを語る。また本作の美術監修を担当したトラン・アン・ユンからは、「映画にとって何が真実なのか、何が美なのかを常に自問し続けなさい」とアドバイスを送られたことも明かした。

製作国ベトナムにて公開後4日で上映中止となった今作。「保守的な人たちはこの映画をたぶん攻撃するだろうと予期していた」とメイフェアは振り返り、それでも国内上映を決断した理由を「国内にいるアーティスト、特に若い女性アーティストに検閲を恐れず自分の言いたいことを語っていいということを見せたかった。私たちが行動することの1つひとつが1滴となり大海になるのだと考えています」と力強く述べていた。

「第三夫人と髪飾り」は、10月11日より東京のBunkamura ル・シネマほか全国で順次ロードショー。

※「第三夫人と髪飾り」はR15+指定作品

(c)copyright Mayfair Pictures.

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