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欅坂46 今泉佑唯は新たな希望へと歩み始めた 卒業の真相語った各誌インタビューから感じたこと

リアルサウンド

18/9/27(木) 8:00

 8月7日の自身のブログで、欅坂46から卒業することを発表した今泉佑唯。ソロ曲「日が昇るまで」で参加した7thシングル『アンビバレント』の活動を最後にグループを離れ、新たな道を歩むことを発表して以降、ブログや写真集の公式Twitterなどで、ファンの寂しい気持ちを払拭するかのごとく、今まで以上に明るく楽しい姿を積極的に見せている。そんな今泉が、初のソロ写真集『誰も知らない私』(10月3日発売)の発売を前に、各雑誌のインタビューで卒業に至った経緯や思いなどを語り始め、真相がいま徐々に垣間見えてきた。

(関連:今泉佑唯、“欅坂46初の卒業”がグループに与える影響は? ソロでもマルチな活躍に期待

 まず『別冊カドカワ総力特集欅坂46』や『週刊プレイボーイno.41』などのインタビューでは、昨年の4月から体調不良を理由に約4カ月間活動を休止していた期間に、一度卒業を意識し、スタッフに相談していたことを明かしている。結果、1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』でソロ曲「夏の花は向日葵だけじゃない」が用意され、ファンに「待っていてくれたら嬉しいな」とブログ内で呼びかけていたこともあり、夏の全国ツアーで復帰を果たす。しかし、その後も体調不良で休むことが多く、今泉はグループにとってもファンにとってもよくないことだと思い、卒業を決意したという。この心境を、プロデューサーで作詞家の秋元康に伝えたところ、ソロ曲「日が昇るまで」ができたのだとか。サビである〈前向くことできますか?〉という歌詞は、今泉が実際に秋元に言った言葉だという。

 そして平手不在の『欅坂46 2nd YEAR ANNIVERSARY LIVE』を終えたときに燃え尽きたような感覚となり、「これは卒業なのかな」と実感したことを語る。当時のインタビューでは、平手の休養で目標としていたセンターを務めることになり、それにより平手の重圧を知ったと答えていた。憧れていたセンターを必死にやりきったことで、現実が見えたのかも知れない。この今泉と平手の関係性は、才能の違いに苦しみながらも、そのことを受け入れ、自分の作品を見つめ直すという、まさに映画『響 -HIBIKI-』における祖父江凛夏と鮎喰響のようだと感じた。

 そんな今泉が卒業を発表した時に気になったのが、今後は「タレントとして活動を継続」と宣言したこと。幼少の頃からアイドルを目指し、強くセンターを志望していた今泉なら、自分の好きなようにソロで歌いたいというのが、卒業の一番の理由だと思われた。しかし、今泉は「歌も歌いたいけど、それ以上に皆さんに笑顔を届けたくて」という理由で、歌手ではなく女優でもない“タレント”という肩書きを選んだ。卒業を発表して以降、肩の荷が降りたかのように面白い画像や動画を発信し続けているのは、「笑顔を届けたい」という今後の目標に切り替わった証なのかもしれない。

 そんな今泉は、今年の目標の一つに写真集を出すことを掲げていたという。念願のソロ写真集『誰も知らない私』は、一番落ち込んでいた時期にオファーを受けたが、ジム通いやロケなどをしたことで元気を取り戻したそうだ。メディアに向けて発表された先行カットでは、ボディーラインがくっきりと分かるビキニや、ランジェリー姿などが披露されていた。アイドルグループの中でも特に肌の露出が少ない欅坂だからこそ、ここまで大胆な姿を見せるのは前代未聞。本人としても10代最後の姿を残したメモリアルな写真集ではあるが、残り少ない欅坂としての活動の中で、ファンへ向けた最後のプレゼントだとも言える。またストイックに身体を絞り込んだスタイルからは、ファッション誌『ar』のレギュラーモデルも含め、これからモデルとしても活躍の場を広げて行くことへの所信表明とも感じとれる。

 そして女優として現在『恋のツキ』(テレビ東京系)に出演中。Netflixとの共同制作であるだけに、今まで欅坂メンバーが出演した映画やドラマとは比べ物にならないほど過激な描写が多い印象だ。今泉は、31歳の女性と15歳の男子高校生の禁断の恋に割って入る女子高生・サカキ役を演じている。第6話エンディングシーンで初登場した今泉は、ピアノでドビュッシーのアラベスク第1番を演奏するという、あまりにも美しい姿でインパクトを残した。青春時代のピュアさゆえに醸しだされる色香や、一見明るいが、2人の関係を知ってどうしようもなく辛い気持ちに苛まれていく姿は、まさに今泉にピッタリの役だと言える。グループではあまり感じられなかった演技力が開花したことで、改めて今泉のポテンシャルの高さとソロで活きる人材だということを実感した。

 まだ正式な卒業日は発表されていないが、20歳を迎える前に大きな決断をした今泉。グループのことを考えるとやはり複雑な心境なのは否めないが、アイドルはいずれ誰もが通る道でもある。「欅坂46のメンバーとして何かを残すことができなかったので、ゆっくり恩返しができれば」という今泉は、ドラマ出演、そして初のソロ写真集発売と、新たな希望へと着実に歩み始めた。不器用な性格の今泉は、今まで欅坂ではできなかった新たな表現の場にたどり着いたとき、我々にどんな景色を見せてくれるのだろうか。(文=本 手)

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