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『恋する母たち』子どもたちの成長とともに母たちの恋が動き出す 物語は2020年へ突入

リアルサウンド

20/12/5(土) 6:00

 母たちは恋に現実を見て、そんな母たちとの恋に男は夢を見る。

 『恋する母たち』(TBS系)第7話。杏(木村佳乃)と斉木(小泉孝太郎)はお互いの「めんどくさい」部分が露呈して別れることになり、夫に不倫がバレた優子(吉田羊)は単身赴任をきっかけに赤坂(磯村勇斗)と距離を取り、まり(仲里依紗)はまりの夫・繁樹(玉置玲央)のスキャンダルで丸太郎(阿部サダヲ)との恋どころではなく……それぞれの恋は身動きが取れない状態にあった。

 母たちには守るべきものがある。それは、子どもたちとの生活。自分1人であれば、すぐにでも飛び込めたかもしれない。しかし、そのワガママに子どもたちを簡単には巻き込めない。ましてや子どもの父である夫や元夫が弱っているとしたらなおさらだ。個人の幸せと、家族という小さな集団の幸せが、いつでも一致するとは限らない。そんな現実を見つめる母たちの恋に付き合えるかどうかは、母たちに恋する男たちの力量にかかっている。

杏と斉木のイライラ婚

 斉木は、相変わらず気難しく不器用だ。酔っ払った勢いで謝ろうとしていた杏にも「シラフのときに話そう」と拒絶する。良く言えば誠実でまっすぐ。だが、それは柔軟性に欠けるとも言える。そんな斉木が「ラストチャンス」を歌いながら、文字通り自分の人生のラストチャンスを掴むために、一大決心をする。杏と結婚し、そして建築家となる夢を追いかけること。

 杏の息子・研(藤原大祐)も、最近は父親である慎吾(渋川清彦)のもとに行き来し、暮らしぶりが変化していたところだった。これからは、自分の恋を大事にすることができるタイミング。収入は少し減るけれど、斉木の夢を共に追いかける日々も悪くない。そう杏も思い、斉木のプロポーズを改めて受け入れ、2人は晴れて結婚をする。きっと杏は斉木の気難しいところにやきもきするに違いない。そんな杏を斉木は「めんどくせぇ」と思うはずだ。それでも、お互いが「一緒にいるとイライラするんだけど、会えないともっとイライラする」と言ってほほえみ合うのだから、似た者同士うまくいってほしいところ。

優子と赤坂のオウンゴール

 一方、赤坂への恋も、与論島に向かった夫・シゲオ(矢作兼)と息子・大介(奥平大兼)のことも忘れるように仕事に没頭する優子。門前払いをくらってきた営業先に足繁く通う日々を送っていた。プライベート返上で仕事に打ち込む優子に、少しずつ心を開いていく社長たち。だが、むこうも長年の付き合いがある取引先を簡単に手のひら返して契約を打ち切るわけにはいかない。そのあたりは、母たちの恋とどこか似ている。そこで、母である優子を振り向かせた赤坂からのアドバイス「相手のオウンゴールを待て」が効いてくる。

 やれるだけのことはやって、あとは「天命を待つ」。それは、赤坂が今も優子を口説き続けているという宣言でもある。かつての熱意と行動力で優子を口説いたときの赤坂とは違い、今はそっと千葉に帰る優子をタクシーから見つめるだけ。もちろん、手をそっと差し伸べるあたり、その気持ちには変化がないと暗に伝えながら……。優子は、その気持ちを受け入れながら、赤坂と付き合っているという有馬(結城モエ)の言葉に複雑な思いを抱いていた。結婚する杏を見つめながら、赤坂が有馬と新たなステージに進んでいくのかと思うと寂しくもあった。遠く離れた場所に住み、そのうえ赤坂との恋に突き進んでしまったら、大介の母という存在意義を失ってしまうような気がして怖いのだろうか。今は恋を手放して見せている優子だが、彼女のオウンゴールを赤坂がじっと待っている。

まりと丸太郎の我慢比べ

 「待つ」といえば、まりと丸太郎の恋は繁樹の回復待ち状態に。キャリアをすべて失った繁樹だが、家庭では相変わらずモラハラ気味な態度を崩さない繁樹に、ほとほと嫌気がさしていたまり。「あんな男捨てちゃえ」「自分が稼げるようになるから」と、まさかの息子・繁秋(宮世琉弥)が味方してくれることに驚く。ラップの才能が認められ、芸能事務所の寮に住むことを決心した繁秋は、家族を守ろうと奮闘するまりにとって心強い存在に成長してくれた。そんな息子のライブもしっかりチェックして、足を運んでくれる丸太郎。ますます繁樹との器の違いを感じさせる。

 そんな丸太郎から、結婚をしない理由となっていた最初の妻が亡くなったことが告げられ、子どもたちも全て任せてほしいと改めてプロポーズをされるのだが、まりは「弱っている夫を見捨てられない」と今すぐには難しいと正直に答える。そんなまりのことも「任侠だ」「惚れ直した」とベタ褒めしてくれるのだから、まりとしてはたまらない。悩みのタネだった繁秋が自立したのも、丸太郎がきっかけ。本音はすぐにでも結婚したい。でも、するのであれば心からスッキリした状態がいい。繁樹が会計士の資格取得に踏み出すと言われ、ホッとした表情を浮かべたのは、いち早くその日を迎えたいから。待つ我慢は丸太郎より、むしろまりのほうが難しそうだ。

 子どもたちの成長と共に、動き出す母たちの恋。そして、その母たちとの恋に未来を夢見る男たち。公式サイトのあらすじを見ると、どうやらここから2020年に突入するという。生活が大きく変化した2020年の現実を受けて、母たちの困惑は加速する予感。子どもたちへの影響、そして男たちのラストチャンスの行方が気になってしかたない。

■放送情報
金曜ドラマ『恋する母たち』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:木村佳乃、吉田羊、仲里依紗、小泉孝太郎、磯村勇斗、森田望智、瀧内公美、奥平大兼、宮世琉弥、藤原大祐、渋川清彦、玉置玲央、矢作兼、夏樹陽子、 阿部サダヲ
原作:柴門ふみ『恋する母たち』(小学館 ビックコミックス刊)
脚本:大石静
チーフプロデューサー:磯山晶
プロデューサー:佐藤敦司
演出:福田亮介
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS

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