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『ROOKIES』から『恋つづ』まで キャリアと共に振り返る、佐藤健の名作ドラマ

リアルサウンド

20/4/14(火) 6:00

 暗いニュースが続く中、『恋はつづくよどこまでも』(TBS系、以下『恋つづ』)スペシャルダイジェストが放送されるとの朗報が飛び込んできた。ドSな医師・天堂の緩急ある胸キュンと、彼氏感満載な公式LINEのダブルパンチで、多くの女性を陥落させた佐藤健。これを機に、外出自粛の今こそ観たい過去の出演ドラマについて記したい。

【写真】夜の公園のベンチに座る佐藤健

■『ROOKIES』(2008年/TBS系)

 高校2年生でスカウトされたのをきっかけに芸能界入りした佐藤は、翌2007年に『仮面ライダー電王』(テレビ朝日系)の主人公・野上良太郎役でドラマ初主演。容姿、声、演技、すべてが初々しい姿には今とは真逆の“キュンキュン”があるわけだが、放送期間が丸1年(全49話)あるので後程ゆっくり見直すことして、ここでは『ROOKIES』を抑えておきたい。

 森田まさのりの同名コミックを佐藤隆太主演で実写化した本作は、かつての野球名門校を舞台に、不良高校生たちが熱血教師のもと、甲子園を目指していくスポ根モノ。市原隼人をはじめ、小出恵介、城田優、中尾明慶、桐谷健太らがキャストに名を連ね、佐藤はドレッドヘアがトレードマークの岡田役を演じた。

 レギュラーキャストとはいえ、岡田はチームメイトのひとりという立ち位置。派手な髪型と、イケメンぶりで知名度を上げた佐藤だったが、作品内で見せ場がなかったのは「(演技が)一番下手だったから」と石丸彰彦プロデューサーが明かすなど(2013年放送TBS系『A-Studio』)、佐藤にとっては悔しさ=飛躍の糧となった作品といえるだろう。同世代の役者たちの中で、たくさんの葛藤があったであろう当時の佐藤。後にその石丸プロデューサーが、『天皇の料理番』(2015年/TBS系)で佐藤を主演に抜擢するという胸アツエピソードも踏まえて鑑賞すれば、より響くものがありそうだ。

■『ビター・ブラッド~最悪で最強の親子刑事~』(2014年/フジテレビ系)

 『ブラッディ・マンデイ』(2008年/TBS系)、『メイちゃんの執事』(2009年/フジテレビ系)、『Q10』(2010年/日本テレビ系)と学生役が続く一方で、大河ドラマ『龍馬伝』(2010年/NHK総合)で初の時代劇に臨むなど、役者として厚みを増した2012年、映画『るろうに剣心』の緋村剣心役で人気を不動のものに。

 翌年には『とんび』(TBS系)で、主人公の息子の高校時代からの約15年間を演じきった佐藤だが、ここで注目したいのは初めて刑事役に挑んだ『ビター・ブラッド~最悪で最強の親子刑事~』。佐藤扮する佐原夏輝は、少年時代に別離し、確執がある父・島尾明村(渡部篤郎)と偶然バディを組むことになった新米刑事で、凸凹親子の奮闘をコメディタッチで描いている。

 とにかく走り、走り、走りまくる佐藤が拝める本作は、寝坊をして自転車をかっ飛ばし、事情聴取で涙を流し、慣れない料理にアタフタするような、人間味あふれる夏輝の可愛らしさと、クールなアクションが見どころ。また感情だけで突っ走る“未熟さ”は、『恋つづ』の天堂とはかけ離れており、今観ることで佐藤のふり幅と進化を認識できるに違いない。

■『天皇の料理番』(2015年/TBS系)

 「第24回橋田賞」受賞など、役者として高い評価を受けたのが、先述の日曜劇場『天皇の料理番』。何事もすぐに投げ出してきた田舎町の青年・篤蔵(佐藤健)が料理にのめり込み、天皇の料理番にのぼり詰めるまでを描く物語である。

 鈴木亮平×麻生祐未×芦名星の『テセウスの船』(TBS系)組、小林薫×柄本佑の『知らなくていいコト』(日本テレビ系)組など、今だからこそドキッとするキャスティングも印象的な物語の中で、佐藤は頭を丸刈りにし、お調子者の青年役を好演。西洋料理を初めて味わった時に見せる顔など、観ているこちらもつられてしまうような、心揺さぶる表情が魅力的だ。

 とことん料理に惹き込まれていくさまを、引き締まっていく顔つきや所作、ぐんぐん上達していく調理の手さばきで丁寧に表現。またガムシャラに前を向いて突き進んでいく篤蔵にはパワーがあり、気持ちが沈みがちな今、鑑賞するのにぴったりな作品といえるだろう。

 その後しばらく連ドラに出演していなかった佐藤だが、2018年に『義母と娘のブルース』(TBS系)で憎めないダメ男の麦田、朝ドラ『半分、青い。』(NHK総合)で知的で繊細な律という正反対の役どころを同時期に演じて話題に。そして2020年、『恋つづ』へーー。

 過去作を振り返ることは、あどけない少年時代から色気ダダ漏れの現在に至るまで、佐藤がストイックに作り上げてきたアルバムをめくる贅沢な作業。受けの主演と、攻めの脇役、ポップなコメディから重厚な人間ドラマまで、演じる役や作風のバランスが良く、ページをめくれどもめくれども飽きがこない。とりわけ『恋つづ』で佐藤健に溺れた皆様には、「もう抜け出せない」と覚悟を決めてから、その表紙を開くことをおすすめしたい。

(nakamura omame)

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