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ポルシェを歯で支え、月を開拓し、新種の抗体を持つ男……「こち亀」両津勘吉が見せた“異次元の強さ”

リアルサウンド

21/1/8(金) 10:00

 『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の最大の魅力といわれるのが、両津勘吉の人類を超越したハチャメチャな強さだ。

 作中、人間とは思えない振る舞いで読者を驚かせてきた両津。今回はそんな驚きのエピソードを見てみよう。

ポルシェを歯で支える

 ダイヤや高級時計を扱うクレーンゲームで20万円分の商品をゲットした両津。それを見た中川が、テレビ局の知り合いがクレーンゲームの番組を行う予定だと紹介。2人はフリーターチームとして参加する。

 そのクレーンゲームはクレーンの先に人間がくくりつけられ、商品を掴み取るというもの。欲深い両津が挑むと、真っ先に高価なポルシェへと向かい、車の前方部分をバカ力で持ち上げた。

 「ゴールすればトップ間違いなし」と実況がアナウンスすると、「馬鹿野郎。これからが本番だ」と両津。本領発揮とばかりに、ビデオカメラを首にありったけくくりつけ、時計と電子手帳をポケットに入れ、股にビデオデッキ、さらに足の指にカメラを5台くくりつける。

「両手が使えればもっといっぱい持てるんだが」とつぶやく両津は、なんと口でポルシェの前方部分を噛み、歯で重みをすべて受け止め持ち上げる。実況は「凄いパワーだ、考えられません」と驚いた。

 結局両津は1672万円分の商品をゲット。その様子をテレビで見ていた部長は「欲の塊だからな、こういうのには強い」と呆れたように話した。(73巻)

 自らの欲のためポルシェの重みを歯で受けた両津。人間とは思えないさすがのパワーを見せつけた。

シニア世代とサバイバルゲーム

 趣味のサバイバルゲームに挑むことになった両津は、対戦場で銃など兵器に詳しいおばあちゃんを見かける。数日後、両津の参加するサバイバルゲームチームの2軍が、おばあちゃんが参加するシニアチームに負けたことを告げられ、1軍に挑戦状が届いたことが告げられた。

 対戦場に着くと、実践用に兵器を軽量化したシニアチームの姿。両津は「不気味なチームだ……」と、恐れる。そして銃の試し撃ちを正確に行う様子を見て驚くと、本田から「本物の元軍人が10人いるらしいぞ」と報告が入り、チームのメンバーは恐れおののいてしまう。

 ゲリラ戦を得意とし、補聴器に見せかけたインカムで連絡を取り合うシニアチーム。両津もサーモグラフィーなど最新機器で対抗するが、それでも動きが読まれていた。ここで勘の良い両津は内通者の存在を疑う。すると銀行員の横田が、相手のなかにいるお得意様には逆らえないと、動きをバラしていたと自供した。

 その後、「かあさんの歌」など、情に訴えかける音楽などを流し、両津チームを追い込んでいくシニアチーム。ここで両津は孫の声が入ったテープを流し反撃。なんとか巻き返しに成功し、両津チームが勝利した。(109巻)

 元軍人が入ったシニアチームとの頭脳戦だったが、両津の機転が冴え渡った。窮地で発揮される動物的な勘は、人間離れしている。

月を開拓

 正月休みを早めにとって月に行くことになった両津。水道橋博士とともに風呂屋の煙突からロケットに乗り、月に到着する。

 両津は月の地面を掘り、ダイヤを集めて回る。ロケットが地球に帰る時間になっても収集に夢中になり、なんと月に置いていかれてしまう。「どうやって帰ればいいんだ」と途方に暮れる両津だが、「後のことはゆっくり考えよう」と発掘に精を出す。

 発掘に飽きた両津はコンビニエンスストアを探す。するとアポロ計画で使った月面車と食料を発見。さらには着陸船や酸素維持装置も見つける。両津は地球に帰ろうとするが、大気圏で焼失してしまう可能性もあることから、「無理して帰るより月で暮らす」「ワシが月の住民第一号として所有する」と、月に「両津不動産」と書き込み、開拓をスタートさせた。

 数カ月にわたり開拓した両津。そこには地球のような町並みができあがっていた。月を探索に来た日本人が来ると先住民族として脅し、開拓を手伝わせる。月を自分のものにした両津をテレビ中継で見た中川は「月を独立国にして大王になりかねないな、恐ろしい」とつぶやいた。

 月を開拓し、手中に収めた両津だが、次の回では何食わぬ顔で派出所に戻っている。月で生き抜き、その後地球に帰還した奇跡の人物なのだ。(58巻)

リョーツGPX型ワクチン

 配管の上に寝ていた両津は、誤って川に転落してしまう。さらに財布がないことに気が付き、もう一度川へとダイブ。

 その後、ゴルフ場の除草剤が川に流出していたことが判明し、気分が悪くなった両津は病院に運ばれる。検査すると、両津の体内にバイキンの形をした新種の抗体があることが判明。それはウイルスを一瞬にしてやっつけてしまうもので、「ものすごい恒常性維持機能だ!」と医者たちは驚きの声をあげる。

 医師たちはここから風邪の特効薬を作ろうと動く。抗体を「リョーツGPX型ワクチン」と名付け、両津を一流ホテルのスイートルームに移し、隔離する。中川は「子供の頃犬の糞を勇気だめしに食べたことがあると言ってました」と、その強さを分析した。

 人類の救世主となり、警察の階級も5階級昇進となるなど、すっかり天狗になった両津。ところが研究を進めるとリョーツGPX型ワクチンはあまりにも刺激が強いため、頑強でタフな人間にしか使えないことが判明。ワクチンとしては失格の烙印を押され、一気に各方面から叩かれてしまった(70巻)

豊富な話題で読者を引きつける

 先見性、感動、名言、そして破天荒な振る舞い。1つの作品でありながら、様々な要素を持つ「こち亀」。そんな豊富なストーリーが長きにわたり人々に愛されてきた大きな理由なのかもしれない。

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